・タイトル
雛見沢停留所~ひぐらしのなく頃に原典~
・本の概要
某地方の山奥……その外れにあるバス停留所「雛見沢停留所」。
女子高生の梨花は、後輩の見られ魅音と共にこの場所を訪れる。
雛見沢でのダム建設を巡る人間模様。
そして語られる地域に根付く″オヤシロさまの祟り″
待ち受けるのは惨劇か、それとも……
ひぐらしのなく頃に製作前の幻の演劇台本のコミカライズ版。
・著者情報
竜騎士07(りゅうきしぜろなな)
生年月日 1973年11月19日
出身地 千葉県
職業 シナリオライター、イラストレーター、小説家、漫画原作者、同人作家
活動期間
2002年~
ジャンル
サスペンス、ミステリー、ホラー、サイエンス・フィクション、ファンタジー、アンチミステリー、ジュブナイル、ライトノベル
代表作
『ひぐらしのなく頃に』
『うみねこのなく頃に』
『彼岸花の咲く夜に』など
デビュー作
同人ゲーム脚本:『ひぐらしのなく頃に』
影響を受けた人
奈須きのこ
ゲーム・アニメ・漫画に興味があり、美術系専門学校へ進んだ後、同人誌などを制作。
専門学校時代は、漫画や小説を書くなど様々なことに挑戦したものの、「愛があっても技術がなければプロには通用しない」ことに気付かされる。
劇団の知り合いに会い、触発されて戯曲『雛見沢停留所』を書き上げ、コンテストに応募するも選考落ちする。
その後、「07th Expansion」を立ち上げる。
初期の頃はLeaf Fightのオリジナルカードを制作する。
その後、弟の八咫桜がゲームスクリプトを学び、『雛見沢停留所』を改稿して、同様に弟である時火らと共にサウンドノベル第1弾『ひぐらしのなく頃に』を制作開始。
「Leaf Fight」のオリジナルカードの絵柄を描いていた経験もあり、原画も自分自身で担当。
ペンネームである竜騎士07の「07」は、『ファイナルファンタジーV』のヒロインであるレナに由来。
「竜騎士」はファイナルファンタジーシリーズに登場するジョブ。
・点数 92点
ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆
・評価
原典らしく、そして短編らしく、テーマの一貫性がしっかりとされていて、読みやすく、分かりやすいのが本作の特徴です。
舞台用の原典をコミカライズした作品ということもあり、独特の間で繰り広げられる舞台・演劇特有の空間の再現というのはとても難しかったと思いますが、見事に読み応えある作品に仕上がっていました。
後発の『ひぐらしのなく頃に』シリーズが有名になりすぎたこともあり、微妙にキャラクター設定の異なる同姓同名のキャラクターだったり、原則的には二人芝居の形で展開される物語に置いていかれる(戸惑う)読者が一定数はいるかもしれないところも懸念点ではありますが、ある部分においては本編より明確に詳細に語られているので、本編と合わせて楽しめる作品だと僕は感じました。
以下、商品リンクを挟んで、内容に触れた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
・感想
出番がないからなのか、停留所のポスターがレナと沙都子っていうファンサービスから始まります。
魅音って後輩だと天真爛漫で可愛いんだなぁ~
それはそれとして、雛見沢がダムになった時に生み出す最大電力で四国全土の消費電力を賄えるって興味深いっていうか具体的ですね(笑)
本編ではダム計画=悪みたいな扱いだったけど、原典のほうでは理論的にダム建設の利点を教えてくれるのいいですね。
理論的な説明で分かりやすかったのに祟りに関しては相変わらず……オヤシロ様のイメージが怖すぎるのと梨花ちゃんがミステリアスを越えて不気味。
不気味ながらも物語ラストに明かされる「何故、ダム建設がダメなのか」や「雛見沢から離れることがいけない理由」、「オヤシロ様の祟りの正体」の種明かしの流れはテンポもよく、後の「ひぐらしのなく頃に」のベースになっている部分が多く見られ、楽しかったです。
原典の最大の魅力は舞台感だと個人的には思います。
停留所のみで行われる学生2人芝居が中心で次々と停留所に現れる大人達との会話から生まれる疑心、謎から真相へと繋げ方の構成が面白かったです。
ひぐらしの出題編、解答編の内容を知っているからこそ楽しめる部分があるので、ひぐらしのなく頃にが好きな方には是非おすすめしたい1冊でした。
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