神黎の図書館

主観によるグラフ+点数+感想を綴る読書感想文風書評ブログです。月間で読む漫画は150冊~200冊。小説や映像作品についてもちょこちょこと。

特攻の島

【コミック】特攻の島(全9巻)

・タイトル

特攻の島

・本の概要

「生涯を期さない兵器」特殊兵器への志願を問われた時、少年たちが受けた説明はそれだけだった。
様々な憶測が飛び交う中、志願した少年たちはとある島へと送られる。
その島で少年たちが見たものとは……

・著者情報

佐藤 秀峰(さとう しゅうほう)

生年月日 1973年12月8日
出身地 北海道中川郡池田町

活動期間 1998年~
代表作
海猿
ブラックジャックによろしく

受賞歴
第6回文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞「ブラックジャックによろしく

幼少期から絵を描くのが好きで、大学在学中に、新井英樹の『宮本から君へ』の影響を受け、漫画家を志す。
福本伸行、髙橋ツトムのアシスタントを経て1998年『週刊ヤングサンデー』に掲載の『おめでとォ!』でデビュー。

海猿』や『ブラックジャックによろしく』など、綿密な取材に基づいた人間ドラマを描くのが特徴。
人物の顔面筋肉や皮膚の弛みなどを詳細に描いている。

・点数 100点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆

・感想
歴史の闇を垣間見せられるので、気持ちのいいストーリーではないですが、重厚で濃厚で濃密で奥深い作品でした。

人間の…しかも戦時中の軍人、特攻隊の複雑で繊細な心情、兵器の圧倒的存在感、それぞれを見事に表現した緻密で繊細な表現力と言える画力でした。

他作品におけるキャラクターの項目とはワケが違う深さがあります。
それは実際に起こった戦争と兵器が題材であり、特攻というのはつまり……ということだからです。
兵器の意味とそれを扱う兵士の心情、それがこの作品のメインテーマなので、簡単に語れることではないです。
逆に言えば、一人一人の役割が心に深く突き刺さった。というのが僕の中の評価です。

御国の為に命を懸けるというのが文字通りに送られていた時代、現代人では普通の感覚ではなかなか理解出来ない感覚ではあると思います。
しかし、読んでいると、その時代の人物がスッと入ってくる感じはしました。
当時の人物の気持ちを慮った丁寧な話の進め方が見事でした。
この先人達がいたから学べることは実になると思います。
戦争の凄惨さではなく、彼等の生きた証と行動理念をこういう形で描く作品というのは斬新でした。

ある程度のネタバレOKで気になるという方は、よければ単巻レビューを見て頂ければ、それぞれの巻に対する僕のリアルタイムでの感想が見られるので、そちらも参照して頂けると幸いです。
この作品は読んで損はなく、読んでよかったと思えた作品でした。


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。


特攻の島1

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歴史の闇に葬られた存在を描いた物語…とでも言いましょうか、そんな感じです。

僕も個人的には戦争について色々とお勉強もしてますし、様々な戦争を題材にした作品を読んできました。
それこそ、学校では教えてくれない黒歴史も幾つかは知っています。
が、この作品の胆である『回天』については全く存じてませんでした。

なので、回天という兵器や回天部隊を知れただけでも十分価値のある作品でした。

簡単に言えば、出撃≒死を意味する部隊ですね。
所謂人間魚雷というやつです。
人間の手により操作することで命中率が上がる……そういう兵器です。

実際の歴史上の記録や解説と比べても遜色のない内容だったので、ここからは回天についての解説と共に書いていきたいと思います。

そもそも回天は何故出来たのか?
答えはアメリカの対潜兵力に対抗する為でした。

回天の構想をしたのは別の人物なのですが、歴史上で回天を改造したとされる人物、『黒木中尉』と『仁科少尉』は特攻の島においてもちょっとしたキーマンというか、回天の開発責任者として登場します。

回天のことは知らなかったと言いましたが、金剛隊・硫黄島・千早隊・大和等、有名なワードと関連しているので実は知っていたことになりますよね。

では何故、認識していなかったのか?
それは回天の成果があまりなかったことに帰結すると思われます。
戦後のアメリカからの報告書から察するに、回天はほとんどが命中していないことになります。多大な犠牲を払ったにも関わらず……
だからこその歴史闇に葬られたのかもしれません。

作中の話に戻ります。
回天は原則として一基に一人。
何故なら乗り手の癖が付くから。
そして、回天に乗りながらも生還した兵士は称賛ではなく腰抜け扱いを受ける…

不思議なことにそこに対する怒りはなかったです。
実際、出撃前に生きることの意味を考えたり、生還してしまえば死に場所を求めるという感情も分からなくはない……とさえ思ってしまいました。
それぐらいリンクしたとも言えます。

先程、回天部隊が関わった歴史をざっくりと紹介しましたが、この作品の終わり方はこの特殊な考え方にリンク出来なければ後味最悪だと思います。
だって歴史は決まってるのですから……

そう、史上最悪の兵器により、日本は敗戦を喫するのですから。

ただ、この作品を読めば命について考えることも出来ます。
この御時世だからこそ読んでほしい。

回天部隊に全てを捧げた男達を忘れないでいてほしいです。
そして、艦長を責めないであげてほしいです。
命を粗末にしないこともまた勇気であり、大切なことなのですから。


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