神黎の図書館

主観によるグラフ+点数+感想を綴る読書感想文風書評ブログです。月間で読む漫画は150冊~200冊。小説や映像作品についてもちょこちょこと。

王様ゲーム 起源

王様ゲーム 起源 (双葉文庫)

・タイトル

王様ゲーム 起源

・本の概要
最初の悲劇の32年前、ある夏の朝、中国地方の寒村・夜鳴村で、黒い封筒が見付かった。
そこには、「王様」からの命令が書かれていた。
命令に従わない者には「首吊りの罰」。
最初は誰も本気にしなかったが、翌朝、命令に従わなかった2人の首吊り死体が見付かった――
大人気サバイバルホラー作品の6作目!!
全てはここから始まった……。

・著者情報

金沢伸明(ぱっくんちょ)

1982年 広島市呉市出身の小説家です。
大学を卒業後、IT企業に勤める傍ら、趣味として、モバゲータウンにてぱっくんちょのクリエイター名で携帯小説王様ゲーム』を執筆します(会社を立ち上げた時期と作品の投稿時期が同時期だった為、二足のわらじ状態だったようです)。

この著者の作品は王様ゲームだけですが、シリーズとして全12巻が双葉社から出版されています。

また、この作品は複数人の作家によりコミカライズされ、実写化、アニメ化などされています。

今回取り扱うのはこの中の双葉社により書籍化されている『文庫版の小説』になります。(第1作目です)

・点数 -8点

表現力☆☆☆
深み☆☆
芸術性★★★
ストーリー性☆
読みやすさ★★★★★

・感想
まず始めに、概要は概要なんで、そのまま書きましたが、大人気というのは疑問が残りますよね。
確かに、1作目は当時めちゃくちゃ人気ありました。
ソシャゲ化、実写化、時を越えて2作目と合併アニメ化等々。

ただ、シリーズとして好きな人がどれだけいるんだ?って疑問はありますよね、6作目にして突っ込んでみました。

2013、14年時点の僕は「え?王様ゲームってまだ終わってないの?長くない?」って思うでしょうね、おそらく。

ここからは本編の感想になります。

本多奈津子再び!
といっても、夜鳴村のほうの奈津子さんですが。

起源のタイトル通り、王様ゲームの始まり、最初の王様ゲームを描いた作品ですね、所謂エピソード0ってやつです。

1作目、2作目のヒロインの父親である本多一成・本多奈津子の甘酸っぱい恋愛模様で始まったのかと思いきや、開幕早々に奈津子さんは闇落ち寸前な思想な気がします。

それにしてもあれですね、ルールの上では全然合法なのに、いとことの恋愛って微妙な背徳感あるもんなんですかね?
自分には到底想像出来ないから分からないけど…。

奈津子の先祖は呪術師⁉️昨今話題の呪術師……←全くの別物

前作(連作)の滅亡で、参加者こそ高校生であれ、日本全体を巻き込んだ王様ゲームでしたが、そもそもの発端の王様ゲームでは閉鎖的な村を舞台に、住人全員…つまり、年齢に関係なく王様ゲームに強制参加させられてた。
という事実を思い出しました。
過去作でも示唆されてたけど、すっかり忘れてましたね、あんまり重要視してなかったかも。

王様ゲーム1日目で信じなかったり、遊び半分面白半分の軽い気持ちで王様の命令だから!って言う悪ガキが現れるのはいつものことですが、1日目から10代は死体に触れるっていう命令はキツいっていうか飛んでるね、どっちも地獄じゃねぇか。

命令2に関しての対応については、よくやったと思うけど、犠牲者を出さない為の対応としては50点ですよね、万が一に備えて多めに確保しておかないと……そういうところが高校生ですね。
ただ、高校生数名で村人の大半の命を救ったのだから十分偉いんだけどね?

