・タイトル
ブラックアウト
・本の概要
日雇い派遣生活を送る渋谷和也は、代わりばえのしない毎日にうんざりしていた。
そんなある日、突然彼の元に「βl@ck★OUT」という得体の知れないゲームが届く。
・著者情報
前川かずお(まえかわ かずお)
出身地 愛知県
職業 漫画家
別名義 前川☆工房1996年、講談社開催の第34回ちばてつや賞において「そんなボクらの告白」がヤング部門に入選。
『ヤングマガジン増刊エグザクタ』にて『闘技創世紀伝 DEI48』でデビュー。
・点数 64点
ストーリー☆☆☆
画力☆☆☆
キャラクター☆☆
設定☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆
・評価
12、3年前から10年ぐらい前ぐらいまでにかけて流行ってた命懸けだけど、ゲーム(仮想現実)の中で稼いだお金が現実世で使える系の小説が原作の漫画版です。
ストーリー面はこの手の作品にありがちな範囲内であり、特筆すべき点も思い当たらないので、中間点。
画力に関しても良くも悪くも特筆すべき点はないので、中間点。
主人公が他力本願気味なのでそういう意味では役割果たしてないのと、能力的に助かったけど、本来であれば全員が命取りな行動を本能で行うヒロインも役割としては果たしてる部分と果たせてない部分があるのかなぁ~と。
何より、個人的にはキャラクターに大きく魅力を感じなかったので低評価です。
珍しい設定ではないとはいえ、類似作品の中で作品として戦える最低限の世界観は構築されているので、設定面は高評価でいいと思いました。
クエスト方式で進むのは分かりやすいし、個人よりチームのほうが有利、童話などのクエストのモチーフとなった元ネタを知っていれば攻略が有利など、ゲーム性が凝っていて素晴らしかったです。
世界観と構成自体は最終的にはわりと好きでした。
尻上がりに調子を上げるタイプの作品です。
以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
・感想
平たく言えば素材の味を活かしきれなかった色々残念な作品……なのにどこか惹き付けられるものがあった。という不思議な作品でした。
平々凡々な日常に退屈してたわりには他力本願な主人公、渋谷和也に対して1ミリの理解も示せなかったですが、作品の雰囲気そのものは楽しめました。
現実とさほど変わらない、仮想世界でありながら、ゲーム内での死は現実世界での死を意味するデスゲーム。
1度参加すれば基本的には抜けられないが、稼いだお金は現実世界でそのまま使える。
ただし、お金の稼ぎ方は原則的にプレイヤー狩りが主な方法。
初心者はボーナスが付いて低レベルかつ高報酬で手頃な狙い目として狙われる。
各プレイヤーはゲーム開始時に武器が配布され、Aランクともなると喋る刀、死神の鎌、フードガン(食べたものを弾丸にできる)などユニークなものもあります。
そして、1万人に1人の確率で当たるとされている特殊能力には回復能力等の貴重な能力もあり、膨大なクエストの中からキークエストを見つけ出しクリアするというゲームそのものの目的もあったりと結構よく出来たゲームだとは思いました。
あと、ゲーム内で目的の為の利害の一致でチームを組むことが出来ますが、巨大な組織に入るか、自分達で攻略するかの選択とかもゲームらしくていい。
ただ、主人公の渋谷くんが無能過ぎることやむしろ足手まといな感じとかちょっと魅せ方が下手で残念だなぁ~って思いました。
でも女の子の絵は可愛いって思いました。
桃太郎クエストやかぐや姫クエストは一見ワケわからないように見えてよくできてるなぁ~と感じるクエストだったり、興味深い内容でした。
個人的には和也と仁の組み合わせなら和也の性格はもうちょっと何とかしてほしかったですけどね(笑)
まあ、ほんと個人的に、で作品には関係ないのでそれが直接評価に影響することはないですが。
逆に言えば、自己中心的で他力本願、楽天的で本質が見えてない無能な主人公の物語の顛末を見たければ原作小説を読め、ということですよね、部分コミカライズも悪くないかもしれない。
打ち切りエンドではなく、原作の2部がコミカライズ化されていないという形です。
マンガボックスに詳しい訳ではないので、これが事実上の打ち切りなのかは僕には分からないです。
エブリスタ小説→マンガボックスなので、2部も期待はしてたんですけどね?
気になる方は小説で。というコンセプトだった可能性もあります。
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