・タイトル
みゆき
・本の概要
みゆきとみゆき。六年ぶりに再会した妹・みゆきと、同級生のみゆきちゃん。2人はとってもかわいいのです。だから、ぼくの悩みは増すばかり。
抱き合って眠れたら……もう死んでもいい!!
・著者情報
あだち充(あだち みつる)
生年月日 1951年2月9日
群馬県伊勢崎市出身の男性漫画家。
群馬県立前橋商業高等学校卒。
血液型はAB型。代表作
『タッチ』
『みゆき』
『H2』
『クロスゲーム』受賞歴
第28回小学館漫画賞少年少女部門
(『みゆき』『タッチ』)
第54回小学館漫画賞少年向け部門
(『クロスゲーム』)少年時代は野球部に所属していて、ポジションはピッチャーでした。
その一方で、兄(あだち勉)とともに貸本漫画の読者投稿コーナーの常連でもあり、『群馬の天才兄弟』として知られた存在でした。
高校在学中に『COM』の新人賞で「虫と少年」が佳作2位に選ばれ、以後『COM』の読者コーナーにしばしば掲載されるようになります。
高校卒業後は公務員になる予定でしたが、一足先に漫画家になっていた兄に誘われて上京し、アシスタントを経て、1970年に『デラックス少年サンデー』にて「消えた爆音」でデビュー。
以降しばらくは漫画原作者と連名で作品を発表し、当時のブームだった劇画調の少年漫画を執筆します。
が、ヒットには恵まれず、幼年誌でのコミカライズや少女誌などに活躍の場を移し、それにつれソフトタッチな作風に変化しました。1978年、再び少年誌に戻り、高校野球を題材にした『ナイン』を発表します。
少女漫画の雰囲気を少年漫画に持ち込んだこの作品が高い評価を得ます。
続けて『みゆき』、『タッチ』が大ヒットし、ラブコメ漫画の代表的作家として『週刊少年サンデー』を牽引し、人気漫画家としての地位を確立します。
1982年、上記2作で第28回小学館漫画賞少年少女部門を受賞します。
以降も『週刊少年サンデー』で主に野球漫画を執筆し、コミックスの発行部数は、1990年4月に『スローステップ』第5巻にて累計1億部を達成し、2008年5月に『クロスゲーム』第12巻にて単行本のみの累計で小学館連載作家として初めて2億部を突破しました。
2009年、『クロスゲーム』で第54回(平成20年度)小学館漫画賞少年向け部門を受賞します。
2009年頃より主な活躍の場を月刊誌である『ゲッサン』に移します。作風
作中にしばしばあだち自身が登場し、平然と作品に対する弁解や宣伝を行なうのもあだち作品の特徴の1つです。
・点数 92点
ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆
・評価
概要で衝撃的なことを言ってますが、作中の主人公の気持ちを表すならまさに、って感じですね、妹vs同級生の構図そのものは実は嫌いじゃないっていうかちっちゃい姑みたいで面白いですよね!
ただ、万人に理解されるとは思ってないので、分かりやすさの面々で少々減点対象なのかな?って思いました。
ただし、エロ重視の愚鈍な恋愛でも、美少女ハーレムでもなく、深いテーマが描かれている作品です。
ベースとしてあだち作品が好きということが前提条件での評価にはなりますが、あだち先生らしさ満載で全開の手法で描かれ、読者を魅了し、楽しませてくれる作品というポテンシャルのある画力だと思っています。上手さより巧さですね、技巧的な意味です。
キャラクターについては作品のセールスポイントでもある「2人のヒロインの異なるスタイルの圧倒的可愛さ」を中心に、優柔不断ながら優しさに溢れた主人公、その他鬱陶しい賑やかし、お騒がせキャラ多数でいろんな意味で楽しめる仕上がりになっています。
また、それぞれにきちんと役割があるので、一部を除いて無駄がないのも魅力です。
実は代表作『タッチ』と同時連載で描かれた作品であり、激務の中の癒しパートとして描かれた作品?
