・タイトル
マイガール
・本の概要
平々凡々とした毎日を送る青年・笠間正宗のもとに、恋人の訃報と一緒にやって来たのは、コハルと名乗る幼い女の子。
少女は、亡き恋人の陽子が残していった5歳になる彼の娘だった。
ずっと自分に娘がいると知らないでいた正宗は事実に戸惑う。
しかし母親が好きだった正宗といたいと願うコハルの純粋な気持ちに触れ、一緒に暮らすことを決意する。
そして、大切な人を失った親子の、昨日と違った小さな生活は始まる。
・著者情報
・点数 84点
ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆
・評価
ストーリーの面白さや奥深さはネタバレが含まれますので、後述に回すとして、親になることの意味、様々な親子の形、子供から親が教わることも多い。など、大人だろうが、何歳になっても子供が初めて出来たら親も一年生。という表現が素晴らしかったです。
「一途さ」と「相手を思いやる気持ち」のすれ違いが強い作品でもあるので、分かりやすいかは個人差が出るかもしれません。
優しいタッチの絵柄から表情の変化で感情が伝わる躍動感のある画でした。
良くも悪くもキャラクターにも設定にもクセがあります。作風なので仕方ないですが。
ドラマ版とは異なり、万人受けする作品とは言い難いですが、読む人の年代によっては刺さり、考えさせられるテーマと内容でした。
以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
・感想
貴方は、突然現れた小さな少女をいきなり娘として受け入れられるだろうか?
自分だけが知らなかった数々の事実を受け入れられるだろうか?
そんな事を考えさせられる作品でした。
昔、嵐の相葉さん主演でドラマ化された作品ですね、全話見ましたが、自分の年齢もあるんでしょうが、原作は違った味わいがありました。
天道虫のシャーペンが結んだ2人の絆。
かつて没になった企画が通り、なおかつモニターの反応もよかった。しかし、その商品を一番見せたい人、喜んでほしい人はもういない……という切なさ。
ここら辺の心情描写よかったです。
絆は時に人を縛る。
それでも同じ傷を持った2人ならきっと……
この作品は親子の物語ですが、これは恋愛でも言えるかなって個人的には思います。
本当の父親になるということ、結構深いですよね、シングルファーザーとして娘の躾ができるかどうか的な。
息子なら正面から怒れるけど、娘だったら少し悩むかも。
これはこの作品を読んだことで初めて考えました。
同時に、親が、大人が、子供に教わることがある。と、素直に思えるのもこの作品の良さの1つだと思いました。
例えば、大人になるとなかなか素直に言えない「ありがとう」と「ごめんなさい」を言うことの大切さとか。
また、多種多様な親子愛を描いた作品でもあります。
子供を心配する親の気持ち、親に一言「大丈夫」だと言ってほしい気持ち、これは誰しもが共感できる部分なんじゃないかなぁ~と思います。
「子供からの憧れの眼差しを受けて、自分の為ではなく生きようと決意した時、人は本当の意味で大人になる」
これはほんとに名言だと思います。
基本的に優しいタッチの絵柄なんですけど、コハルちゃんの表情1つであの子の感情が伝わって来る躍動感がありました。
失った時間を取り戻すように家族としての絆を育む2人や周りの環境、重みのある言葉、親と子、父と娘について深く考えさせられた作品でした。
単巻レビューには書きましたが、正宗くんの考え方に同意出来ずに理解に苦しむ場面があったりもしました。
そういうのも含めて読んでよかったと思える作品でした。
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