神黎の図書館

漫画・小説・映画・アニメ・ドラマを主観によるグラフ+点数+批評+感想を綴り、作品の評価をあらゆる形で視覚化したブログです。有名な作品から掘り出し物的な作品まで生涯の内になるべく多くの作品に触れて伝えていけたら本望です。

残酷な運命『ヒロインズゲーム』

【コミック】ヒロインズゲーム(全3巻)

・タイトル

ヒロインズゲーム

・本の概要

彼女の名はアリス。迷い込んだのはいかれたお茶会。
人気アイドルグループのリーダーだったアリスは、気がつくと知らない森の中をさ迷っていた。
赤ずきん、親指姫、白雪姫……次々と現れたのは、その姿を醜く変えられた童話のヒロイン達。
「不幸な結末」を迎えた彼女たちは、その運命を変えるために〈ヒロインズゲーム〉という殺し合いをしているのだという。
圧倒的画力で描かれる美しくも残酷な童話ヒロインによるバトルロワイアル開幕‼

・著者情報

緒里たばさ(いおり たばさ)

誕生日 11月11日

2000年8月期まんがカレッジ努力賞受賞。
2002年、少年サンデー特別増刊R SPRING号に『はらぺこ奈都ちゃん!』でデビュー。
2007年、週刊少年サンデー第46号より『クナイ伝』で週刊連載デビュー。

仮面ライダー電王」と「人造甲虫カブトボーグ V×V」のファン。

・点数 96点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆

・評価
ビックリはするかもしれませんが、ストーリーそのものは分かりやすくて面白いです。
童話モチーフなだけあり、随所に強力なメッセージ性があり、そこも評価ポイントです。

女の子(ヒロイン達)の可愛さと格好良さ、強さと逞しさ、弱さと脆さをギュっと詰め込んだストーリーに合わせて画力が光る印象です。
バトル時はモチーフの絵本に倣った能力で結構テンションが上がるフォームで戦います。

童話モチーフなので、言ってしまえばメインキャラクター全員は元々主人公であり、自分の物語を完遂した後の悲劇のヒロインモードなので、個性豊かであり、魅力があります。
あえて言いますが、何とかタロスの中から推しキャラ見付けるみたいな楽しみ方も出来ますね!

大胆アレンジをしながら、原作・原案の童話に対するリスペクトを忘れていない。
ブレイクタイムのお茶会も含めて童話モチーフの旨味を活かしいている。
それなのにヒロイン達にデスゲームをさせるという設定がお見事。
今となっては斬新とは呼べないですが、面白かったので高評価。

どうなるんだろう?→そう来たかー!!の連続で、最後まで楽しかったので、没入感も高評価です。
巻数的にも読みやすいし、年毎に読み返しても面白いかもしれません。


ヒロインズゲーム 1巻: バンチコミックス
ヒロインズゲーム 2巻: バンチコミックス
ヒロインズゲーム 3巻(完): バンチコミックス


・感想
童話モチーフの過激なファンタジー
人気の名作童話集を大胆アレンジ!

アリス、赤ずきん、シンデレラ、白雪姫、親指姫、人魚姫、長靴をはいた猫ラプンツェル……童話のヒロイン達が一合に会する御茶会は和やか……な訳でもなく、結構殺伐としてました。

簡単に言えば、それぞれのヒロインには目的があり、勝ち続けて最後の一人になれば願いが叶うというものですね、善悪ではなく、存在意義を賭けた正真正銘のサバイバルゲームです。(仮面ライダー龍騎みたいなもんですかね)

狼腕の赤ずきんや心無き断罪人 心臓のアリスなどの二つ名があるのも特徴です。

画は上手いと思うんですが、細かい書きこみが多くてやや読みにくいものはありました。そういう意味では北斗の拳と通ずるところがあります。

着眼点の良さ、発想力は素晴らしいものがあり、急展開なストーリー展開は構成的に少し残念なものの、ゲームのルールや世界観はすごく好きで、楽しく読ませていただきました。

ゲームのルールを簡単に説明すると、人狼ゲームに近いかなって思います。

任意での参加となる御茶会(直接の殺し合いは御法度)という小休止を挟みながら、毎回決められる1人のヒロインを残りのヒロイン達が付け狙うというものです。

原則的に1vs多人数の構成になります。
チャイムが鳴ればゲームオーバー、逃げ切ったヒロインの勝ちで、次のゲーム時に特典として次のヒロインの位置が分かるという特権が与えられます。
つまり、着実に1人ずつ減らして自分は死なないことが最も効率的な攻略法となります。

このゲームの面白いところは、ゲーム開始時に選ばれたヒロイン以外は敷地内をランダムに配置されるところで、それぞれが自分の立ち位置しか知らない状態から始まることです。

ヒロインに選ばれると、そのステージが自分の領地として元の物語に関連した恩恵を受けられます。
それはつまり……?

過激で凄惨で壮絶なサバイバルゲームですが、わりと規律はしっかりしていたはず……なのに突如現れた断罪人によって全ては崩壊する。

必要悪に対しては利害の一致で協力する……みたいな展開もあったり、全てが覆り、前提条件が崩れ去る展開も⁉

いやはや、着眼点、発想力、斬り込み方が良かったので、もう少し読みたかった作品ではあります。
せめて5巻ぐらいあればなぁ~なんて勝手ながら思ったりしました。


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