・タイトル
ヒカルの碁
・本の概要
ある日小6のヒカルは蔵で古い碁盤を見つける。
その瞬間、碁盤に宿っていた平安時代の天才棋士・藤原佐為の幽霊がヒカルの中に入り込んだ。
佐為の囲碁に対する一途な想いが、徐々にヒカルを囲碁の世界に導いていく……
原作:ほったゆみ、作画:小畑健
ほった ゆみ(本名:堀田 由美(旧姓:太田)
1957年生まれ
出身地 愛知県岡崎市ペンネームの「ほったゆみ」は、夫の堀田清成、妻の堀田由美による、夫婦共同ペンネーム。
代表作の『ヒカルの碁』が初めての原作担当作品。
この作品のヒットにより、囲碁の普及にも大きく貢献したとされ、第33回大倉喜七郎賞等、囲碁界の賞を受賞。『ヒカルの碁』は、基本的なプロットを妻のゆみが、長編化の為の肉付けを夫の清成が担当。
10話以降は、ほぼ夫婦共作。元来、漫画家であることもあって、原作はネーム形式である。
が、絵を描くのが苦痛で、絵が描けないところは描かず、そういうときはセリフのみ書く。1985年 『まんがタイムファミリー』にて漫画家(夫婦共同執筆)デビュー
1987年 小学館ビッグコミック賞佳作入賞
2000年 第45回(平成11年度)小学館漫画賞受賞
2002年 日本棋院から第33回大倉喜七郎賞を授賞
2003年 手塚治虫文化賞 新生賞受賞小畑 健(おばた たけし)
生年月日 1969年2月11日
出身地 新潟県新潟市
職業 漫画家、イラストレーター
活動期間 1985年~
ジャンル 少年漫画
代表作
『ヒカルの碁』
『DEATH NOTE』
『バクマン。』
『プラチナエンド』
受賞歴
第30回手塚賞準入選「500光年の神話」(土方茂名義)
第45回小学館漫画賞、第7回手塚治虫文化賞新生賞『ヒカルの碁』
日本のメディア芸術100選マンガ部門『DEATH NOTE』1985年、「500光年の神話」で手塚賞準入選。
1986年(高校2年)に投稿し佳作入賞した『CYBORGじいちゃんG』で、1989年に連載デビュー。17歳でデビューし、高校生の頃から絵が上手かったとよく編集者から言われていた。
漫画家次原隆二、にわのまことの下でアシスタント経験を積んだ後、『週刊少年ジャンプ』連載のギャグ漫画「CYBORGじいちゃんG」でデビュー。デビュー当時は土方茂(ひじかた しげる)と名義で活動していた。
1991年連載の『魔神冒険譚ランプ・ランプ』より「小畑健」に改名し、以降はほとんどのマンガ作品において「漫画原作者」と組んで活動をしている。漫画業界において非常に高い評価を得ている反面で、「当たり外れの激しい作家」でもあり、コミックス数巻ほどで打ち切りとなった作品も少なくない。
しかし、「3回打ち切りになるとジャンプでは書けなくなる」と言われる週刊少年ジャンプで生き残ってきた伝説の作家。また、非常に筆が速く、週刊連載と並行して様々なイラストを発表している。
2005年にはテレビゲーム『義経紀』のキャラクターデザインを担当。
2006年には『DEATH NOTE』実写映画化に伴い、映画挿入歌のCDジャケットイラストなども手がけている。
2007年に表紙イラストを手がけた太宰治の小説『人間失格』は古典的な作品としては異例の売り上げを記録した。
担当する連載漫画の特徴として、『人形草紙あやつり左近』以降から『BLUE DRAGON ラルΩグラド』に至る全ての作品が、「主人公の少年+非人間」という人物設定を採っていた。
「ヒカルの碁」以降は漫画家やイラストレーターのほかに絵師と呼ばれることが多い。
好きなアニメは『妖獣都市』
好きな映画は『エクソシスト』
話より絵だけ観ているところもあり、ジャンルとしてはロードムービーを好む傾向にある。2000年、美術出版社『Comickers』春号にて、友人である田島昭宇、浅田弘幸と共に「水瓶3(みずがめすりー)」というユニットを結成。
一時期『Comickers』を中心にイラストや短編作品などを制作していた。
ユニット名は、誕生日が近く3人とも水瓶座であることから。
・評価
この作品は同世代(平成初期生まれ)からすれば言わずと知れた不朽の名作だと思います。
この作品は、ただの囲碁漫画に在らず。
囲碁を通して大きく成長していく子供達や、人間と幽霊との絆にも注視した作品です。
この作品の凄いところは、囲碁を全く知らなくても楽しめる作品でありながら、囲碁部→院生→プロ→と進んでいくところにあります。
そして、人間ドラマの部分がとにかく響きます。
個人的に感じた画力の凄さは、柔らかい雰囲気を持つ優しい絵柄から魅せる感情の変化、昂りの表現です。
メイン・サブ共に様々なキャラクターの感情が伝わる画は、まるでキャラクターが生きているように感じるのですごく好みでした。
