・タイトル
働きマン
・本の概要
週刊「JIDAI」編集部の女性編集者、松方弘子28歳独身。
弘子は編集長、上司、同僚たちと一緒に一緒に右往左往しながらもいい雑誌を作る為に日夜奮闘する。
寝食を忘れ、恋人との逢瀬もままならず、ジレンマに悩み、誰かにぶつかる……。
そんな彼女は仕事モードに入れば「男スイッチ」が入る‼
・著者情報
安野モヨコ(あんの もよこ)
生年月日 1971年3月26日
出身地 東京都杉並区出身(多摩市育ち)
別名義に安野 百葉子。読みは同じ。職業 漫画家
活動期間 1989年~
ジャンル 少女漫画・女性漫画・青年漫画代表作
『シュガシュガルーン』
『ハッピー・マニア』
『さくらん』
『働きマン』受賞歴
2005年第29回講談社漫画賞児童部門(『シュガシュガルーン』)高校在学中の1989年、『別冊少女フレンドDXジュリエット』7月号に『まったくイカしたやつらだぜ!』が掲載されデビュー。
ペンネームは夢野久作『ドグラ・マグラ』の登場人物「呉モヨ子」、および作家・安野光雅の名前から取って命名。
「毎日必ず3回は読書の時間を作ります」と語るほどの読書好き。
・点数 72点
ストーリー☆☆☆
画力☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆
没入感☆☆☆
・評価
男モード(仕事の時に任意で仕事のスイッチ入れて女性脳から男性脳へと切り替わる)とか、そういう独特な設定はあんまり分かりやすいとは言えないというか、今の時代に読むと、少し時代錯誤に感じる演出ですね、ちょっと偏見もあるだろうし。
途中から仕事より恋愛に走ってない?なんかブレてない?ってところもあったりはしましたが、テーマとしては奥深いところもありました。
多分、画力で売ってるタイプでもないと思いますが、特筆してここが凄かったと思う場面はなかったかなぁ~と。
メインキャラクターだけではなく、職業毎にプロフェッショナルとして描かれているので、作中で与えられた役割、果たす役割は一級品と言えると思います。
詳しくは後述の部分になりますが、いい部分と悪い部分がどちらもハッキリしている作品です。
斬新さもあるので、惜しかったです。
(僕は)主人公に対してあんまり寄り添えなかったので、そこまで集中できた訳ではなく、読み終わりの満足感は中途半端な感じでした。
が、興味深い内容が含まれていたことも事実なので、評価に最も迷った項目でした。
以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
・感想
『働きマン』の主要キャラクターの名前は、『仁義なき戦い』シリーズのキャストの名前が元になっています。
今の時代に読むと若干の時代錯誤感あります。
寝食恋愛や衣飾衛生の概念がなくなって仕事の速度が3倍になる「男モード」
これが作品の最大の特徴です。
働く女性を主人公に社会に対する理不尽に斬り込むのも1つの特徴。
ただし、僕個人の意見としては必ずしも松方さんが正しいとは思いません。
あくまでも考え方の1つとして見るのがベストだと思っています。
また、物語全体の主人公は松方ですが、職種毎にスポットライトを当てた各話では本来は脇役であるキャラも含めてその職種ならではのあるあるや大変さをそれぞれの視点で描いているので何かしら刺さる部分はあると思います。
同じ職種でも立場が違えばやるべきことと正解も異なる。
同じ働く女性でもその働き方と武器、考え方に違いがある。
正論だけが必ずしも正答とは限らない。
そんなサラリーマンの世界の縮図みたいなものも中に詰まってる作品でした。
プロフェッショナルとは何か、という観点から見ると素晴らしい作品なんですけど、肝心の松方さんが中途半端な自我とプライドを持つ無自覚な半人前なのでちょっと惜しい。
量と質のバランス考えたら真心のある仕事が必ずしも最適解ではない、会社とはそういうものである……っていう現実も描かれてます。
どっちを優先させるべきかは立場で変わりますよね、上の立場の人は無責任ではいられないのだから……
報道のプロフェッショナル。
テレビや新聞が伝えるのは事実。
雑誌は現場の現状や声を元に真実を伝えるのが仕事。
この部分は感銘を受けました。
あと、プロの記者じゃないのに事故現場で面白半分で携帯のカメラを向ける野次馬を揶揄する部分にも感銘を受けました。
連載復活するとしたら、視聴者の映像提供に頼りっぱなしのテレビ局や、ガセネタでも平気で掲載するネットニュースにも斬り込んで欲しいなーとは思いますが、連載の復活はなさそうな発言が過去にあったとかなかったとか……とのことなので多分夢のまた夢ですね(笑)
さて、視点を変えましょう。
この作品、青年漫画のせいなのか無駄に乳輪が描かれていて、嫌でも目に入るんですけど、見たくもないものを見せられると不愉快でもありました。
こんな感じでいい面と悪い面がハッキリ分かれていました。
ただし、僕にとっての良し悪しは他の人が見れば逆転することも当然あると思うので、僕の意見をそのまま真に受けることもないと思います。
それまで辿ってきた人生や選んだ職種で見え方が変わる十人十色の不思議な作品だなって思います。
前述した実質的な打ち切り説を裏付けるかのような連載はされつつも単行本化はされていない幻の数話が存在するらしいです。
話を聞く限り、あんまりいい話ではなさそうというか泥沼化しそうなので4巻まででいいような気はします。
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