神黎の図書館

主観によるグラフ+点数+感想を綴る読書感想文風書評ブログです。月間で読む漫画は150冊~200冊。小説や映像作品についてもちょこちょこと。

キーチ‼

キーチ!! コミック 全9巻完結セット (ビッグコミックス)


・タイトル

キーチ‼

・本の概要
幼稚園児の染谷輝一は、誰とも群れず、自分だけを信じる乱暴者。
可愛いげのないその破壊的性格に、周囲の意見は賛否両論だった。
母は輝一の所業に謝りどおしで、一方の子煩悩な父は息子の成長をビデオに収め、顔が緩みっぱなし。
少し人とは違うけど回り回って幸せな、そんな日々が続くと思っていた。

・著者情報

新井英樹(あらい ひでき)

生年月日 1963年9月15日
出身地 神奈川県
明治大学卒業

漫画家を目指すために文具会社を退職し、作品の投稿を始める。
ちばてつや賞入選などを経て、1989年に『8月の光』がアフタヌーン四季賞夏のコンテストにおいて四季大賞を受賞しデビュー。
デビュー当初は非常にソフトで柔らかいタッチだったが、後に反社会的な表現を多用する現在の特徴的な作風になった。

第38回(1992年) 小学館漫画賞青年一般部門受賞『宮本から君へ』

ゼロ成長論を提言した経済学者の下村治の「経済成長よりも完全雇用がそれに先立つ」という考え方を素晴らしいと思ったと語っている。

・点数 100点+

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆
オリジナリティ🌟🌟☆☆☆
テンポ☆☆☆
熱中度🌟🌟☆☆☆

・感想
基本的には概要通りの内容です。序盤はね。
概要の最後の不穏を匂わせる内容が肝です。
少しフォローすると、破壊的、暴力的とありますが、僕には悪は許さない真っ直ぐな性格に感じました。

ただ、だからと言って暴力で解決していいのか?と問われれば、それはダメだろう。というそういう問題な気がしました。

賛否両論分かれるのも当然の内容なのですが、僕としては、輝一は自分の中に確固たる正義(信念)を持っていて、その信念を貫いて行動する真っ直ぐな性格だと捉えています。
だからって暴力に訴えるのはどうなの?っていう堂々巡りをずっとします。

輝一の正義が正しいかは置いといて、どっちにしろ個人の意思はエゴなんですよね、つまりは究極のエゴイストとそのカリスマ性に惹かれて集まる人の起こす世間に対するデモ、世直しとも言えます。

輝一自身が凄惨で壮絶な人生を送り、マスコミによって有名人にさせられた存在であり、そんな彼だからこその子供とは思えない発想と行動力に驚かされました。

所詮子供だと差別したり、否定しか出来ない人には勧められません。
客観的な視野を持つか、見識の広い方、自分と他人の割り切りが出来る大人の方には読んでもらい作品です。

そんな社会派ドラマな深い部分と共に作品の魅力と言えるのは、輝一の周りを取り巻く人間関係です。

祖父母や仲間との関係が素晴らしい。
反して見てて不快感しか抱かないクズも現れます。

キーチ‼を見て一番思ったのは、子供は本当に周りの大人をよく見ていて、多大なる影響を受けるということです。
子供は親を写す鏡の側面もあると思います。

この作品には続編があり、『キーチ‼』は輝一が4歳~12歳までの話となります。

社会派+人間ドラマとしてとても面白い作品でした🙆