・タイトル
心が叫びたがってるんだ。
・本の概要
『あの花』に続く青春群像劇!!
映画『心が叫びたがってるんだ。』のコミカライズ作品!!
劇場版アニメでも描かれていない前日譚から始まる、感動ストーリー。
・著者情報
原作 超平和バスターズ 作画 阿久井真
長井龍雪・岡田麿里・田中将賀のによるアニメーション制作チーム。
フジテレビ系列で放送されたテレビアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を制作したチームの一員であり、同作品の劇中に登場したチームの名前をそのまま原作者名として使っている。
アニメーション映画『心が叫びたがってるんだ。』の製作に際してこの3人が再集結したことから、この名前が再び原作者名として使われた。
2019年公開のアニメーション映画『空の青さを知る人よ』で3度目の原作となった。
尚、この3人がメインスタッフとして組んだ最初の作品は、2008年のテレビアニメ『とらドラ!』。
この作品に集まったのは、監督の長井がキャラクターデザインとして田中を呼び岡田はプロデューサーに紹介されたという経緯だったが、それぞれがともに仕事をしたことに手応えと楽しさを感じ、再び組むことを望んだ岡田が『あの花』の企画書を提出した際に長井と田中に声をかけたと、3人の対談で語られた。「超平和バスターズ」という名称について、3人で別に考えたチーム名があったものの、それが使われることはなく、「いつの間にか」そのように呼ばれるようになった(メンバー談)。
阿久井真
阿久井真(あくい まこと)
職業 漫画家
ジャンル 少年漫画
代表作
『青のオーケストラ』
受賞
第66回新人コミック大賞少年部門佳作
(『RUSH』)2013年、『裏サンデー』にて、「猛禽ちゃん」で連載デビュー。
「心が叫びたがってるんだ。」のコミカライズを『裏サンデー』で2015年から2016年にかけて連載。
2017年より『マンガワン』・『裏サンデー』で『青のオーケストラ』を連載。
点数 100点
ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆
・感想
タイトルの意味も十分読み解ける内容且つやや重いテーマでありながらも奥深いというか、コミカルなミュージカルの中に深みがあるから奥深いのか……そんな感じです。
アニメーション映画に負けないものを作るとなると派手さに目を配りがちですが、表情の変化と独特の泥臭さを再現した見事なコミカライズでした。
読みやすいのも高評価の理由です。
1人の視点からではなく、4人の視点で描かれるので、キャラクターの深掘りがきちんとされていて、役割と魅力は2割~3割増に感じました。体感的には倍プッシュ?
冒頭に主人公格4人の事情をしっかりと描いた前日譚があったり、各話のエピソードタイトルがキャラクターのフルネームになっていて、映画と比べると群像劇感が増しています。
例えば推しキャラがいて、推しキャラが辛そうにしてたら見てるこっちも辛い。
攻撃的なキャラクターに対して攻撃的になったり、成長に対して穏やかになったり、結構感情を揺さぶられるポテンシャルを秘めた作品と言えます。
以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ここからは本編紹介。
この作品は、4人の高校生の青くて苦くてそれでいて美しい青春群像劇です。
主要キャラクターは高校2年生のクラスメート達。
クラスメートという以外は何の縁もない(一部を除く)4人が担任教師により半強制的に地域行事でもある「地域ふれあい交流会」の実行委員に指名された彼らは困惑し、反発をする。
しかし、彼ら4人はそれぞれ、心に何かしらの問題を抱えていて、ふれ交の出し物であるミュージカルを通して彼らは大きく成長していく……。
ネタバレなしで大筋を書くならこんな感じです。
以下、主要キャラクター4人それぞれをピックアップしながら心の問題を含めてキャラクター紹介をするので、多少のネタバレが含まれます。
あらかじめご了承下さい。
坂上拓実の場合
CV内山昂輝さんの声質にピッタリなクールで物静かでどこか冷めた性格の少年。
DTM研究部に所属し、自宅にピアノがあり、父親の影響で音楽に詳しく、扱うことも可能であり、物語のキーパーソン。
抱える心の問題は、自身の教育方針の為に両親の喧嘩が絶えず、対立して離婚の要因を作ってしまったこと。
その余波でピアノには触れないようにしていた。
また、それらは全て拓実が中学生時代に起こった出来事であり、同時期にあることでもクラスメートの話題の中心にされてしまい、結果的に他人に心を開かない今の性格に落ち着く原因になった。
成瀬順の場合
アニメーション映画版の主人公。
コミカライズ版でも基本的にはこの子視点で物語が進みます。
髪型はボブカット。
幼少期は夢見るお喋りな明るい女の子。
しかし、お喋りな自分の言葉が原因で両親が離婚し、その際に親に言われた言葉もあり、呪いのように喋ると腹痛に襲われる。
ただし、感情は失っておらず、身振り手振りと表情の変化(顔に出やすい)で考えてることは大体分かる。
また、携帯で文字を打つ速度が速いので、コミュニケーションにも困らない。
変な子扱いはされているものの、いじめられてはいない。
むしろ、事情がある子としてあまり関わらないように気を遣われてる節があるぐらい。
ミュージカルを通して、歌でなら声を発することが可能と気付き、自分の伝えたい気持ちを物語に込めた。
声の可愛さと歌の上手さは水瀬いのりちゃんが証明している通りの基本設定のようでした。
仁藤菜月の場合
チアリーダー部の部長兼クラスの女子の中心的存在。
優等生ではあるが、体裁を守る為に傷付けてしまった過去のこともあり、一歩が踏み出せない。
面倒見のいい反面、嫉妬で全てを滅茶苦茶にしかけた張本人。
ちょっと役割が可哀想なんだけど、この子のおかげで物語に現実味が増して、共感力を生んでいると思うので、地味に大事。
田崎大樹の場合
野球部の元エース。
部内、学校は勿論のこと、OBを含んだ地域が期待する程の超高校級ピッチャーであり、出場が決まる前から後援会やら壮行会やらで盛り上がる勢い……だったにも関わらず、利き腕の肘を痛めて結局は地区止まり。
本人も部の空気も最悪な荒れたスタートを切る。
実行委員に指名されたメンバーで唯一初回の集まりをボイコット。
ボイコットの末、決まった内容に文句を言い、成瀬さんのコンプレックスを突いた為に拓実の怒りを買い、教室内で言い争いになる。
我が儘で傲慢な態度に見えて、自分の非は認めて頭を下げたり、スジを通したがるなど、実直な性格。
・まとめ
きっかけは偶然でも、全く異なる趣味嗜好・悩みや葛藤を持つ4人が交錯することによって生まれた化学反応はそれぞれを大きく成長させ、前を向き、一歩踏み出す若者たちの姿を描いた真の青春群像劇だと思います。
恋の甘酸っぱさだけではない、青さ故のドロドロした醜い部分も晒け出してこその青春。
こういう青春も儚くて美しい。
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