神黎の書評という名の読書感想文

ゲーマーでもある僕が読んだ本について書くブログです。

ガンダムSEED DESTINY①怒れる瞳

・タイトル

ガンダムSEED DESTINY ①怒れる瞳

機動戦士ガンダムSEED DESTINY(1) 怒れる瞳 (角川スニーカー文庫)

・点数

総合得点84点

表現力☆☆☆☆
深み☆☆☆☆☆
芸術性☆☆☆☆
ストーリー性☆☆☆☆☆
読みやすさ☆☆☆

著者情報
著者 後藤リウ
経歴
三重県四日市市出身。愛知県名古屋市在住。
南山大学文学部国語学国文学科を卒業後、文筆の道に進みます。
2003年にノベライズ ガンダムSEEDでデビュー。

主な作品
オリジナル
イリーガル・テクニカ
ちょこプリ!
うしろシリーズ
夢守の姫巫女シリーズ
こっこ屋のお狐さま

ノベライズ
ガンダムSEED
ガンダムSEED DESTINY
ラメント
こばと。
貞子3D2―再誕
人間回収社シリーズ


本の概要
C.E.73、ザフト軍と地球連合軍の戦いが停戦してから二年――カガリと共に中立地帯のプラントを訪れたアスラン・ザラは、そこで開発中だった3機の新型ガンダムが、何者かによって奪われるのを目撃する。

一方、ザフトの新造艦“ミネルバ”はガンダム強奪犯を追うために緊急出港する。
しかし、それは新たな戦乱の幕開けに過ぎなかった……

再び戦乱に翻弄される少年たちの運命を乗せて戦え、ガンダム


・感想
前作から2年後の世界、それがSEED DESTINYです。

主人公が復讐鬼の素質有りというガンダムの中でもちょっと異色かも?

そして、1巻の時点でページ数450Pです。
前作の1巻と比べると約140P増ということに。
最初からクライマックスだぜ……

さて、こちらの作品は初見の場合、アニメ版だと頭に【?】が浮かぶと思うんですね……例えば、新キャラのはずのレイ・ザ・バレルの声とか、ネオ・ロアノークの風貌と声とか……

ネオに関しては小説版でも「ん?」って感じ出してますけどね(笑)
むしろこれはこれでミスリードになるかもしれない。
そんな面白さも感じました。

さて、今回も冒頭にキャラクター紹介あります。
わかりやすいです!

気になったのはヴィーノは【シンの友人】って書いてあるのにヨウランは書いてない。

ヨウランのところはヴィーノと同様にミネルバの~と書いてあり、「このラッキースケベ」の件も心底軽蔑してそうには感じるけど、仲が良さそうには見えない……ここ、初めて知りました。


始めに言っておきましょう。

ルナマリアとステラ好きです。
ステラとルナマリア好きです。

なんで2回言ったのか?
先に名前出した方が好きって捉えられるとそれはそれでなんか違う気がしたので同じぐらい好きですよアピールです!

シンの愛機、コアスプレンダーがインパルスになるところ、ドッキングのシーンは確実にアニメに軍配が上がりそうです。
ちょっと難しい……

さて、シャア気取りと揶揄されるアレックス・ディノことアスランですが、カガリを守るためにザフトの新型のザクウォーリアに乗り込み、ガイア相手に奮闘します。

ザクでガンダムに挑む……やっぱりシャア気取ってる!?
あ、ちなみにデュランダル議長はシャア役の池田さんです。

最初の戦闘。コイツら強い……
歴戦の覇者たるアスランから見ても新型4機とそのパイロットの火力、機動力、技術は相当なものらしく、やっぱりDESTINYは最初からクライマックスなんだなって思います。

ザフト軍学校で訓練を受けてエースパイロットのシンはまだしも(愛機なので)、奪ったその瞬間から使いこなすスティング、アウル、ステラは本当に凄い。

前半部分を読んでいて感じたこととしましては、意図してそうしてるのか、たまたまなのか、前作との対比の関係にあるのかな?って思いました。

例えば主人公。
キラは幼い頃はプラントにいましたが、オーブに移り住んで戦禍に巻き込まれる民間人でした。
対してシンはオーブ育ちで、戦争に巻き込まれて家族を失い、自らの意思で軍人になります。(経緯としてはアスランに近いです)

前作ではオーブが開発したガンダムシリーズザフトが奪うという始まり方でしたが、DESTINYではザフトが開発したガンダムシリーズを地球軍に奪われるという始まり方をし、オーブ側として来ていたアスランが巻き込まれるという皮肉な展開になります。

頼りないけど憎めない艦長のマリューと頼りになるけど容赦ないタリアも対照的だと思います。
ついでに言うと、副官であるナタルとアーサーも対照的というか、そこで相対的バランスが取れているという不思議な感じです。

進化した部分としてはロボットの性能とパイロットの技術だと思いました。

強化人間の扱いも前作よりかはかなり良くなりました。
ここに関してはネオがGOODです!