こういうの見ると、馬鹿げてるとか有り得ないって一蹴してしまう大人のほうが危機意識低いのかなぁ~って思います。

村人全員を救いたいと願いつつ、犠牲者が出ることとその人数を察した一成が、自分にとって大切な人の生存を確認してホッとするのはリアルだなって思いました。

警察官は人を疑うのが仕事ってよく言いますからね、そういう態度も致し方ないと思ってます。

歴代主人公の中で唯一好きかもしれない可能性があった一成ですが、やはりイラつかされる場面は来ました。
これは宿命かもしれんな。

指名したらその人が死ぬ。指名しなければ村人全員が死ぬ。
この局面で、最後まで決められないのは分かる。
命の取捨選択はそんな簡単には決められないと思うし、親戚感覚なら尚更だと思います。

が、結果に対して、
「俺が殺した」はむしろ烏滸がましいでしょ。
って思います。
一成のやり方じゃどっちにしろ村人全員死ぬ道しかなかったと思うし。
残り5分でうだうだしてた時点で一成は村人全員殺しかけたわけだし、この場合は必要悪に徹するのがみんなの為な気がします。

まあ、口で言うのは簡単なので、これに関して、一成を責めることなんて本来はしちゃいけないことなんですけどね。
そういう性格だから過去シリーズでああいう選択をしたんだろうなっていう合点はいきました。

王様からの命令で最もエグくて死人が大量に出る「不要なことを犯すな」ですが、今回はしちゃいけないことが子供が考えそうな内容ですね。

「本多」が王様の時にしかこの命令出なくない?ってちょっと思ったり。

ちなみにですが、この作品は過去の物語ですし、生き残る人物と初代王様、夜鳴村で最後に起こった顛末については過去作で明かされてますので、一応、過去に明かされてる部分まではネタバレにならないと思って書いてます。
この作品から読みたい人には申し訳ないですが。

幼き頃からの知人が短期間で大勢死ぬという異常事態に平然としていられる人間はそうそういないと思う。
それが疑心暗鬼に繋がる可能性が高いから怖いんですよね、普段冷静な人ほど壊れると……だから生きてる人間が一番怖いってのはそういうところにも起因するのかなって思ったり。

命令は相変わらず残酷で、とても人間が考えるものとは思えないけど、それでもやるしかないのはここまでで重々承知しているはずなのに文句言うのは違う気がする。

そりゃあ、亡くなっているとはいえ、身内の死体の首を切り落としてその生首を晒すなんてやりたい子供も孫もいないけど、それなら自分が死ぬか生存者の命を奪って生首捧げんの?ってところまで考えて発言してほしいですよね、冷酷なこと言ってるのは分かりますが。

少なくとも命令1で墓荒らし同然の行為をした一成が言っていいことではない。
覚悟もないのに発言するのはどうかと思います。
文句を言うなら代案を考えてからですね、あるのなら別です。

解剖に関してもそうですね、9歳の子に……の指摘は全うかもしれませんが、身内の許可が出てる解剖を身内同然なだけで実際は外野のお前がごちゃごちゃ言ってんなよ…とは思いました。

一成の行動と発言って、王様ゲームを解決させようとか犠牲者を1人でも減らそうって考え方、対策から程遠い子供の遠吠えですよね。

やはり、この作品(シリーズ)の主人公とは相容れない気がします。
だって矛盾してますもん。

宮澤さん……あ、宮澤さんってあの??
なるほど、さすがは「起源」ですね。

反感覚悟であえて言わせてもらうけど、「どんなことがあっても守り抜く」なんて、覚悟のないお前が軽々しく思うな。
って言いたいですね、「どんなことをしてでも守り抜く」ではないところが嫌いです。
守りたいのは大切な人なのか、自分の中のモラルなのかどっちだよ?っていうね。

