・タイトル
生きてるだけで、愛。
・点数 80点
ストーリー☆☆
演出☆☆☆☆
視覚的面白さ☆☆☆☆
聴覚的面白さ☆☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆☆
・評価
精神的な病気を患ってる女性と、それを支えながら働く2人の物語なので、そもそもが一般論として理解されやすいものではなく、理解をしたところで物語として気持ちのいいものではない。
という観点から言えば、ストーリー部分は自ずと大幅減点対象になりますが、興味深さはありましたし、双方の気持ちに寄り添うこと自体は可能だったので、僕は普通に見れました。
希少なモデルケースでもあると思いますし、演出面で言えば随所に楽しめるポイントがあったので、映像作品としては総合的には悪くない出来だと思っています。
役者陣に圧倒されつつ、演出と役者の連携に感動でした。
以下、商品リンクを挟んで、あらすじと内容に触れた個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
・あらすじ
精神に問題を抱え、恋人と同棲する家で寝てばかりの日々を過ごす寧子。何を言っても反応の薄い恋人・津奈木に苛立ちを募らせる中、彼の元恋人が現れる。その女性の助けで、寧子は自立と社会復帰に向かっていく。
・感想
俳優・菅田将暉に着目しようと見始めたのに、冒頭から趣里ちゃん上手っ……って圧倒されてしまいました。
役柄もあるんでしょうが、菅田くん喰われてるぞ……
そんな2人の顔合わせの印象的なシーン。
菅田くん演じる雑誌ライターの津奈木さんは、酔っ払いの戯言のような、おたくの雑誌が書いた不倫記事を苦に自死を選んだ女優の話を持ち出します。
一撃目が鋭利すぎる。
訳ありなんだとは思うけど、完全にイカれてる人を前に振り回される菅田くんは貴重かも?
ちょっと可愛い。
奇行に振り回され、理不尽に振り回される。
忙しい時に元々他人の引きこもりにそんな態度取られて言い返さないのは優しさなのかダメ人間なのか…それとも別の何かなのか。
何か言いたそうな空気は感じますが、「私、鬱だから」って言われたら誰だって口をつぐむかもしれない。
引きこもりで鬱だと、外出して材料買って料理すること自体がすごい挑戦なんだけど、それを分かってあげてほしいですよね、この映画見る人には。
仲里依紗さん演じる強烈な元カノが寧子さんを圧倒している。
こういう強制的な働かせ方は嫌いだけど、偶発的とはいえ、結果的にいい職場そうなので温かい感じはしました。
職場はいい環境っぽいのにこうも毎日?元カノが監視に来ると嫌だね、これは心労だわ……
過眠症のこと分かってなさそうだし、その人。
おー、その心底うざそうな目…いいね、菅田くん、雰囲気変わってきたよ!
闇の中で見えた光は淡くても眩しい。
けれど、光の中で見えた闇は小さくてもどす黒く大きな闇に感じる。
これもまた、心理の性かな。
冒頭のシーンとクライマックスシーンがリンクする演出好き。
疾走感もセリフなしで悲壮感漂うよう音楽と表情と動作で演出するのも映画ならではの良さがある。
お母さんの奇行(停電時の全裸ダンス)も無駄設定じゃなかったことも、作品のテーマが結構深かったことも含めて見てよかった作品でした。
・まとめ
関根光才さんの長編映画デビュー作でもありました。
名前だけなら誰?って思ったんですけど、Wikipediaさんの作品のところのミュージックビデオの項目に、
Mr.Childrenさんの『足音~Be Strong~』
AKB48さんの『恋するフォーチュンクッキー』
とあったので、結構馴染みある方なのかもしれません。
所謂鬼才?道理で随所の演出が刺さるわけだ。
そして、俳優・菅田将暉特集として書くには菅田くんのインパクトは弱かった。
が、逆に言えば、異彩を放つ2人のイカれた女性を見事に演じきった演技派女優さん2人を食おうとせず、繊細に津奈木というキャラクターを演じきったと言えると思います。
クライマックスの見せ場は見事に演じ、最後の場面は音と表情だけで津奈木の感情を表す監督と役者の連携も見事だったと思います。
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おまけ
(主要キャストの代表作)
趣里さん
菅田将暉さん
田中哲司さん
仲里依紗さん
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