神黎の図書館

主観によるグラフ+点数+感想を綴る読書感想文風書評ブログです。月間で読む漫画は150冊~200冊。小説や映像作品についてもちょこちょこと。

漂流ネットカフェ

漂流ネットカフェ コミック 全7巻完結セット (アクションコミックス)

・タイトル

漂流ネットカフェ

・本の概要

妊娠中の妻と些細なことで喧嘩した平凡なサラリーマンが主人公。
仕事帰り、気まずさもあり、そのまま家路につく気にもなれず、突然見舞われた豪雨も重なり、ネットカフェで雨宿りをすることに。
そこで偶然にも中学時代の同級生で初恋の相手との再会を果たします。
不思議な縁を感じる中、突如停電に見舞われる。
外の道に出る為の道は浸水で塞がれていた為、ネットカフェに泊まることに。
翌日、外に出てみると、目の前に広がったのは辺り一面が湿原と化した別世界だった……

・著者情報

押見修造(おしみ しゅうぞう)

1981年生まれ
群馬県桐生市

職業 漫画家
活動期間 2002年~
ジャンル 少年漫画 、青年漫画

代表作
『漂流ネットカフェ』
惡の華

受賞歴
ちばてつや賞ヤング部門優秀新人賞受賞(2002年)

中学1年生の時、父親にルドンの絵や萩原朔太郎の詩などを教えられ、『ドグラ・マグラ』や『ガロ』を愛読していた。
漫画を描き始めたのは大学に入学してから。

中学2年生の頃より吃音を患っており、吃音を題材とした作品『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』を発表している。
同作品の単行本あとがきに、吃音が故に普段より人の表情や仕草から感情を読み取る能力が発達し、これが漫画の登場人物の表情を描く時に生かせているのかも知れないといい、また吃音のせいで言いたいことが言えなかったという心に封じ込められていたことを、漫画という形で爆発させることができた、自身が吃音でなければ漫画家にはなれなかったかも知れないという旨のコメントを記している。

・点数 68点

ストーリー☆☆☆
画力☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆
設定☆☆☆☆
没入感☆☆☆

・感想
最後まで読んだ上でのストーリーの感想は、ほーっ、って感じでした。
分かりやすいとは思わないし、そこまで奥深いとも思わない。
誰かの気持ちに寄り添いたいとは思わない。
作品の意味とか作者の意図的なものは最終巻のあとがきで明かれるのですが、そこまで読んで「なるほど」って思える感じで、一定のメッセージ性はあるんだと感じました。
あと、読みながら、これは映像映えするわーって思いました。
既にドラマ化してるのであれですが、再度リメイクしても面白いかも。

あっさり感ともっさり感、無駄に力の入ったエロ描写…を総合的に判断して、中間点かなぁ~って感じでした。

純粋に嫌いなキャラクターが多いんですけど(笑) ただ、この辺は、多分、好かれるように書いてないと思うので、織り込み済みだと思われます。
そして、一応書きましたが、そもそもこの項目はキャラクターに対する個人的な好き嫌いと評価は無関係なので、嫌いだけど、それで評価を下げたとかはないことは強調したいと思います。
好き嫌いは置いといて、キャラクターが持つ役割、果たす役割が強いです。
恐らく、多くの読者を不快にさせるキャラクターの役割が特に大きく、それは最後の作者コメントまで読んだら分かります。
そこまで待てない!という気の早い方はこのブログの後述部分で何となく察してから読んでもいいかもしれません。

設定に関しては練り込まれた深さや面白さというよりは、作者である押見さんの伝えたいメッセージや想いをひたすら一方的にぶつけてくるエゴイズムの強い作品と言える作品だと捉えています。
作品・キャラクター・台詞を表面的にしか捉えられない人には向いてない作品とも言えます。

正確には没入感は☆2.5相当です。
正直に言えば、読んでる最中はいまいち集中出来なかったので普通に言えば2なんですけど、全部読み終わったら一定の満足感はありました。
なので、もし読み始めたらムカついても最後まで読んでもらいたいですかね。
どうしてもダメで、途中リタイアするのもそれはそれで自由なんですが、最後まで読まずに作品や描いた作者への批判は絶対にやめてほしいです。
そこら辺についても後述で少し書きます。


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いてます。



単純に面白いかどうかで言えば可もなく不可もなくでした。
おすすめ度で言えば3段階評価の真ん中です。条件付きおすすめ作品。
単巻単話を楽しみつつ感情を揺さぶられない人に読んでもらいたい作品です。

こういう言い方や見方はよくないとは思いますが、障害を持たれてる方にとっての世界の疑似的な反映もされてたと思うのですよ……
と言うのも、最後の作者コメントから察するに作者さん自身のトラウマになっていた過去の恋愛(トラウマ)と向き合う為の半自叙伝とも捉えられる作品に感じたので批判するにしても、作品全体を見て作品の本質を見極めてからにしてほしいかなぁ~と思いました。

また、1人(遠野)に拘るあまりコミュ障と化した上に能力が平凡なサラリーマンそのものな主人公土岐くんや、正義感は強そうで凛とした態度は取るけど肝心なところは「土岐くん……」な遠野さんや、暴力と恐怖でしか人との関係性を保てなかった寺沢さん、その他諸々のキャラクターがその都度ヘイトを溜めてくるのである種、要注意です。

読み終わった時に誰一人好きなキャラクターはいませんでしたが、感情移入し過ぎずに俯瞰で見れば別にそういうキャラ推し作品ではないので欠点とも言えないかな、とは思います。

そして実はこの作品、昔ドラマを見たことがありました。
内容は全く覚えてなかったので初見感覚で単巻レビューしましたけどね!
何故だかは分かりませんが、漠然と伊藤淳史さんということだけ覚えてました。
松田さんがムッキー(北条さん)だから見たのかもしれませんが、如何せん役が役だけに記憶から切り離されてたのかもしれませんね(笑)

話を戻します。
作中で真相を掴む為に役に立つオカルティックオフ会のメンバーがいるんですけど、彼が自称オカルティックリアリストというパワーワードで攻めてくるんですね、要はオカルト趣味だけど現実主義っていう。
いや、実際いるとは思います。
オカルト好きが集まるオフ会に参加して変な呪文唱えてる時はリアリストとしてはどんな気分なのか是非聞いてみたいところ。
嫌味や皮肉ではなく、純粋な興味本意で聞いてみたいです!

総括すると、必要なのは理解力と想像力かな?って思います。
結構心理描写は上手かったというか芯に迫るものがありました。


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