家族の死を無駄にしない為にはやるしかない。
そう考えられないのか?って思う反面、そんな割り切った考え方出来る年齢でもないか。
とも思う。

結局のところ、一成くんは生きたいの?死にたいの?誰を守りたいの?
これに尽きますよね。
もう生きてたくない、誰かを犠牲にしてまで生き延びたくないって思ってるとか、
人の心を失うぐらいなら死を選ぶ……ぐらいの覚悟があるなら、一成の行動でも全然いいと思うけど、コイツの場合は……っていうね。

自分…自分達も復讐対象なんだと自覚してなかったってことが一成の最大のミスですね、客観的には予想の範囲内だけど、ノーマークでノーガードだからそりゃあ追い込まれるわ。

感情論でごちゃごちゃ喚いて周りの意見を無視したスタンドプレーは見るに耐えんな……足手まといにも程がある。というか保護対象兼監視対象が勝手に動き回ると捜索の邪魔でしょ。
頭に血が上ってるから分からんのだろうがね。

そこまでやると、逆に一成は心とは裏腹に奈津子を疑ってるんだろうなって感じます。
信じたいから探す的な?そんな感じです。

村人の態度に一成のイライラは募るばかりだった……はブーメランだと思う。
現状、最も王様の可能性がある奴をわざわざ探して止まっている王様ゲームを動かす可能性・危険性があるのは一成のほうだからね。
自分の事しか考えてないのもブーメランだからな。

それでも信じてて、探したいなら、「仮に奈津子が王様だったら俺は死ぬ!」ぐらいの意気込みで説得しないと、感情論だけの疎ましい存在でしかないよね。
ページ半分程残ってるけど、コイツの思考中心で進むなら読むのやめたいって思ってますもん。
あ、これは僕の話。

警察も医者も学者も無能とか言ってる奴等を助ける義理あるの?って思うけど、少なくとも原因究明は義務として、耐えなきゃだよね、お偉いさん側は。

ウイルスは人から人へ感染した時に構造体を変化させる場合がある。
この事実を軽視した、もしくは知らなかった人類は窮地の危機に立たされる。
これは現実に起こりましたね、◯◯型とか言ってるからダメなんだと思いますけどね。

とっくに崩れ去ってる偽善者魂を未だに振りかざしてる一成はクソウザいね。
一成よりは悪いことと知りながらも生き残る為に悪に手を染めるミチ子のほうが好感持てるわ。
ミチ子も嫌いですけどね。

奈津子は生きてる!王様でもない!俺も違う!
って言い張るのは簡単だけど、この時点で一番状況を理解してないのは一成だろうね。
まあ、現実逃避ばかりで理解する気もないんだろうけど。

一成を含めた3人がそれぞれ村人の中から2人殺すことが命令8であり、またも必ず誰かが、しかも複数が確実に死ぬ命令がやってきた。

王様の正体が分かり、村人は閉鎖された村に隔離されているから絶望的……
という状況は置いといて、指名されながらも誰も殺したくないと言えるのは立派だろう。
それは自分が死ぬことを意味しているのだから。

でもな?一成、生きることを諦めたという表現に反して、残りの2人に対して「自分を殺せ」と言えない時点で君も結局は狩る側ってことなんだよ。

だって、他の2人がそれぞれ1人を殺害した現場に居合わせ、一成はどちらとも会話をしているのにその提案はしなかっただろ?
既に1人手にかけてしまった人は止まれない。
なら、自分の命を差し出せば1人助かるんじゃないの?
どちらにせよ命を諦めてるならそうすべきだよね、偽善者クン。

狩る側のルールに共食いは禁止ってあるけど、そもそも勝手にルール決められて憤ってた一成クンはルール守る義理ないでしょ?
だからさ、君は言葉や行動とは裏腹に生きることを諦めてないんだと思うんだ。
その矛盾が見ててイライラする。

まあ、僕がここまで当たり強いのは彼が最終的に生き残るの分かってるからでしょうね、そういう意味ではこの起源は失敗だと思ってます。

これは一成に限らずだけど、警察を役立たず呼ばわりしたわりにすがる発想はキモいなって思います。
慈善事業ではないからな?