「あんまり成績よくないんだけどね。デブリ戦……」

ルナは一体何が得意なんだろう?
ガンダムSEED DESTINYの七不思議だと思うんですよ……ルナマリアの赤服。

そんなことより、議長のアスランに対する圧のかけ方が凄い(笑)

「本当の名前は何というのだろうね、あの艦の?」

『名はその存在を示すものだ……』

『……ならばもし、それが偽りだったとしたら?それはその存在そのものも偽り――ということになるのかな?』

「アレックス――いや、アスラン・ザラ君?」

名は存在を示すもの……これは深い。今の時代だとより深く刺さりますね……


全体の半分ほどを読んで、現時点では別段取り上げるほどのものもない……という状況ではありますが、思うところはあります。
作品の持つ深みとしては前作を上回ってると思います。

理由としてはカガリの浮きっぷりとシンという存在。

オーブの大使としてやってきたカガリですが、 付き人がアスランの時点で周りはコーディネーターしかいない訳で……
いや、アスランは基本カガリの味方ですが。

そんな中、言ってはいけない冗談だっとしても、仲間内の話に部外者が立ち入って激怒したり、シンがアスハを恨む理由を聞いて言い返せないどころか「お父様は……」と凹んでアスランにすがるとかどこまでも未熟です。

アスランカガリを含めた前回の大戦の状況や終戦後のカガリの努力を知ってるから面白くないってのは分かるんだけど、頭で理解してても態度に出てしまうのは相変わらずだな……と。

実際どうかは置いといて、カガリは平和を謳って綺麗事を言うわりに自己犠牲を払ってないように見えるのは事実ですよね。
短気なのも代表には向いてない。

アスランもね、自分は正しいと信じながらブレまくる。
君は何がしたいんだ?っていう。

この二人は根本的に自分の立場に対する自覚が足りてないんだろうなって思いました。

キラとラクスがいてこその信念だったのか?とさえ思ってしまいそうなぐらい儚い幻想を持った二人。
そういうことなのでしょうか。


個人的にグッと来たのはシンとレイの関係。

序盤からカガリに対するシンの態度を再三注意していたレイでしたが、シンがアスハへの恨みをぶちまけてしまった後、レイなりの励ましとも取れる
「――おまえの言ったことも正しい」
この言葉にシンが救われたように感じる描写が好きです。


地球に迫る脅威として落下するユニウス・セブン
それを止める(砕く)為の部隊としてやって来たのはジュール隊でした。
イザークディアッカ

この時点ではほぼ全員が事故だと思ってたんですねぇ……
そして、サトー(犯人)達は当然攻撃してきます。

彼等には彼等の正義があり、旧型のジン(追加武装のブースター有り)で次世代機のゲイツをものともしない実力を見せつけます。

そして、地球軍所属の通称ボギー・ワンは一連の出来事はザフトが企てたと勘違いして襲いかかります。

シンとルナも因縁の相手を見付けて、目的そっちのけでそちらへ向かってしまいます。

アスランの言い分「目的は戦うことじゃない」も分かるけど、結局アスラン自体も『カオス』と戦ってるから結局はルナの言い分が正しかったってことかな?

オーブに亡命したはずのアスランが当たり前のようにザフトの機体に乗ってることに疑問を感じたイザークがいつものように怒鳴りながら尋ねると、「そんなことはどうでもいい!」と返すアスラン

