・タイトル
アルキメデスの大戦
・点数 92点
ストーリー☆☆☆☆☆
演出☆☆☆☆☆
視覚的面白さ☆☆☆☆
聴覚的面白さ☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆☆
・評価
詳しくは後半の感想部分に書いてますが、面白いというよりは深い作品です。
少なくともヘラヘラ見られるものではない。高確率で心が削られます。
でも、戦艦とかを使う戦記はこれでいいと思う。
悲惨さと悲痛さがいい作品の証だと思います。
良くも悪くも心を持っていかれました。
以下、商品リンクを挟んで、あらすじと内容に触れた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
・あらすじ
1933年。
欧米との対立を深め、軍拡路線を進める日本では、海軍省が秘密裏に世界最大の戦艦の建造を計画していた。
一方、航空機を使った海戦が主流になっていくと予見した海軍少将・山本五十六は、戦艦建造に反対。その根拠を示そうとして、100年に1人の天才と言われる元帝国大学の数学者・櫂直に協力を仰ごうとする。
・感想
冒頭の戦艦大和の沈没が衝撃的すぎて……
巨大戦艦に乗った大量の人×沈没時の傾きから流れる血は何だかワインのようですね。
なんて非情にも思ってしまうほど。
いや、悲惨過ぎてそうでもしないと見てられなかったのですよ……
そんな、衝撃的なスタートからの時を遡ること12年、出来ればあの未来を変えてくれ!って思うけど、多分そういう作品ではないですよね、辛い。
そして、海兵のお偉いさんなのに戦艦より空母だろ?と説く山本五十六氏。
この五十六さん、結構しつこい。
でもフットワークも軽そうで堅物なイメージのある軍人っぽくはない、憎めないキャラクター性がありました。
結構しつこいけどね(笑)
初出から豪遊する菅田将暉もとい、櫂直。
数学の天才。天才的数学者。いやマジで天才。
こんな天才がついていながら何故あんなことになったのか……そう思うほどに天才。
日本の在り方に絶望し、更に軍人嫌いの櫂くんが何故協力する気になったのか……ここら辺は見所の1つかもしれませんね!
軍の圧力から自由に動けない中で軍法会議に斬り込めるだけの武器を作って堂々と挑む櫂さん凄い。
そして、どっちが正しいかは置いといて、必ずしも正義が、正論が評価される訳ではない……
まあ、敵を騙すにはまず味方からというのは一理ありますね、計画を漏らす訳にはいかない時は味方全てを騙してでも、通すべき時もある…一応理解は出来ます。
国民が汗水を垂らして納めた税金は1円たりとも無駄にはしてはいけない。という正論と、国がなくなれば国民は路頭に迷うという現実。
その狭間の中で、こういう役割を担わなければいけない人がいるのも事実で、僕はそれも必要な存在だと感じてしまいました。
大義の前には正しさだけが全てではない……その旨の言葉が刺さりまくりました。
巨大戦艦大和の製作経緯というか二人の数式・計算のプロが導きだした答えは対極のようで同質であった。
そして衝撃的過ぎて僕は固まりました。
まさかそこまで考えて?まさにその通りでした。
戦艦大和はまさに日本の象徴。
写し鏡のような存在…作品を見終わった時、それを理解しました。
色々な戦争を題材にした作品を見てきましたが、この着眼点と方向から見たのは初めてだったので、とてもいい経験になりました。
会議中の雰囲気は半沢直樹に近いところがありましたので、そこは誰が見ても楽しめるのかな?とは思いましたが、内容そのものは重くて深いテーマなので人を選ぶと感じました。
暗くない話をしますと、健気で明るい浜辺美波ちゃんは数少ない癒しポイントでした。
役柄の少女…というよりは浜辺ちゃんがやってるからいい具合の癒し効果になったのだと僕は思っています。
そして、異色の経歴と奇抜な発想と大胆な行動力と失礼な態度から敬遠されてた櫂くんが圧倒的計算能力から徐々に認められ、孤独な天才ではなくなったところは普通に好きですし、いいサクセスストーリーだと思いました、櫂くんのみに焦点を当てれば。
最後の愁いを帯びた感情とか最初の頃のまま燻ってたらあり得なかった成長ですよね。
個人的には見て良かった作品でした。
見解や解釈の幅を広げたい方にはオススメの映画です。
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