神黎の図書館

漫画・小説・映画・アニメ・ドラマを主観によるグラフ+点数+批評+感想を綴り、作品の評価をあらゆる形で視覚化したブログです。有名な作品から掘り出し物的な作品まで生涯の内になるべく多くの作品に触れて伝えていけたら本望です。

運命を変える護衛『グレンデル』

グレンデル  コミック 全3巻セット

・タイトル

グレンデル

・本の概要

王国騎士でありながら王女(妹)を見殺しにした重罪により投獄され、死を待つだけの存在となった主人公のカメリア。
生き残る最後の手段として極秘任務として竜の仔であるグレンデルを護衛し、目的地に無事に届けることを決意します。

各巻の感想が見たい方はこちら
1巻
グレンデル 1巻 (ゼノンコミックス)
罪人騎士カメリアは2つの選択を迫られる。
死刑か極秘の護衛任務か。
何より生きることを重んじる彼女は護衛を選ぶ。
護衛対象は絶滅したはずの竜の子供。
この護衛が彼女の運命を大きく変える。
gamemachine-alternativeshinku.hatenadiary.jp

2巻
グレンデル 2巻 (ゼノンコミックス)
魔法使いを名乗る謎の男ウヴリが登場。
彼の発言や行動で大きく振り回されることに……
もう1匹の竜と竜の肉を喰らった者も登場。
彼等は敵か味方か……波乱と激動の展開!
gamemachine-alternativeshinku.hatenadiary.jp

3巻
グレンデル 3巻 (ゼノンコミックス)
明かされる真実。仕組まれた罠。絶体絶命のピンチ。
2人に安息は訪れるのか?
秘めた想いと決意を胸に抱き、グレンデルは突き進む。
gamemachine-alternativeshinku.hatenadiary.jp


・著者情報

イカワマコ

職業 漫画家
チョコレートやお菓子が好き。

・点数 80点

ストーリー☆☆☆
画力☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆

・評価
巻数が少ない弊害なのか、初期の段階から世界観の説明を省き気味で、どちらかと言えば、読みながら覚えていくスタイルです。
故に、分かりやすいとは言い難く、キャラクターの成長に伴い、テーマも変化するRPG要素のあるファンタジー作品なので、一貫性があるとは言い難いです。
ただし、メッセージ性が随所にあるので、個人的にはわりと好きなストーリーです。
旧採点方式では☆4つの評価です。

個性の範囲に収まるかは読み手側の個人差に委ねられそうなので、少々辛口採点です。
粗さと丁寧さの紙一重的な絵柄であり、1巻時点では絵に酔いそうでした。
慣れれば普通に読めます。
そんな感じの画力です。

個性とか役割とかもあるんですが、純粋にクセが強い。
そんなクセ強キャラクターの成長が作品の魅力の1つでもあります。

西洋風の架空の王国、竜の仔、魔法使いetc.等のファンタジー要素は巻数のわりにしっかり細かく且つ比較的分かりやすく描かれています。

正直、1巻の時点ではMAX評価を付けるほどではないどころか酔うから微妙かもしれない……ぐらいの感想でしたが、2巻以降は結構没頭し、最終的にはもっと読んでいたかったから長い巻数でもよかったかも?って思う程でした。
ただ、最難関が最初なので、総合すると、この巻数で正解かも?


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。


グレンデル 1巻 (ゼノンコミックス)
グレンデル 2巻 (ゼノンコミックス)
グレンデル 3巻 (ゼノンコミックス)


・感想
まず前提条件として、画に独特の癖があるのでそこで合う合わないが分かれると思います。
王族の為なら騎士は命を捨てて当然。1人でおめとめと生還しても死罪かそれ以上の罰が待ち受けているだけ……というのも、一般的な感性の日本人だと浮世離れしてるかな?とも少し思います。

要所要所に入ってくるので作品を通して意外と多いのがグロシーン。
こちらも賛否分かれそうです。

もう独特なのが世界観ですね、王国×騎士もしくは騎士×護衛かと思いきや、(王国の)外の世界は雑食…みたいな。
魔物有り、獣人(出来損ないも存在)有り、魔法有りetc.

バトル漫画の要素も多いので、テンポは比較的良いのですが、1巻を始め、独特の世界観についてのルールを説明するところはどうしても手や指が止まってしまいがちです。

ストーリーに関しては、結構練り込まれているであろうよく出来た設定というか、ゲーマー的にはめちゃくちゃ好きな世界観でした。

多少ネタバレにはなりますが、RPG風に言うと、騎士(剣士)、竜(FEのチキみたいなイメージ)、魔法使い(睡眠、催眠魔法が得意)というパーティー編成で、敵は群れで襲いかかる集団戦闘タイプもしくは召喚術が扱える強大な魔法使いです。

この作品の最大の欠点は打ち切りエンドなところです。
もったいない……
魔法使いの正体と真意と目的、随所で入れられたカメリアの父親の回想シーンの意味、原初のドラゴンスレイヤーの件などなど、気になる伏線を残したままの完結ということで多少もやっとはします。

とはいえ、締め方そのものは美しいと言えば美しいです。
グレンデルの子供らしさが見え隠れします。
微笑ましいシーンを挟んで和やかに終わります。ちょっと(作品としての)グレンデルらしくない気もしますがw


ネタバレになるちょっと真面目な考察もどき
ラストシーンは国を敵に回してカメリアとグレンデルの2人で逃亡劇を続けるというものです。
2人……あれ、ウヴリは?
置いて行ったのか、普通に別れたのか、出ていかれたのか、はたまた裏切ったのか…あの人ならどれも有り得るんだよなw

途中のストーリー展開的に考えて、カメリアの父親が竜の肉食べて闇堕ち状態で現れて、カメリアと戦い、倒した時にカメリアの涙は戻るのか?戻らないのか?みたいなものは有りな気がする。って思います。

ウヴリが父親説もあるし(僕の中で)、原初のドラゴンスレイヤーがまさかの!?パターンも有り得るし、謎が多く残っていると想像する楽しみは多く得られます。

そういう意味でも楽しい作品です、グレンデル。


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