キャラクターに関しては囲碁部編、院生編、プロ編の全てにおいてサブキャラクターも含めて魅力的なキャラクター満載で、推しキャラ談義をすれば間違いなく盛り上がるクオリティに仕上がっています。
魅せ方も使いも全てにおいて完璧でした。
囲碁を全く知らない素人の小学生男子を主人公にし、平安時代の最強の棋士に取り憑かれ、半強制的に囲碁をさせられるも、やがて自分ものめり込み、最強と最弱の二つの顔を持つ不思議な存在としてプロの世界を目指すことに。
降霊の意味や出会いの奥深さ、サブキャラクターの扱い方など、細部の細部までこだわった設定でもあり、キャラクターが作中で生きているのを実感出来る世界観は素敵です。
読んでる最中は様々な感情が芽生え、キャラクターの成長を見届け、囲碁の世界の日中韓の若手棋士が集う国際戦など、見所満載で尚且つ、一定のハラハラやドキドキが常にあり、心を捕まれ、満足感の高い作品でした。
以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
・感想
作品のメインテーマである囲碁に一切興味はなく、ただ黙って座っていることも煩わしく思う勝ち気且つ落ち着きのないごくごく一般的な小学6年生の少年に囲碁に取り憑かれた亡霊が入り込んだのですから、馬が合うはずもなく…最初は喧嘩ばかりの日々からスタートします。
佐為も佐為で平成の文明に驚いたりはしゃいだりでヒカルの立場から見たらかなりイライラする存在だなぁ~というキャラクター性でした。
そんな中、どうしても碁を打ちたい佐為の為に訪れた碁会所で偶然出会った同い年の少年・塔矢アキラと対局したことで3人の運命は大きく変わり始めます。
おぼつかない手つきで素人丸出しながら名人の父を持ち、自身もプロを目指すべく腕を磨き続ける自分を打ち負かした同世代の相手…気にならないはずがありません。
アキラは当然、ヒカルを意識し、執着します。
一方のヒカルも、囲碁部に入り、下手くそなりに部活を楽しんでいました。
そんな中、プロに最も近い塔矢アキラが中学の部活に電撃参戦するのです。
他の何を犠牲にしても、誰を傷付けても構わないからヒカルと再戦する。
それだけの為にアキラは囲碁部を選びました。
が…アキラを倒したのはあくまでも佐為なので、ヒカルの打ち筋を見て、アキラは幻滅し、怒りを露にします。
ヒカルも真面目に打った結果なのでどっちも可哀想なのですが…こればっかりは仕方ない。
以降、アキラはヒカルを無視して本来あるべき姿、プロへの道を突き進みます。
一方のヒカルはライバル・塔矢アキラに追い付く為に、囲碁のプロ養成機関・院生になることを決意します。
しかし、院生はアマの大会には出られない…ヒカルは結果的に部活の仲間を裏切る形となりました。
ここの人間関係も心苦しくもあり、仕方ないとも思う何とも絶妙なバランスのストーリー構成でした。
院生になった後も下位クラスの順位から始め、地道に力をつけていくヒカル。
プロとして活躍するアキラ。
どんどんヒカル以外の相手と打つ機会を失う佐為。
ここの縮図は変わらないというか埋まらないというか……難しい。佐為は強すぎて目立つから……自分の力を試したい……ヒカルの言うこともごもっとも。
反して、佐為の「それなら自分は何故現世に甦ったのか?」この疑問も強くのし掛かります。
ヒカルがプロになり、誰もが進藤ヒカルと塔矢アキラはライバルだ。しかもそれは進藤ヒカルが院生で燻っている頃から本人達は意識していた。
これを最後まで貫いたのは良かったです。
ヒカルの中に佐為はいる。その事を塔矢にはいつか話す。
それだけの信頼関係を築き、良きライバル、良き友人となった2人を始め、魅力的なキャラクター達の人間関係と成長模様がこの作品の最大の魅力だと思っています。
囲碁のルールが分からなくても楽しめる作品なので、興味がある方は是非、読んでみて下さい!
余談
純粋に漫画を読んでる時、アニメを見た時、双方を最後まで見終わった時は思わなかったのですが、2024年2月現在、大河ドラマ『光る君へ』にハマっているタイミングだと少し気になることがあります。
発端となった平安時代の天才棋士の名前は藤原佐為。
そして、ヒカル。進藤とは元々は藤原姓の方が名乗ったとされるということは、ヒカルは佐為の子孫という可能性もなきにしもあらず?って今更ながら思いました。
ただ思っただけで根拠とかないですが。
子供の頃は平安貴族とか内裏もドロドロしてるなーぐらいにしか思わなかったけど、まさに内裏のドロドロ感とか平安時代の天皇様を大河ドラマで見てるので、少し違った角度からも見れて何だか少し得した気分です。
ヒカルの碁の本筋とは全く関係ない余談でした。
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