神黎の図書館

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幽麗塔(漫画)

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幽麗塔 コミック 全9巻完結セット (ビッグコミックス)

・タイトル

幽麗塔

・本の概要

百数十年もの間動かなかった時計塔。
しかし、2年前の夜、ただ一度だけ動いた。
昭和27年6月23日午後11時53分。
それは、藤宮たつが時計の針に体を折り曲げられるという無惨な姿で発見された夜のことである。
事件の容疑者は被害者の養女である藤宮麗子。

麗子は事件直後に自分が事件を引き起こしたと自白し、失踪。
数週間後に死体として見付かり、事件は幕を閉じた。
かと思われたが、時計塔は再び動く。
動かし方を知っているのは麗子のみ…闇に葬られた事件が再び動き出す。

・著者情報

乃木坂太郎(のぎざか たろう)

1968年生まれ
石川県七尾市出身

職業 漫画家
代表作
医龍-Team Medical Dragon-』

受賞歴
2014年度第14回センス・オブ・ジェンダー賞大賞(幽麗塔)

・点数 88点

ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆

・評価
サスペンス×ミステリー×ホラーの組み合わせの作品です。
苦手な人は苦手だとも思うので、各巻レビューを参考にしていただければ幸いです。

個人的な主観では、ホラー部分とサスペンス感が随所で光る画力であったと思います。
それでいて、メインキャラクター達は幼さの残る絵柄であり、恐怖の中に不思議な軟らかさが演出されていたのも高ポイントです。

この記事を書いている現状では原作小説は未読の為、比べてどうこうではなく、あくまでも漫画版としてのキャラクターの評価ですが、全キャラクターがそれぞれの役割を果たしていたと僕は思います。
その中で、存分に個性を出していたと感じています。

原作に近い小説があるので、設定自体は細部まで練り込まれた面白い素材でした。
それを120%活かす料理だったか?と問われれば、70点ぐらいかもですが。

海外設定をわざわざ日本の昭和という最近寄りにした影響も多少ありますが。
とはいえ、個人的には結構好きな作品です。

個人的には好きなストーリーであり、根本のストーリーは終始一貫してました。
が、決して分かりやすいとは言えないストーリーであり、ミステリーとして読むには物足りない作品かもしれません。

個人的な没入感・読後感は非常に良かったので満点です。

各巻の繋がりがあってこその作品だと感じました。
という訳で、今回はあらすじとか、個人的に思うこの作品の魅力とか、主要人物のざっくり紹介とかそういうのを書いてみました。

ちなみにですが、黒岩涙香さん及び江戸川乱歩さんの同名小説と混合しない為にタイトルのほうには(漫画)と付けています。

以下、商品リンクを挟み、設定も含めてややこしい部分を少し解説しつつ、作品の魅力を書くので、人によってはネタバレに感じるかもしれません。ご注意下さい。


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・感想
物語の舞台は昭和29年、神戸から始まります。
主人公は、文学やカストリ雑誌を好む天野太一という青年です。

ある日、天野が密かに想いを寄せていた学園のマドンナの花園恵と再会し、彼女がいじめっ子であったお金持ち三村の婚約者となったことを知ります。
太一は2人に大見栄を切り、自分も結婚すること、大金持ちになると豪語します。

しかし、下宿先の部屋代さえも払えないのが現状の天野。
突然現れ、天野に話を合わせた(結果的に助けられた)謎の美少年の沢村鉄雄(通称テツオ)と出会い、「一緒にお金持ちになろうよ」と誘われます。

半信半疑で話に乗った天野。
テツオと共に時計塔に隠された秘密と莫大な財産を巡り、様々な事件に巻き込まれていきます。


作品の魅力1…天野くんの成長物語
主人公である天野くんは物語の冒頭時点では人生ドン底に近い状態なのですが、紆余曲折の末、かなり成長します。

作品の魅力2…時計塔(幽霊塔)を巡るミステリーと心理戦
天野くんとテツオ以外にも幽霊塔の財宝を狙う者はいます。
邪魔者と対峙しつつ、時計塔の謎を解様は結構手に汗握るというか息が詰まるというか息をするの忘れるぐらいの緊迫感があるシーンもありました。

作品の魅力3…まともな人がいない
優秀だろうが優しかろうが何かがおかしい登場人物しかいない幽麗塔。
読んでる時はあらゆる意味でいろいろ考えます。それが楽しかったです。

作品の魅力4…死番虫の存在
見た目的にも行動的にも、存在そのものがホラーという圧倒的存在感の死番虫。
彼を通すことで明らかになるミステリーの真相。
彼の行動原理とは…

作品の魅力5…ミステリーとホラー
作中全体を通して描かれるミステリー&ホラーの数々の事件が凄い。
トリック(仕掛け)ももちろんですが、人物の心理描写も素晴らしくて1巻から最終巻までずっと熱中してました。
いろんな角度から楽しめるのは魅力です。


主要人物について
天野太一のざっくり説明
友達0で無職で童貞。
見栄っ張りで嫉妬深く、日々劣等感を抱いて生きている。
甘い蜜に飛び付いたわりにリスクを避けたがる傾向にあり、ノーリスクハイリターンを望んでいそうな節がある。
趣味は読書で、好きなジャンルは推理小説カストリ雑誌

天野くんの長所
心根は優しい。
相手の何らかの美点を評価したり、なるべく人が死なない解決法を模索する天性の人の好さ。


テツオのざっくり説明
容姿端麗、頭脳明晰、運動万能。
冷静な判断力と高い推理力を持ち、数々の場面でタイチをフォローする。
自信家で、目的の為に手段を選ばない冷酷な面がある。

丸部道九郎のざっくり説明
2年前の時計塔の事件を担当していたため、事件に詳しい。
幽霊塔を買い取った人物で、ある意味では物語の最重要人物。
職業は検事で資産家の40歳。
40歳には見えない容姿と肉体を誇り、本人の美意識も高い。
冷静で推理力に長けているものの、変態で人格破綻者なことから、娘や同業種である警察からは疎まれている。
沙都子への執着は常軌を逸しており、自分以外の男を近づけないよう常に言い聞かせ、物のように扱い、少女趣味を強制している。
つまり、いろんな意味で作中最強である。

丸部沙都子のざっくり説明
丸部道九郎の娘で18歳。
気弱な性格で、父に過保護に育てられたため、かなりの世間知らず。
父を非常に恐れており、彼の言いなりになっているが、「検事にふさわしくない人間」と嫌っている。
余談ですが、僕のお気に入りキャラクターです。
そこそこ重要人物

死番虫のざっくり説明
幽麗塔に潜む、マスクを被った正体不明の不気味な人物。
幽霊塔に近付く人間を文字通り排除する。
名前の由来は、死神の持つ時計と同じ、「デス・ウォッチ」の英名を持つ虫・死番虫から。
名付け親は天野くん。
過去と現在を繋ぎ、時計塔に関するほぼ全ての事件に関わる重要キャラクター。


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