神黎の図書館

漫画・小説・映画・アニメ・ドラマを主観によるグラフ+点数+批評+感想を綴り、作品の評価をあらゆる形で視覚化したブログです。有名な作品から掘り出し物的な作品まで生涯の内になるべく多くの作品に触れて伝えていけたら本望です。

舞台は平成、ベースは芥川龍之介『ひぐらしのなく頃に 宵越し編』

ひぐらしのなく頃に 宵越し編 コミック 全2 完結セット

・タイトル

ひぐらしのなく頃に 宵越し編

・本の概要

舞台は平成18年、雛見沢。
雛見沢――それまではごく平凡な山間の小さな寒村に過ぎなかった。
しかし、昭和58年6月に起こった大災害により一夜にして村は全滅する。

20余年の年月を経て、やっと封鎖が解かれたその村に、何者かに呼び寄せられるがごとく集まってくる者達。
奇しくも、かつて綿流し祭りの行われていた初夏、彼らに訪れる運命とは!?

長き眠りについていた鬼が、再び目を覚ます!

ひぐらしのなく頃に」の原作者・竜騎士07が書き下ろしたひぐらし外伝!!


・著者情報

竜騎士07

竜騎士07(りゅうきしぜろなな)
出身地 千葉県
生年月日 1973年11月19日
職業 シナリオライターイラストレーター、小説家、漫画原作者、同人作家
活動期間 2001年~
ジャンル
サスペンス、ミステリー、ホラー、サイエンス・フィクション、ファンタジー
アンチミステリー、ジュブナイルライトノベル
代表作
ひぐらしのなく頃に
うみねこのなく頃に
彼岸花の咲く夜に』など
デビュー作
同人ゲーム脚本:『ひぐらしのなく頃に』(2002年)
影響を受けたもの
奈須きのこなど

みもり

みもり
誕生日 5月31日
職業 漫画家、イラストレータ
別名義 伊井トモ(いい トモ)、巽アキラ(たつみ アキラ)など複数あり

2004年、『99+1(つくも)』でスクウェア・エニックス マンガ大賞を受賞。

・点数 82点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆
没入感☆☆☆

・評価
一部を除いて本編とは違うオリジナルキャラクターが中心となって物語を動かしているのが特徴的な本作品ですが、大人になった原作キャラと掛け合わせることで面白い味付けになっています。
そして、原作とは一味違う世界観を彩る上で一人一人が大切な役割であり、違った魅力を持っていました。

外伝というよりは、欠片の先の1つの未来の話として受け入れた上で僕は個人的に好きです。
原作者自らが外伝として描くぐらいなので拘った設定なのは間違いないと思いますが、
ミステリorホラー慣れしてると1巻時点で何となく分かってしまう部分もあり斬新とは言い難いのが正直なところ。
全2巻は読みやすい反面、展開力が限られてしまうのが難点かもです(ひぐらしの場合)。

あくまでも個人的な主観による判断ですが、ストーリーは結構奥深くて興味深いところがありました。

ストーリー・設定・キャラクター・キャラクター面の評価を高くしてるわりに没入感が標準点なのは、やはり展開の読みやすさと斬新さには欠けていた部分が影響しています。
とはいえ、心に刺さる台詞やハッとした部分、読了後に一定の満足感はあるので、☆3というよりは☆3.5です!


作品としては、芥川龍之介さんの短編『藪の中』がモチーフとのこと。
シリーズ初の平成を舞台とした、後日譚的作品でもあります。

作画担当のみもり特有のダークな絵柄に加え、レナ、梨花といった「部活メンバー」がほとんど登場しないため、本編の特徴の1つでもあった「萌え」やラブコメ要素は少なく、全体的にシリアスで重厚な作風に仕上がっているのが本作の最大の特徴。

また、登場人物が本編『ひぐらしのなく頃に』の登場人物の名言を言う場面が多いのも本作の特徴です。


ゲームとしては、『ひぐらしのなく頃に絆 第三巻・螺』にて、初めてゲーム化。
ひぐらしのなく頃に絆 第三巻・螺


以下、商品リンクを挟んで内容に触れた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。


ひぐらしのなく頃に 宵越し編 コミック 全2 完結セット
ひぐらしのなく頃に 宵越し編 1巻 (デジタル版Gファンタジーコミックス)
ひぐらしのなく頃に 宵越し編 2巻 (デジタル版Gファンタジーコミックス)


・感想
雛見沢がガスで滅んだ時の生き残り、尚且つ後世への語り部役として大人の姿で登場したのは本編軸だとレナでしたが、今作では表紙の通り、某園崎さん。
日本刀を扱える大人園崎さんがマジで格好いい。御母様ソックリな気がします!

園崎さんの凄いところはそれだけだとどっちかまでは分からないところですね!
ちなみに悟史くんに似たそっくりさんに少しだけ弱かったです笑

20年経ったのに人は噂に流されるという本質が変わってないという皮肉がなかなかにエッジ効いてました。
個人的なスクラップ帳とそれを信じる純粋な(思い込みの激しい)少女という図式からネット流れる噂・都市伝説に変わった感じでした。

主要人物の中に雑誌のライターがいるので、この作品にとって必要な本編の話は掻い摘まんで説明してくれるので、読みやすいです。

そして、本編とは一味違うミステリー感を漂わせた作品です。


この作品の中で伝えたい想いとして僕が個人的に感じたのは、
大事なのはどうするか(結果)ではなく、どれだけ真剣に悩んだか(過程)
だと思いました。

結果が全てとは言いますが、人生においては間違える機会のほうが多いと思うので、その都度、考え抜いて道を選んでいくことで同じ過ちは繰り返さないってなるんじゃないかなぁ~と。

そして、

人生は歯みがき粉のチューブみたいなもの。
最後のひとひねりまで使いきってこその人生。

って言葉がめちゃくちゃ刺さりました。

登場人物の作中での成長に伴って、読者側が共に人として大事なことを学べる特殊なミステリー作品でした。素晴らしいかったです!


コミック

電子書籍


関連商品


おまけ(作者の他作品)
竜騎士07さん


みもりさん


おまけ2(本作のモチーフまたは影響を受けた作品)


検索で引っかかったおまけ