神黎の図書館

漫画・小説・映画・アニメ・ドラマを主観によるグラフ+点数+批評+感想を綴り、作品の評価をあらゆる形で視覚化したブログです。有名な作品から掘り出し物的な作品まで生涯の内になるべく多くの作品に触れて伝えていけたら本望です。

センゴク

センゴク全15巻 完結セット (ヤングマガジンコミックス)

・タイトル

センゴク

・本の概要

時は戦国時代。美濃(みの)・斉藤家の家臣、仙石権兵衛秀久(せんごくごんべえひでひさ)=センゴクは、落城寸前の稲葉山城にいた。
敵は覇王・織田上総介信長(おだかずさのすけのぶなが)!!
強大な敵に茫然自失となるが、幼なじみ・侍女のお蝶との約束を守るために、織田軍団に囲まれた城から脱出を試みるセンゴク
果たして生き残れることができるのか!?

・著者情報

宮下英樹(みやした ひでき)

1976年生まれ
出身地 石川県七尾市

職業 漫画家
活動期間 2001年5月~
ジャンル 格闘技/歴史
受賞歴
第44回ちばてつや賞大賞

富山大学在学中よりコミック誌への投稿を始め、途中で編集者から少年誌から青年誌への投稿を勧められる。
月刊ヤングサンデーなど幾つかの雑誌での入賞を経て、出版社より漫画アシスタントの仕事を紹介されたのを機に上京。
竹下けんじろうの元でアシスタント業を行いながら投稿を続けた。
2001年5月、「第44回ちばてつや賞大賞」を受賞し、『週刊ヤングマガジン』に掲載の「春の手紙」でデビュー。

影響を受けた作品は樋口一葉の『たけくらべ

・点数 96点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆

・感想
歴史が好きな人なら是非読んでほしい漫画の1つであり、何なら大河ドラマの題材に推したいぐらいの作品です。
日本の歴史、戦国時代の逸話を新訳を積極的に取り入れて構築されたストーリーは奥深くて魅力的です。
読めば戦国時代の蘊蓄知識がめちゃくちゃ増えて社会科の先生に一目置かれるかも?

僕の言語力不足により、具体的にも抽象的にも伝えられないのが心苦しいのですが、個人的には自分が一般兵として仙石さんと共に近くで戦国武将の人生に触れてるように思える、そんな作品、そういう画力の作品です。
第一部は特に、若くて勢いのある権兵衛の血気盛んでコロコロ変わる表情と成長の表現を画からも感じられて素晴らしかったです。
センゴク」という作品における市

キャラクター面の魅力はネタバレにもなるので詳しくは下記で…なのですが、主人公の権兵衛こと仙石さんもですが、信長公の寵愛を受ける小姓として横にいるのが『堀久政』という人物だったり、渋く光るほうの魅力があります。
戦国武将って…戦国大名って格好いいなって。

歴史に疎い人にとっても丁寧に分かりやすく、知識がそれなりの人には新たな出会いを。
そして、歴史の新訳:新解釈を積極的に取り入れるスタイルで描かれるので、新たな発見もあるかもしれません。
とはいえ、第一部の連載は2004年~2007年なので、そこら辺はご愛嬌ということでm(__)m

面白っ!、どうなる⁉️、興味深い、勉強になる、タメになる等々の連続でした。
シリーズもので通しで考えたら結構長いので、絶対に見て欲しい!とは言えませんが、歴史が好きな方、戦国時代が好きな方には楽しめる内容であると感じました。
興味がある方は是非!


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。



主人公は新訳の戦国時代の歴史を描くにはもってこいとも言える織田・豊臣・徳川の三英傑に仕えた戦国時代の世渡り人、仙石権兵衛(仙石秀久)です。

物語は、桶狭間の戦いの7年後、斉藤龍興が総攻撃される辺りからスタートします。

みっともなくてもなくても無様でも不恰好でも、足掻いてもがいて生き残れば勝ち。
そういう泥臭い格好良さとしぶとい強さの大切さを教えてくれる作品でもあります。

そして、織田・豊臣(羽柴)、徳川の三英傑、比較的有名な明智以外の武将の考え方や生き様を敵味方問わず丁寧に描いてくれるので、学ぶべきところも多かったです。

斉藤龍興さんは一見、女好きのパワハラ上司に思えても、女性を立てて女性の安全を第一に考えてたりします。
主君と女がいればお家は立て直せるというのも一理はある……というより、戦国時代の大名というのは一国の王なので、むしろ正しかったかもしれません。
トップが倒れたら総崩れなのは現代社会、企業においても言えることなので、上手く置き換えながら考えるとタメになるかも?

そして、忠義に厚く、義兄を心から慕っていたはずの浅井長政さんが何故、何を思い、裏切りに至ったのか?
色々な作品を見てきましたが、個人的にはこの解釈が最も納得出来ました。




信長公の御言葉から学ぶ教訓

男を腑抜けにするのは女、奮い立たせるのも女

これは名言。格言。

自分が最善の努力をしただけでは役に立ったとは言わない。仕事をした気になっているだけ。そういうのは頑張ったとは言わない。

これは厳しい御言葉であり、多くの人にダメージを与えるかもしれません。
が、個人的にはこれを言ってくれる上司や社長がいる会社は信用できる気がします。
これに通ずることですが、作中の中で、自身が生き抜くことと、部下を守りながら生き抜くことは全くの別物であり、やり方も異なることも学べます。
それは信長さんの言葉ではないものの、合わせて考えると現代にも応用出来るかと思われます。


家康くんの名言

相手を信じるのではなく、そこに張った自分を信じる

三河時代の、不良感のある徳川家康さんらしい御言葉でした。
言ってしまえば、「アニキの信じた俺を信じる!」のシモンの逆ですよね、これはこれで格好いい。


・まとめ
センゴク』という作品は同シリーズの1作目となる作品です。
仙石権兵衛が戦の末に織田家・木下隊に配属され、元の主君である斉藤龍興と対峙する、それに伴い、最愛の人であり、幼馴染みの女の子と敵対関係になるある種のロミジュリ展開になる場面での心情や葛藤にも注目!
基本的には織田、斉藤周りの戦い、浅井の心情を中心に、武田や本願寺の動きと恐ろしさをチョロっと読者に植え付けるのが1st seasonのセンゴクです。

多くのものを失いながらも希望を抱いて明日に向かって進む仙石さんを見届けながら、第1部、堂々完結!って感じでした。

この作品を読むと好きな武将は間違いなく増えると思います。


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