神黎の図書館

主観によるグラフ+点数+感想を綴る読書感想文風書評ブログです。月間で読む漫画は150冊~200冊。小説や映像作品についてもちょこちょこと。

彼女を守る51の方法

彼女を守る51の方法 全5巻完結(BUNCH COMICS) [マーケットプレイス コミックセット]

・タイトル

彼女を守る51の方法

・本の概要

XXXX年2月23日午後7時35分、東京をM8の直下型地震が襲った。
平凡な大学生だった三島ジンが、震度7のお台場で遭遇した光景とは!?
古屋兎丸が取材を重ねた上で描いた、衝撃の震災コミック‼

・著書情報

古屋兎丸(ふるやうさまる)

生年月日 1968年1月25日
東京都出身
本名 古屋剛

小学生の頃に「手塚治虫の漫画通信講座」を受け、『少年キング』の似顔絵コーナーの常連だった。
高校在学中はアングラな世界に目覚め、3年時に求めていた表現が油絵であるとに気づき美大に入学。
在学中は東京グランギニョルに憧れて演劇も行っていた。その後、抽象的な表現よりも具体的な形を求めるようになる。

卒業後はアーティストを志す。
油絵だけで身を立てるには難しい時世だったため、アルバイトでイラストを描いて収入を得る中、昔漫画を描いていたことを思い出し、漫画家への転身を決意。
その後、『月刊漫画ガロ』1994年9月号掲載の「Palepoli」でデビュー。
当初は高校の美術講師をしながら漫画執筆をしていた。

趣味は映画鑑賞、読書、散歩、バイクいじりなど。

伊集院光に心酔しており、『伊集院光 深夜の馬鹿力』のコーナーだった「デビッド・リンチ占い」をもとに描いたという『少年少女漂流記』、『π』、『ライチ☆光クラブ』も伊集院の影響を受けている。

多彩な画風と繊細で正確な描き込み、ブラックな作風を得意とする。

代表作
『ハピネス』
ライチ☆光クラブ
『彼女を守る51の方法』
『幻覚ピカソ
人間失格
帝一の國

・点数 96点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆

・感想
東京大震災にて倒壊・崩壊したかつての東京、復興した大都会・東京をフューチャーした衝撃作。
素面で読めば、突っ込みたくなったり、あり得ないと思う場面も人によってはあるのかもしれません。
が、目の前で街が抱懐し、大勢の人の命が失われていく大規模な災害を目の当たりにすると、パニックに陥るのは当然と言えます。その中で冷静さを保てるほうがもしかしたら異常なのかも?未曾有の事態とはそういうことなんだと感じました。

街を一瞬で倒壊させ、竜巻を起こすほどの大震災を体感出来るのは、漫画ならではの魅力であり、それを見事に表現したのがこの作品であり、それを支える絶望的な描写が散りばめられていました。
作品の主題的に、その凄惨さこそが魅力である。と言えると感じました。

エリート志望の主人公とデスメタファンのヒロインの異色の組み合わせが作風と合わさって微妙にミスマッチなのかベストマッチなのか分からないというのが第一印象で、いい意味でも悪い意味でも個性的なキャラクターが多く出るのがパニックホラーの特徴であり、この作品も例に漏れません。
そして、人類史に影響を及ぼす未曾有の事態にエリートもクソもない。そう思えるのもキャラクターの動かし方が上手かったからだと思えます。

概要に書いてある通り、作者の方が取材を重ねて出来上がった作品です。
本編を描きながら取材に基づいた資料や知識も書いてくれるので、地震の怖さを改めて教えてくれる作品でした。
想定される(実際に起こった)二次災害、三次災害、四次災害も含めて再度認識出来る分かりやすさがありました。

満足感とか多幸感とは少し違うかもしれませんが、学びがとにかく多く、読んでよかった作品でした。
そういう意味でこの項目の満点評価をしています。


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。



最後まで主人公の三島ジンを好きになれなかったんですけど、作品としてはとても良かったです。

面白いという内容ではないのですが、丁寧に取材を重ねたことが伝わる作り方をしていて、震災に限らず、密集地帯でパニックが起こった時に人間が取る行動がなかなか興味深かったです。

胸糞悪くても我慢して読めば非常時の傾向と対策に役立つと感じました。

絶望的な状況だからこそ明るく前向きな姿勢でいることの大切さと大変さ、日常が反転した非日常の中での意外な光景だったり、学べるものが多かったです。

最後まで読んだときにふっと自分の中に 入ってくる感じの作品でした。
それこそ、タイトルの意味とか回収されるんですけど、なるほどなぁ~って思いました。

地震大国だと揶揄されたり、近い内に来るとされている南海トラフ地震に備えて1度目を通すのは決して無駄ではないと思いました。
巻数的にも読みやすいので、興味があれば是非、読んでみてはいかがでしょうか?


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おまけ

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