神黎の図書館

主観によるグラフ+点数+感想を綴る読書感想文風書評ブログです。月間で読む漫画は150冊~200冊。小説や映像作品についてもちょこちょこと。

ケシゴムライフ

ケシゴムライフ

・タイトル

ケシゴムライフ

・本の概要

「人間って言葉は″人の間″と書く。人と人との″間″ ″空間″ ″距離″。それはどうやっても取りはらうことはできない――。」
本当に人間はずっと孤独なのか?すき間があるなら――。
どこにでもあるような普通の高校を舞台に、青春の時を過ごす高校生たちをさわやかに描く。
オムニバス形式の短篇集!

・著者情報

羽賀翔一(はが しょういち)

1986年生まれ
出身地 茨城県つくば市
職業 漫画家
代表作
『ケシゴムライフ』

2010年
第57回ちばてつや賞・一般部門にて佳作を受賞。
『インチキくん』で第27回MANGA OPENにて奨励賞を受賞。

2011年
『ケシゴムライフ』でデビュー。
宇宙兄弟』公式ムック本『We are 宇宙兄弟』にて短編を連載。

・点数 88点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆

・感想
オムニバス形式の短編集です。
表題作の『ケシゴムライフ』は1発目です。
表題作だけあって、作品のおよそ半分を占めています。
話そのものが面白いというよりは深いなって感じる作品的な面白さであり、そういう意味で面白くてある意味分かりやすいストーリーです。

正直、画は上手くはないです。
というより、荒削り?
ただし、それでも伝わってくるものがあり、キャラクターは生きている。不思議な躍動感を感じる画です。

日常のそこに目をつけるのか!という発想の独自性と着眼点の良さ、素敵なワードセンス、心に投げ掛けてくるような構成が素晴らしく、短編ながらそれぞれの話に感情移入が出来、読み終わりには温かさを感じます。



以下、作品を読んで感じた個人的な感想です。
若干内容に触れているので、気になる方はご注意下さい。


ケシゴムライフ
人間関係がマス目みたいというのはなかなか言い得て妙な意見ですね……盲点でした。

人間というのは人の間と書く。
人と人の間は距離、空間……それは取り払うことができない、だから人は孤独を生きる。

でも、隙間があるなら埋めればいい。

ケシゴムは間違いを消す為ではなく、鉛筆に「間違ってもいいんだよ」って寄り添う為に存在している。
この考え方素晴らしい。


追い抜きルーキー(カヤック)
言われたことをただやるだけならロボットにだって出来るのだから、もっと利用者のことを想像して考えて動けという新入社員にとってはキツい上司の厳しい言葉。
ただ、ものすごい分かるし、間違ってないんですよね、だからキツいんだろうけど。

そして、叱ってくれる上司というのはありがたい。
そこに気付けると成長に繋がったりしますよね、分かります。


流星にて
地球は常に自転している。その時速は1600km
なのに止まって見えるし、轟音もしない。言われてみれば確かに不思議。
そこからの教訓はタメになるし、短編として綺麗にまとめてるのもいいですね!


地球飛行士
これは思春期の宇宙オタクが恋をしたお話でした。
恋をすると集めていたグッズはガラクタに思える…のかは僕には分かりません。そこに至っていないので。
ただ、学校に置ける片想いを宇宙に例えたセンスは凄いと思いました。
全面的に理解出来たので、とてもいいお話でした!


小さな宇宙船
小学生男子がよくやる空き地を秘密基地に見立てたごっこ遊びの宇宙ステーション版かな?
人間の脳の中身と銀河の星の数がほぼ同等で、小宇宙と大宇宙と表現したことも素晴らしかったし、大人になって普段は連絡取り合ってなくてもも関係性が変わってないことに感動を覚えました。


星のかけら
子供を寝かし付ける時のお話に現実と創作を混ぜるユニークさは好きです。
アームストロングだから腕相撲が強い……なるほど(笑)
宇宙シリーズのラストに相応しい神秘的でもあり、クスッと笑える母娘の話でした。


zooo
母子家庭だから想像力豊かになった子供の話かと思ったら、お父さんは売れないアーティスト?かな?
豊かな想像力は遺伝もあるかもしれない。

そして、1作目以来の中編エピソードです。

不器用な親子…父と息子の独特な絆に涙です。
なるほど、だから象(zooo)なんですね、見事なタイトル回収でした。
にんべんに父と書く造語の意味もよかった……。


今日のコルク
特別収録となる次作と同じ(エピソード)タイトルとなる短編。
クリエイターのエージェント会社のコルクを新人マンガ家の羽賀翔一(作者さん)が描いた日常観察マンガです。
ここまでの深みや感動のあるエピソード群とは異なるほのぼの感で食後のデザートのような味わいでした。


短い短編集なのですが、各編それぞれのアプローチで温かいエピソードで、読んで損のない素晴らしい作品でした。
この方はなんて温かくて優しい作品を描くんだろう…素直にそう感じました。


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