ワイド版等に収録されたインタビューの連載裏話も含め、ありがちな妄想、男の夢と見せかけた繊細な部分やセンシティブな部分も地味に描かれていて、明るさの裏に秘めた葛藤というバランスの中で描かれた素晴らしい作品でした。
個人的には嫌いなキャラクターがでしゃばってくる回数のせいで集中しきれなかったり、万人受けするラストではない、後味としては決して良くないことを踏まえて少し減点としました。
作品そのものに対する個人的な満足感、多幸感は大きいですけどね!
以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的な感想を書くコーナーですが、
※今回は結末にも触れるネタバレが含まれます。
ネタバレが嫌な方は絶対に商品リンクより下は見ないで下さい。
熟考した上、作品を読む気はないけど、何となく察した程度の気持ちで誤解されるのも不愉快なので、そこら辺のケアと、作品を最後まで読んで僕がどう感じ、何を思い、自分ならどうしたか?について考えたものを綴った感想内容になっています。
あらすじ
16歳(高校1年生)の夏休み、若松真人は友人達と海辺の民宿にアルバイトに出かける。
真人が憧れを抱く同級生の鹿島みゆきも同じバイトに来ており、彼女が自分に気があることを偶然知り、デートの約束にこぎつける。
が、その直後にある出来事でフラレてしまう。
友人たちは落胆する真人に、海で見かけた美少女を誘うようにそそのかす。
いい雰囲気になり、デートの約束もした2人だったが、実は彼女は6年ぶりに海外から日本に帰国した1つ年下の妹のみゆきだった……
・感想
あだち充先生の独身時代最後の妄想全開ストーリーだったり、モラル的にも教育上的にもあんまりよろしくない描写があったり、いろいろとブッ飛んだ作品です。
兄妹愛なのか異性としてなのか……
揺れる想い。
まあ……妹のみゆきはほんと可愛いというか個人的に好みなので揺さぶられる想いも、みゆきを想えばこそギリギリ踏み留まりたい気持ちもどちらも分かります。
そして、もう1人のみゆきこと鹿島さん。
この子はほんとにいい子です。
めちゃくちゃいい子です。
妹みゆきみたいに試したり揺さぶったりしません。
だから僕は若松みゆき派です
高1からずっと一途で、真人は何回ビンタされた分からないけど、それでも真人のことが大好きな健気な女の子です。
話聞く前にビンタしてくるので真人くん は毎回痛そう……その後の言い訳と謝罪で許すならまずは話聞いてほしいですよね!
妹のみゆきは羽交い締めだったりスカートでキックだったり痛いだけではないのでやっぱり妹のほうが……いえ、何でもないです。
自分が真人の立場ならどうするか……
考えたんですけど、自分の想いを伝えること=みゆきに血の繋がりのある家族が誰もいないことを告げることと同義。
これは簡単に好きだから妹のみゆきで!って言うことが正しいのか分からない。
かといって他に想い人がいるのに鹿島さんと付き合うのは失礼だと思います。
思いますが、自分に合わせて大学浪人までした子を無碍にもできない……気付いた時には詰んでる状態だと思います。
結論
みゆきは可愛い、でもその可愛さはもはや罪だ。
「みゆきは可愛い」ってどっちにも使える便利ワードを有効活用してくるのも作品の特徴です。
まとめ
悪く言えばどっち付かずで優柔不断。
最後の竜一のセリフ的に出来レースのような感じもありますし、決して後味のいい終わり方とは言えませんが、逆に言えば若松真人はブレることなく若松真人を貫いて選んだ結末なので僕はこれはこれで好きです。
主人公がスポーツをしていないあだち充作品は結構レアですよね、あと「MIX」に取り入れられている要素もあるので「みゆき」を踏まえて「MIX」を読むのも楽しみ方の1つだと思います。
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