この人、元軍人なのに軍のルールを無視して好き勝手言ってるように感じます……

これは私情というか個人的な意見ですが、なんかムカつく。
自分だけが正しいとでも?
そう思っちゃいますよね、この時点では。

この場面のカガリアスランは本当に周りの気遣いを無下にしているのでは?って思うぐらいスタンドプレー気味ですよね、結局周りを巻き込んでみんなを危険に晒してるのは……

いや、アスランカガリが言ってることが正論だから結果としてそうなったのだから、お前らが悪い!お前らのせいだ!とも言えないのですが。

そして、ユニウスセブンを落とそうとしている方々の『その理由』も同時に明かされます。
ここちょっと深いですよね、これだから戦争は終わらない……っていう。

『――我が娘の墓標、落として焼かねば世界は変わらぬ』

歪んではいてもその人なりの覚悟と正義は持っていた訳で。

『ここで無惨に散った命の嘆き忘れ……!撃った者らと、なぜ偽りの世界で笑うか、貴様らはッ!?』

これもまた真理……と言いますか、直接的に愛する者を奪われてもなお、綺麗事を言うのは難しいですよね……
実際、アスランカガリもシンもそういう経験はある訳で。

『なぜ気づかぬか!――我らコーディネーターにとって、パトリック・ザラのとった道こそが、唯一正しきものと!』

とどめの一言です。
アスランにとっては父親の亡霊というか、怨念というか、そういうふうに感じるかもしれないこの一言。

そう……やり方は間違っていたかもしれないけど、パトリック・ザラ自体が悪い訳では決してなかった前作と一緒なんです。

何でこんなことをする!?って思っても、当人達にはそうするに値する理由があって、そこをどうして責められようか……っていう。
難しいテーマですよね、本当に。


地球に降りたミネルバ
オーブともプラントとも連絡は取れずにいる中、突如聞こえた銃声に不信感を抱いたアスランは、軍の訓練規定で射撃訓練を行っているレイ、ルナマリアメイリンの3人の元へ辿り着きます。

宇宙の時とは違って喧嘩腰ではなく、愛想よくアスランに話しかけるルナマリア
アスランの経歴をすらすらと言い、持ち上げるルナマリア

そして、アスランにも射撃訓練をしてみないか持ちかけます。
ブランクを感じさせないアスランの正確無比な射撃の腕前を見て、はしゃぐ少女たち。

ルナマリアは自分の銃に対して、「裏切り者」と睨んでたり。
そんなルナが可愛い。

アスランは横並びで射撃訓練する彼等を見て、銃に因縁をつける?ルナマリアを見て、イザークを思い出します。

そして、ルナマリアに「銃のせいじゃない。きみはトリガーを引く瞬間に手首をひねる癖がある。だから着弾が散ってしまうんだ……」
と、先輩らしくアドバイスをします。

そして無邪気なルナマリアにかつての自分を重ねて、過去の自分に対して遠い目で言うんですね……
『敵って……誰だよ?』
アスランの代名詞かもしれないこのセリフ。
きょとんとするルナも可愛いぞ!←え


ミネルバは何とか無事にカガリをオーブに送り届けることが出来ました。

そして出ました!
ユウナ・ロマ・セイラン

第一印象は嫌味な奴。
普段は軽薄そうな感じだけど、政治家モードの時は意外としっかりしている。
それでいてヘタレ。

この一見どうしようもない人は何気に好きなんですよね!


このオーブの中でいろいろ動きます。
オーブが地球軍に傾きかけていること、これは再び始まろうとしていた戦争においてとても重要な意味を持っています。
オーブの軍事力はそれほどの影響力があるのです。

そして、これはおもいっきりネタバレ事項なのですが、マリア・ベルネスと名前を変えたマリュー・ラミアスタリア・グラディスの対面だったり、キラとアスランの再会だったり、シンとキラの対面だったり。

マリア・ベルネスは整備士としてミネルバの整備を担当するのですが、タリアに好印象を持たれます。
なんか不思議な感じですね!


アスランアスランなりにいろいろ考えてプラントに行くことを決意して、カガリにユウナとのことは面白くない。と言って指輪を渡します。
アスランは自分勝手の極みだな(笑)


シンはどうせ後悔するなら行動して後悔しようと、家族を失ったあの場所へ向かいます。
すると、あの坂道はなだらかな丘に変わっていて、『あの軍港』は規則的に花が植えられた公園へと姿を変えていました。

シンはそのことに憤りを感じます。

「あいつらは、この場所まできれいな仮面をかぶせ、まるでなかったことのように覆い隠してしまったのだ……」

悲惨で痛々しい光景を残して後世に語り継ぐこと、いっそ綺麗にして丸ごと作り替えてしまうこと、どちらが正しいのでしょう?
わかりません。

慰霊碑があるのでなかったことにはしてないと思いますし、カガリ達の目指す世界は撃たれたから撃ち返す。という憎しみの連鎖を断ち切ることが目標なので、そのまま残すと憎しみを生む存在になるのでこれもまた1つの答えかなって思います。