あと、ミチ子ちゃんね、この子はヤンデレに属するだろうけど、ビビっと来ないから描き方が下手なのか、それ以外の問題なのか……そんな感じッスね、はい。

堂島さんは嫌いじゃないし、立場に同情するし、応援してたけど、好きって程ではない。
今までのシリーズは主人公にイラつきながらも、誰かしらお気に入りのキャラクターがいたけど、今回は見付からず……正直、読む手は止まりました。
読みたくない、読むのやめたいって何度も思いました。

は?この期に及んで何言ってんの?ほんとイラつくわぁ~
コイツ頭悪すぎない?後薄っぺらい。
信明、智久を越える気持ち悪さですね。

薄っぺらい上に浅知恵の単細胞だから罰=死って思うんだろうね、自らを窮地に追い込んで潰し合うことで進化しようとしたウイルスがそんな甘いこと許すわけないだろ。
死ぬより辛い地獄なんかいくらでもあるんだから普通にそっちの可能性が高いでしょ。

王様ゲームが時を越えて復活したのも、対策が後手後手なのも半分ぐらい一成のせいじゃない?
貴重な王様サンプルに何してくれてんの?っていうのが偉い人達の本音だろうなぁ~
まあ、これが一成でさえなければ、心情は察して目を瞑るけど、一成だから許さない。
だってコイツ、本物のクズだし。

起源らしく、終章で1作目の序章に繋がりますね、元気な智恵美ちゃんは本当に久しぶりだ。

そんなわけで、読み終わりました。
イライラし過ぎて疲れました。

どうしても時系列順に読みたいもしくは王様ゲームシリーズ全作読みたい以外の理由で読む意味があるかは疑問です。

起源なんて大袈裟に言ってるけど、過去に明かされた部分をクローズアップして引き延ばしただけに過ぎず、肝心な部分は数行しかないので。
300ページ以上あるのに数行って逆に凄いですね。

王様ゲームは中弛みが酷いとは聞いてましたが、ここまでとはね(笑)

わりと辛辣な意見ばかり書きましたが、それでも興味ある場合は読んでみるといいかもね?ぐらいしか言えません。

僕は一成のことを心底気持ち悪いと想っているし、軽蔑してますが、一応モテる設定ですので、刺さる人には刺さるのかもしれません。
もしくは僕が歪みすぎて気持ち悪く感じているだけで、一成派のほうが多いのかもしれません。

「本多一成のこと、正直どう思う?」をテーマに談義出来そうなので、そういうのしてみたい場合は読むのもアリかもですね?

点数はあくまで僕の価値観によるものなので!
感想の中でも何度か書いてしまうぐらい読むのやめたかったし、イライラしたので、個人的には読みにくさ満点という形にさせてもらいました。

僕の感想文を読むと、後半の一成への悪態に対して、前半は好意的なのが比較すると目立つと思います。
これは、歴代主人公の「クラスメート=友達」という気に入らない発想に対して、「全員が同じ村で育った親戚のような関係」という前提条件の違いです。

前提条件は有利でしたが、鍍金剥げたらめちゃくちゃ嫌いなタイプだったって話ですね。

全然関係ないけど、この作品読んでたら無性に人狼ゲーム読みたくなってきました。
村で殺し合いで、最後の1人になっても解放されないって設定から連想したんだと思います。


・まとめ
過去作品を読んでない状態で作品単体の評価だともう少しマシな評価になるとは思いますが、他のシリーズで「王様ゲーム」の特性を知っているなら読む価値はあんまりないかもしれません。
僕の主観で言わせてもらえば、90%ぐらいは時間の無駄だったかなぁ~と思います。

そんな訳なので、続きも購入済みですが、読むのはしばらく開けたいと思います。
創世ってタイトルは惹かれるので、今のマイナスイメージを払拭してから読みたい。


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