神黎の図書館

(将来的には)図書館モチーフのブログにしたいという意思を込めてこの名前にしました。

ひぐらしのなく頃に 祟殺し編

[まとめ買い] ひぐらしのなく頃に 祟殺し編(デジタル版Gファンタジーコミックス)

・タイトル

ひぐらしのなく頃に 祟殺し編

・本の概要
ひぐらしのなく頃にの第3話にあたり、原作におけるサブタイトルは「~最短のシナリオ~」
罠か否か、その難易度最悪。

・著者情報
こちらを参照に。
gamemachine-alternativeshinku.hatenadiary.jp

・点数 92点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
オリジナリティ☆☆☆☆☆
テンポ☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆

・感想
最初に言っておきます。ある程度のネタバレ含みます。
そして謝っておきます。ごめんなさいm(__)m


最短のシナリオの意味は事件が起こるまでの時間が作中最短なので、そういう意味だと勝手に解釈してます。

過去2つの話(鬼隠し編綿流し編)との大きな違いは主人公である前原圭一が知らず知らずの内に事件に巻き込まれる悲劇ではなく、自ら事件の方向へ進んでいくことです。
つまり、被害者ではなく、前原圭一が加害者となる物語です。

何故、彼は加害者になったのか?
それも過去2つのエピソードでは描かれてなかった部分がピックアップされた結果と言えるでしょう。

祟殺し編のヒロインは沙都子です。
過去の部分、悟史にも触れ、圭一と沙都子が本当の兄妹のようになるエピソードです。

と言えば聞こえはいいのですが……圭一と悟史のシンクロ率の高さと沙都子の圭一に対する信頼、悪の権化として描かれている叔父の存在が運悪く絡み合い、こんがらがって解けない糸として圭一の前に出てしまい、圭一はまるで引き寄せられるようにその糸を掴んで離さなかった。
とでも言いましょうか、正義と悪は表裏一体、「目には目を、歯には歯を、悪には正義の鉄槌を…」という手段を選び、そこから彼の歯車は狂いだし、哀しい結末を辿ることになるのでした。

そしてもうひとつの特徴は光と闇の対比です。
冒頭にただの悪戯好きのトラップマスターではなく、何かと兄に甘えがちな妹属性を持ちながら、兄に置いていかれた事を「足手まとい」と捉え、今度は連れて行ってもらえるよう、強く気丈に振る舞う姿や意外としっかりしていて頼れる部分を強調した後、虚ろな目から狂乱に至るまで、画だけで沙都子または圭一の心情を見事に描写している鈴木さんの画力は圧巻です。

また、ストーリー展開としても新たな要素である「山狗」というワードが出てきます。

そして、これは持論です。
鷹野さんのおぞましさというか禍々しさというか異様な雰囲気はある種、圭一が「その道を辿ったから」感じたものかもしれません。
元々、意味深けな発言や思わせぶりな態度や言葉遣いだったので、鷹野さんは通常運転で圭一の心情が穏やかではなかった為にそう感じたのではないだろうか?というのが僕の率直な意見です。


祟殺し編は叔父による沙都子への虐待と圭一の歪んだ正義感と怒りによる正義執行、そして謎の力による滅び、確かに呪いや祟りにしか思えない奇怪な力が全面に押し出されてるのも作品の特徴となっています。

読みながら思った素直な感想としてはレナうざい……です。
勿論、圭一が悪いところというか無神経なところもあるのですが、煽り方がなんか気に入らないというか遠回しな嫌味みたいでイライラしました。
そのくせ、その後も何食わぬ顔で接してくるからなんかここのレナは素直に嫌いだなーという印象です。

終盤の超常現象は所謂デウス・エクス・マキナ的手法を用いて「オヤシロ様の祟り」を強調した演出を用いています。
文学的には不人気な手法ですが、ひぐらしの世界観においては有りだと思います。
正確には、解答編へのパス渡しも兼ねている出題編なので好意的に受け取っています。

今回も半ば無理矢理「あなたの番です」と照らし合わせます。
祟殺し編の内容と照らし合わせるキャラクターは……そう、黒島ちゃんです。

3話辺りまでは無口で常に負傷している描写があり、喋り方も少しおどおどしていたというかたどたどしい雰囲気のあった黒島ちゃん。

恋人のDV疑惑が囁かれた直後に突然のキャラ変?
目に見える限りの外傷はなく、恋人らしき存在も見当たらない。
黒島ちゃんが捨ててあった香典はやはり?
そもそもほぼ毎日DV受ける環境下にいたなら榎本家で監禁されたり、二階堂くんの部屋に寝泊まりした時点で荒れ狂うと思うので「彼」はもういないと考えるのが妥当ですかね、普通に。ちょっと反撃編2話以降見れてないので最近の黒島ちゃんの行動は追いきれてないのですが(^^;

話は逸れましたが、共通点は主要人物が受ける暴力と外傷、「事」の前後で別人のような性格になることが当てはまっています。

黒島ちゃんは事件後のほうが明るくなってたり、よく喋ったり、積極的に参加したりしてるので沙都子とは逆ですが。

「祟り」や「呪い」のような不可解な演出も結局は人間の手で起こすもの。
という点が似てます。

まあ……あなたの番ですが超常現象という結末を迎えたら苦情殺到だと思うので違うと思いますけどw

僕の予想が正しければ、黒幕の動機はある意味では悟史や圭一の動機に近いのかなーと推察しています。

ぺたぺた ひたひた…クックックックッ
聞こえませんか?足音が、ずっと後ろを付いてくるんですよ、あなたも気を付けたほうがいい。
そして……

「俺如キニ祟リ殺サレルナ?」

というパワーワードで物語の幕は閉じます。

不可解な現象が数多く起こる祟り殺し編。
あなたはこの鍵を元に出口のない迷路から出口を作り出すことが出来るか……推理力だけではない、発想力が試されるエピソードのひぐらしでした。


コミック

電子書籍まとめ買い