そんな慰霊碑の前でシンとキラは出会います。

キラは悲しげに言います。

『せっかく花と緑でいっぱいになったのに……波をかぶって、また枯れちゃうね……』

それに対してシンは、

『ごまかせない、ってことかも……』

『いくらきれいに花が咲いても、人はまた吹き飛ばす……!』

初対面の相手にもそう言ってしまうほど、シンにとっては衝撃的だったのだと思います。


そして、プラントに向けて大西洋連邦、ユーラシアをはじめとする連合国から無理難題が押し付けられます。

一度は全員死亡で了承したはずの[テログループの逮捕、引き渡し]
それに加え、[賠償金、武装解除、現政権の解体、連合理事国の最高評議会監視員派遣]
つまり、プラントに対して、事実上の連合国の奴隷になるよう促す内容の要求でした。

地球からプラントへ……ナチュラルからコーディネーターへの宣戦布告でした。


議長と話す為にプラントへ行ったアスラン
議長に連れられて極秘であるはずの格納庫に来たアスランは『セイバー』を見せられます。

カオス、ガイア、アビス、インパルスと同時期に開発されたザフトの最新鋭のMSです。

デュランダルはその『セイバー』をアスランに託したいと取れる発言でアスランを揺さぶります。

議長に対する不信感や前大戦の戦犯であるパトリック・ザラの息子である罪悪感から迷い続けていたアスランですが、議長の巧みな話術に傾き始めます。

しかし、それとは別にミーアの存在は認められない……そう思いながらも、かつての婚約者、ラクス・クラインと同じ顔、同じ声、同じ仕草で迫るミーアに対して無下には出来ず、うんざりしながら彼女に付き合っていました。

しかし、彼女の話を聞きながらアスランは考えを改めます。
シンに言われたことも頭をよぎり、アスランは迷いながらも1つの決意を固めたように感じます。

この流れの中で最も重要なの『ラクス・クラインの持つ影響力』ですね、ミーアの健気さもアスランを動かすには十分なのかもしれないけど、元々はラクスのコピーのような存在だから断れなかった訳ですもんね……ラクスは最強なのかもしれません。


一方、オーブ内の会議の中でカガリは1人孤独な戦いをしていました。

これについて話す前に1つ言っておきたいこともありまして、個人的主観、個人的意見で申し訳ないのですが、ここのカガリが本当にムカつきます。

さて、流れに乗せてフラットに見ていきましょう。

カガリ以外の閣僚は大西洋連邦との同盟を結びたいのに、代表のカガリだけが頑なに拒んでいる状況ですね。
個人的主観で見ても、それ自体はまあ、いいと思います。

カガリの意見をまとめると、大西洋連邦は手段を選ばないヤバい奴らだから同盟は結べない!

主にユウナが代弁した他の閣僚の意見をまとめると、そんなヤバい奴らだから同盟を結ぶ。国が焼かれたら元も子もないんだから同盟で済むなら安いもん。

もう少しまとめると、
カガリは父ウズミの理念に従って、あくまでも中立を貫いて戦禍を避けたい。

閣僚達は国を焼かれないこと、国を守ることを最優先に考えている(あくまで本人談)

別にどっちも間違ってないですし、このケースだとどっち選んでもいい結果にはならないと思います。

フラットに見ると言いながら、個人的主観を再び挟むのは恐縮ですが、何故カガリがムカつくかと言うと、「お父様を悪く言うのは許さない」と思いながら、シンを思い浮かべながら、あのような子供を生み出してしまうかもしれない、その時は許してくれとは言えない。と決意が弱かったり、お父様が生きててくれたら……と現実逃避を挟んだり、会議の後、アスランがいてくれたら……とか思ってる辺りはイライラピークでしたよねw

まあ、ユウナのセリフの「可哀想に、カガリはまだ18歳の女の子なのに」というセリフである程度納得しましたけどね!
カガリがうざがっているユウナに救われた形なのは皮肉でしょうか?
いや、これは単に僕がひねくれてるだけかな。

アスランもそうだけど、自分の意思があろうがなかろうが、決意が弱いと周りに流されてしまうんだろうな。って教訓にはなると思います。

アスランは力はあるけど迷ってる人で、カガリは想いは強いけど脆くて、2人で支え合ってようやく1人前だった人達なので別れて行動するべきではなかったんだろうなーって思います。


さて、多少の認識間違いがありました。
ミーアとの会話の中で決意を固めたように思いましたが、実際はその後のイザークとの会話でしたね。
ちょっとアスランを課題評価してました。
そうでした、この人……自分じゃ何も決められない人種でした。
ガッカリですね……


