神黎の図書館

漫画・小説・映画・アニメ・ドラマを主観によるグラフ+点数+批評+感想を綴り、作品の評価をあらゆる形で視覚化したブログです。有名な作品から掘り出し物的な作品まで生涯の内になるべく多くの作品に触れて伝えていけたら本望です。

グラスホッパー(映画)

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・タイトル

グラスホッパー

・点数 88点

ストーリー☆☆☆
演出☆☆☆☆☆
視覚的面白さ☆☆☆☆☆
聴覚的面白さ☆☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆

・評価
普通に面白い映画ですよ、詰め込み過ぎて説明不足なのは否めないけど。
展開が急だったり、人によっては窮屈に感じる原因は多分そこにあると思います。
そして、独特の伊坂ワールドを再現するのではなく、馴染みのない人側に歩み寄った結果だと思います。

以上の理由から、完全初見の方にも伊坂作品ファンからもマイナス評価を受けています。

中立的に見れば、そこまで酷評される言われもないぐらいの内容だと思っています。
実際、僕は好きですし、この映画がなければ小説のグラスホッパーは買ってないので映像化の意味はあったと思います。

ただ、作品全体としては個人的には好きだけど、主人公の目的とかはちょっと分かりづらいかもしれないので、ある程度の読解力ならぬ理解力は必須事項になっています。


以下、商品リンクを挟んで、あらすじと内容に触れた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。


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・感想
ハロウィンがいきなり殺戮現場にとか冒頭から衝撃!とかはないけれど、メッセージ付きの紙切れの落とし方のパサッって感じがデスノートと同じ⁉️とは思いました。

中学の教え子でもガンガンにギャルメイクされたら分かるわけないよね!!
そう考えたら、俺俺詐欺ならぬ、教え子なりすまし詐欺とか気付かんかも。

目を見ただけで人を操って殺すの?半分やっぱりデスノートやん!
っていう冗談は置いといて、暗示をかけて深層心理に眠る己の罪を悔い改めさせて自死に追い込むやり方ね?
殺さない殺し屋?
それが鯨さん。

最小限のアクションで鮮やかに惨殺するのが蝉くん。

この対極の殺し屋が早くもぶつかる?

の前に、「押し屋」というプロの殺し屋vs平凡で冴えない上司の言いなりサラリーマンの対決。

それはそれとして、菜々緒さんが演じる上司は態度はデカいけど無能な気がする。
だって自分が邪魔してる自覚ないんでしょ?
指示もまともに出来てないし、統率力もなさほうだし。

グラスホッパー村上淳さんはいい感じに小者感あっていいなぁ~
この「いい感じ」の塩梅って案外難しいんですよね、サラッとこなされてますが。

具体的な説明はないけど垣間見える蝉くんと岩西さんの関係性が何となく好きだったりします。
人間失格の悪友コンビみたいな?

菜々緒さんのキャラ、上司としては無能だとは思ってたけど、ボスの命令を聞きながらも聴こえない範囲の声量で悪態付いてるの中途半端だからやっぱり嫌い。

愛が復讐動機の場合、相手にも家庭があるという事実をどう捉えるか、どう考えてどう行動するかは人となりだと思う。
そこら辺のバランスはフィクションとして見てる分には本当に興味深い。

人は欲望の為に凶暴になる。狂暴とも言える。
これが作品を通して伝えたいメッセージの1つなんだと思う。

それはそれとして、蝉くんと鯨さんが元々好きだった為か、鯨さんと岩西さんの対峙場面からの展開はやっぱり心にグッと来るものがある。
岩西さんは最後まで岩西さんを貫くからああいう飄々しさも格好いいと思う。

片や消えない耳鳴り、片や目玉の奥の空洞、殺し屋稼業は物騒だ。と敬遠せずにそれぞれに着目すると、そこにもきちんと物語がある。
それが伝わってくる。

それにしても、やっぱり鯨さんは格好いいなぁ~
この組織のボスやら連中に関しては都合良く利用しといて知りすぎたからって理由で消そうとしたツケである以上、自業自得だし、何とも思わないけど、相手を見てたから喧嘩を売るべきだったな。っていう教訓ぐらいにはなるんじゃない?

自殺屋がキレたら普通に銃使うし、そうなったら数的不利とか関係なく無双するのが分かりましたね!
強くて格好いい。
撃たれても刺されても動じない強さはいいね!

無能な人はやっぱり無能でした。
ただただ存在も発言も不快なだけでしたね(笑)

作中屈指の、そして最強クラスの殺し屋2人がステゴロで戦う場面は短くても圧巻。
相変わらず動じない浅野忠信さん(鯨)は格好いいし、奇抜で機敏なアクションをする山田涼介くん(蝉)もいい。

この映画は見るの2回目になりますが、基本的には心を全部あの二人に持っていかれてた前回と今回ですが、キーとなるメッシュの女は良かったです。こっちがちょっとグッと来たよwって話。
前回は槿こと吉岡秀隆さんに一部心を奪われてました。

それぞれのクライマックス演出については、個人的には実写版のほうが好みの部分もあります。

そして、原作を忠実に再現することよりも映像作品としての分かりやすさと綺麗なまとめ方を優先した部分は評価したいです。

鈴木さんはピエロ🤡であり、復讐なんて似合わない。というのを強調したことにより、空気化してたところを主人公として確立させた技量も素晴らしかったです。
こういう捉え方のグラスホッパーもアリかと思いました。

エンディングの掻き鳴らすようなロックからの大量のバッタの羽音を象徴するような効果音からの優しくも力強い歌声のYUKIさんに繋がるのは終わり方にもこだわってるなぁ~と感じました。
まさに実写版のグラスホッパーを表すようなエンディングの流れでした。