神黎の図書館

主観によるグラフ+点数+感想を綴る読書感想文風書評ブログです。月間で読む漫画は150冊~200冊。小説や映像作品についてもちょこちょこと。

生きてるだけで愛

生きてるだけで、愛。

・タイトル

生きてるだけで、愛。

・点数 92点

ストーリー☆☆
演出☆☆☆☆
視覚的面白さ☆☆☆☆
聴覚的面白さ☆☆☆☆☆
熱中度⭐⭐⭐☆☆

・感想
俳優・菅田将暉に着目しようと見始めたのに、冒頭から趣里ちゃん上手っ……って圧倒されてしまいました。
役柄もあるんでしょうが、菅田くん喰われてるぞ……

そんな2人の顔合わせの印象的なシーン。
菅田くん演じる雑誌ライターの津奈木さんは、酔っ払いの戯言のような、おたくの雑誌が書いた不倫記事を苦に自死を選んだ女優の話を持ち出します。
一撃目が鋭利すぎる。

訳ありなんだとは思うけど、完全にイカれてる人を前に振り回される菅田くんは貴重かも?
ちょっと可愛い。

奇行に振り回され、理不尽に振り回される。
忙しい時に元々他人の引きこもりにそんな態度取られて言い返さないのは優しさなのかダメ人間なのか…それとも別の何かなのか。
何か言いたそうな空気は感じますが、「私、鬱だから」って言われたら誰だって口をつぐむかもしれない。

引きこもりで鬱だと、外出して材料買って料理すること自体がすごい挑戦なんだけど、それを分かってあげてほしいですよね、この映画見る人には。

仲里依紗さん演じる強烈な元カノが寧子さんを圧倒している。
こういう強制的な働かせ方は嫌いだけど、偶発的とはいえ、結果的にいい職場そうなので温かい感じはしました。

職場はいい環境っぽいのにこうも毎日?元カノが監視に来ると嫌だね、これは心労だわ……
過眠症のこと分かってなさそうだし、その人。

おー、その心底うざそうな目…いいね、菅田くん、雰囲気変わってきたよ!

闇の中で見えた光は淡くても眩しい。
けれど、光の中で見えた闇は小さくてもどす黒く大きな闇に感じる。
これもまた、心理の性かな。

冒頭のシーンとクライマックスシーンがリンクする演出好き。
疾走感もセリフなしで悲壮感漂うよう音楽と表情と動作で演出するのも映画ならではの良さがある。

お母さんの奇行(停電時の全裸ダンス)も無駄設定じゃなかったことも、作品のテーマが結構深かったことも含めて見てよかった作品でした。


・まとめ
関根光才さんの長編映画デビュー作でもありました。
名前だけなら誰?って思ったんですけど、Wikipediaさんの作品のところのミュージックビデオの項目に、
Mr.Childrenさんの『足音~Be Strong~』
AKB48さんの『恋するフォーチュンクッキー
とあったので、結構馴染みある方なのかもしれません。
所謂鬼才?道理で随所の演出が刺さるわけだ。

そして、俳優・菅田将暉特集として書くには菅田くんのインパクトは弱かった。

が、逆に言えば、異彩を放つ2人のイカれた女性を見事に演じきった演技派女優さん2人を食おうとせず、繊細に津奈木というキャラクターを演じきったと言えると思います。

クライマックスの見せ場は見事に演じ、最後の場面は音と表情だけで津奈木の感情を表す監督と役者の連携も見事だったと思います。


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