ニコル達(前大戦で亡くなったアスランの同期)の墓に行こうと外出届けを出したアスラン
当然、戦争一歩手前の国に在籍していて代表の代理的立場でもあるアスランには護衛兼監視がつけられます。
その監視役がかつての盟友、イザーク・ジュールディアッカ・エルスマンでした。

イザークはいきなりアスランに掴みかかったり、怒鳴ったりしながらもアスランザフトに戻るように言います。

「俺がなんとかしてやる!」
微妙な立場のアスランがでかい顔してられるのって周りの助けあってこそなんですよね、それなのになんでこの人威張ってんだろう?
まあ、強いからいいか。


一方、ミネルバに突如入った謎の通信、友軍のコードでありながら識別不能。さらにミネルバよりも状況に詳しい明らかに怪しげな男が「オーブから出るように」促す内容の通信です。

タリアが名乗ると、謎の男はアンドリュー・バルトフェルドからの伝言と伝えます。

その通信こそはバルトフェルド本人とタリアを他人とは思えなかったマリューの善意だったのです。


そして、オーブはとうとう大西洋連邦と同盟して地球軍に参戦することになります。

まあ、当然シンは怒りますよね……ルナも冷たい目しますよね……カガリカガリなりの筋を通そうとして、謝りにいったのですが、そこで明確に敵意を感じとるんですね……

敵対するのは仕方ないと割り切って凛と構えてるぐらいが代表としてはふさわしいとは思いますが、カガリの真っ直ぐさそのものは個性として素晴らしいと思います。

怒るシンに対して(本心だとしても)弁解しようと火に油を注がなかったのは偉いと思います。

そして、ミネルバを最大の危機が襲います。
オーブがミネルバを売り渡したという事実。
その結果は、前には空母四隻を含む地球軍艦隊、後ろには退路を塞ぐように展開されたオーブ艦隊でした。

それに対し、大気圏で自由に動けるのはシンの乗るインパルスだけという状況でした。
まさに絶命絶命。

対して、地球軍の新型兵器、巨大モビルアーマーの″ザムザザー″はミネルバ陽電子砲″タンホイザー″を跳ね返し、無傷でいられるほどの戦闘力を誇っていました。

そして、インパルスも苦戦を強いられ、バッテリー残量はレッドゾーン……そんな中、本当にミネルバを撃った(威嚇射撃した)オーブを見て、シンは愕然とします。

そちらに気をとられた隙に、インパルスはバッテリー残量が0になり、脚部をもぎ取られてしまいます。

祖国に完全に裏切られたシンは怒りによって覚醒を果たします。
メイリンに指示を飛ばし、必要なバッテリーや換装パックを受けとると、ザムザザーの頭部を斬り裂き、次々と戦艦を沈めます。

『――それは怒れる巨神が繰り広げる蛮行のようであった。』

作中でこう表現されてますが、まさに白い悪魔の再来と呼ばれて然るべき暴れ方でした。

戦闘終了後のシンには心境の変化がありました。
捨てられたのではなく、『自分がオーブを捨てた
その心に荒れ狂う怒りはもうありませんでした。

『温かく自分を迎え入れてくれる仲間――この場所こそがいまのシンにとっての故郷だった。』

綺麗なまとめ方だなぁ……と思ってたらエピローグがありました。
ここは短いのでサクッとまとめます。

要はアスランが復隊して議長直属のフェイスになったこと。
同時にミネルバに行くよう言われたこと。
まとめるとこんな感じです!

あとがきは個人的にはなかなか興味深いものでした。
原作がアニメのものが小説として出版されるまでの流れを簡潔に説明してくれています。

あ、ちなみにですが、フェイズ0→本編→エピローグ→次巻予告→あとがきの順番です。

・まとめ
期待値込みの点数です!
こればっかりは仕方がないと言いますか、DESTINYは最初から絶対絶命のピンチの連続で……いや、それはSEEDも一緒か。

モビルスーツモビルアーマーの設定が前作より複雑になっているので、戦闘描写を含めてそこら辺はやや読みづらいかもしれません。

ただし、キャラクターの心理描写は相変わらず芸術的に素晴らしいと思います。

シンの成長が感じられる第1巻でした!

読みやすさがやや抑えめなのは、前述の戦闘描写の件+カガリアスランのせいで今作の主人公のはずのシンがやや置いてけぼりな部分、サトー達とのくだりでジンが出てきた時の視覚的紛らわしさがちょっとあったので、致し方ない部分だと思ってます。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY(1) 怒れる瞳 (角川スニーカー文庫)

機動戦士ガンダムSEED DESTINY(1) 怒れる瞳 (角川スニーカー文庫)