神黎の図書館

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宇宙を駆けるよだか

宇宙を駆けるよだか コミック 全3巻完結セット (マーガレットコミックス)

・タイトル

宇宙を駆けるよだか

・本の概要

かわいくて素直な性格のあゆみは大好きな人と恋人どうしになったばかり。
だが、初デートに向かう途中で同じクラスの然子の自殺を目撃し、意識を失ってしまう。
目が覚めると、あゆみは酷い容姿の然子と身体が入れ替わっていて…。
容姿も性格もまったく違うふたりの運命が、奇妙にねじれながら交錯していく――。

・著者情報

川端志季(かわばた しき)

出身地 東京都
誕生日 7月2日
職業 漫画家
活動期間 2012年~
ジャンル 少女漫画
代表作『宇宙を駆けるよだか

『08:05の変顔さん』でデビュー。
宇宙を駆けるよだか』が、宝島社が主催する「このマンガがすごい!2016」オンナ編5位にランクイン。

点数 100点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆

・感想
ちゃんと読めば分かる。そして、一貫し、奥深くもあるテーマから得られる学びも多い作品でした。
ポイントは、「ちゃんと読めるか」です。読みながら自分の意見をぶつけまくる人には向いていないかもしれません。

絵柄が個人的な好みということもありますが、「どういう状態になっても」キャラクターの感情がダイレクトに伝わるところがこの作品、作者さんの凄いところです。
見た目と中身はある程度リンクするというのが分かるのも画力の成せる業だと感じました。
個人的には今作最大の脱帽ポイントでした。

キャラクターの役割は、作品のテーマ・作風に対して非常に大事なポイントでした。
それを踏まえた上で考えると、この項目は満点以外はあり得ない。
そう言い切れる程にそれぞれのキャラクターが各々の役割を全うし、魅力がありました。
少数精鋭で回してたのも影響していたかもしれません。
勿論、個性や魅力も十分でした!

徐々に明かされていく作品なので、最初から分かりやすい訳ではないので、とっかかりの部分が最大の難問かもしれません。
が、緻密な設定とそれぞれの想い、納得させる力など、設定・世界観の上で優れた点は多かったです。

僕の場合は、初手から引き込まれました。
「え、どうなっちゃうの⁉️」から「なるほど~」と思わせる力に優れた作品だと僕は感じました。
読み終わりの多幸感も凄まじかったので、こちらも文句無しの満点評価です!


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。



概要に結構重要なネタバレ書いてんじゃん!って思うかもしれませんが、試し読みでも読める冒頭の冒頭の内容ですし、公式の概要でもあるので悪しからず。

そんな訳で、あゆみちゃんと海根(然子)さんの入れ替わりは前提条件として明かしながら書いていきます。

1話の(概要に書いてある)展開は、衝撃的とも言えますし、漫画やドラマの世界では珍しくないとも言えます。
が、入れ替わり方はちょっとホラーかもしれません。
概要からなんとなく察しはつくとは思いますが。

そして、入れ替わる2人は仲が良かったという訳では全くなく、ただのクラスメートです。

まあ、誠に身勝手な動機というやつではあります。

そんな訳なので、僕の知る限り、統計云百人程の読者の内99.99999%ぐらいで嫌われてるのが海根然子です。

僕は第一印象で嫌いと思わなかったせいか、基本的には海根さんの気持ちに寄り添う形で作品を読み進めました。

あゆみちゃんや周りにとっては災難でしかないし、やったことが簡単に許されることではないのはそうなんだけど、海根さんと入れ替わったことによってあゆみちゃんはかなり成長したし、必ずしも悪いことではなかったと僕は思っています。
多分、あゆみちゃん自身も。

自分の姿では気付き得なかった本当の世界ってやつに気付けたのは大きいと思います。

ヒーロー役の男の子2人はただのイケメンと心と考え方がイケメンというあゆみちゃんを含めて俗に言うクラスの1軍メンツというやつです。

ネタバレになるので大きくは触れませんが、入れ替わった当人達を除く貴重な入れ替わりを知る子達です。

2人はあゆみちゃんのツレなので途中で各々気付いて物語を動かすキーパーソンになります。

入れ替わりの理由を探り、元に戻る方法を探す一方で裏切りや謀略が渦巻く展開にハラハラし、ページを読み進める指は自然と捗りました。

あえて攻めた言い方をしますが、海根さんは写し鏡の要素があるので、彼女をどう思うかは読者それぞれの辿った人生経験や人間性によって変わるものだと思います。

この作品の魅力はストーリーや構成だけではなく、ハイテンポで読みやすいところにもあります。
惹き付ける要素を入れつつ、無駄を省いて中弛みのないコンパクトな造りは普段から漫画を読む人にも、そうでない人にも読みやすい造りの作品だと思います。

そして、もうひとつの魅力は画力(えぢから)にあると思っています。
キャラクターの感情がダイレクトに伝わる生きた画なので、それも相まって読みやすさは抜群でした。

・まとめ
読み終わりのスッキリ感も良く、楽しめて考えさせられて人生的な意味で勉強にもなる作品でした。

巻数も全3巻と手軽に手頃に読めるので、興味のある方は是非!

NetflixジャニーズWESTの重岡くんと神山くんがW主演したドラマの原作でもあります。


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