・タイトル
走馬灯株式会社
・本の概要
走馬灯株式会社。それは、自分の視点で記録された人生を観ることができる不思議な会社。
様々な人が迷い込み、DVDを見始めると、そこには今まで知らなかった過去の真実、心の奥底にしまいこんだはずの秘密がいっぱい……
全てを見た後、彼等の運命は……。
・著者情報
・点数 96点
ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆
・評価
この作品は事実上オムニバスストーリーなので、原則的には分かりやすいし、見やすいし、一貫性のあるテーマです。
世にも奇妙な物語的な感じで見るのも面白いかもしれません。
人生とは…という哲学的なテーマを題材にしつつ、それぞれの章のキャラクター達の表情から様々な情報が読み取れ、人間の面白さと恐ろしさを同時に表現していると感じました。
エピソードタイトルがそれぞれ人の名前のフルネームになっており、確立された人物像とバックボーン、人生観を持っています。
それをVIP席から見られるのが読者の特権です。
読みながら熱中したり、圧倒させられたり、怖いと思わされたり、不思議に思ったり。
本当に様々な感情を刺激されます。
仕掛けられた謎の全てが解けた時の多幸感は圧巻です。
以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
・感想
あんまり穏やかではないタイトルですが、ぶっちゃけ穏やかではない作品です。でも好きです。
走馬灯は死の目前や直面した時に観ると思ってましたが、この会社があれば或いは……
何故、国民全ての人生が本人の視点で明確に細かく記録されているか…や、従業員に関する謎は残されたままなのですが、それはそれでいいですよね、この謎は美味だからそのままでいてほしい、逆に言えば謎だからこそ美しい、そう言えるでしょう。
この作品の魅力は謎解きに非ず。
では、何が魅力なのか?
それは他人の人生を覗き見ることです。
悪趣味ではないのです、訳ありな人物が選ばれてやって来るので、日常では決して体験出来ないものを様々な角度から見ることができる。
これぞ漫画の、創作物の醍醐味というか魅力そのものなのではないでしょうか。
そして世の中で最も恐ろしいのは人間なのではなかろうか……というリアルホラーと感動と衝撃がいい感じに混ざりあった独特の風味がありました。
読んでて何回裏切られたことか……でもそれが癖になるっていう不思議。
これこそがこの作品の魅力です。
各巻の巻末に取材協力が書いてあるんですけど、ちらほら著名人がいるっていうか、1つは芸能人の名前そのまんまのエピソードがあります。それもなかなかの衝撃ですよね、いやほんとに。
前半は意図してないと出来ないぐらいにエロが入ります。無駄に入ります。
中盤(探偵事務所が出てきてから)はシリアス寄りになっていきます。
全てではないですが、過去に走馬灯株式会社を訪れた人との繋がりだったり、走馬灯株式会社の株主だったり、ほっこりエピソードと不穏分子が交互に訪れるこの作品はこの時季にピッタリの、夏に相応しい作品だと思います。
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