・タイトル
ヒル
・本の概要
佐倉葉子21歳。
彼女は不当に手に入れた鍵を持ち、住人が不在の家を渡り歩いて生活をしている。
そんな葉子の前に、突然現れたのは、死んだはずの同級生・月沼マコト。
彼の口から語られるところによると、葉子は知らず知らずのうちに「ヒル」と呼ばれる存在になっていたらしい。
「ヒル」とは一体何なのか?新時代のドロップアウトストーリー。
・著者情報
今井大輔(いまい だいすけ)
出身地 京都府
生年月日 1981年5月12日
職業 漫画家
活動期間 2007年~
・点数 84点
ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆
・評価
個人的な第一印象はホラーかな?っていう恐怖感すら覚えた序盤ですが、実際はちゃんとシリアス展開な人間ドラマでした。
見てて息が詰まりそうなスリリングさも兼ね備えています。って言うのは少し大袈裟かもしれませんが。
この作品の魅力は恐らく実在するであろう「ヒル」の存在や、その正体の設定と、それに迫る構成にあります。
主人公の佐倉さんはずっと嫌いでしたが、設定や展開に対して気付けに夢中になり、一気に最後まで読みきってしまいました。
嫌いなはずのキャラクターのラストシーンの表情が素晴らしく、読み終わりの満足感は高かったです。
以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
・感想
佐倉葉子という人物は結構自分勝手でルール無用で好き放題して来る主人公です。
彼女は好きではないですが、それでも作品としては面白かったです。
「不当に手に入れた」の時点でお察しかと思いますが、ヒルは厳密には犯罪です。
しかも被害者が被害に気付かない巧妙で悪質な……
まあ、マジレスするとそうですが、漫画なのでそこはよしとしましょう。
主役の佐倉さん、月沼くんは家出きっかけではありますが、中国人の兄弟のようなそうするしか生き方のないケースもあると思うので、そこら辺が難しいところですよね、ここマジで辛かった。
「社会は紙で出来ている」というパワーワード。
これはマジで考えさせられるものがありましたし、これを読む方々にも考えてもらいたいテーマです。
「よく見えないほうが残酷になれる」、「片思いは呪い」についても同じ感覚です。
節々に深い言葉がある作品でした。
羨望の身勝手さも含めて。
佐倉葉子と月沼マコト……ハコとカラ……境 はどこなんだろう?
そういう視点から見ても面白かったです。
最後ちょっと切ないですよね、葉子にとってはどっちのほうがよかったんだろう?
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