・タイトル
ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章
・本の概要
大魔王ゾーマの恐怖が消えてから100年、世界に再び邪悪な気配が広がる。
勇者アルスは三人のケンオウと平和を取り戻す戦いに身を投じる。
・著者情報
・点数 76点
ストーリー☆☆☆
画力☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆
・評価
ストーリーは分かりやすいとは思います。一貫性もめちゃくちゃあります。
が、ドラクエの世界観を借りながらめちゃくちゃオリジナリティを加えている作品であり、終わり方は個人的に好きではないです。
設定とかちゃんとしてるのにそこだけが惜しかったです。
過去と現在の繋がりや絆と因縁、宿命等は良かったです。
人間ドラマとして面白い作品でした。
ゲームには存在しない独自の技も出てきたり、キャラクターの感情がダイレクトに伝わる画の描き方だったり、読者を楽しませる演出が施されてる作品だと感じました。
かつてロトとパーティーを組んでいた3人の「ケン王」、剣王・拳王・賢王とその子孫が時を越えてパーティーを組むのは熱いですよね!
その絆こそが「ロトの紋章」なのかもしれません。
未熟な勇者と修行、ケン王を探す旅、血縁上の因縁の宿敵等々の設定はドラクエ感もあり、前述した通り、オリジナル要素も満載で、設定面とキャラクター面は文句無しの満点です!
巻数毎、または全巻通しての熱中度は高いのですが、読み終わりの満足感が採点基準に入る没入感という意味では残念ながら減点対象でした。
やはり終わり方があんまり……。
ただし、これは好みの問題なので、気になる・気にならないは人それぞれだと思います。
全体で見れば作品は名作だと思ってます。
以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
・感想
勇者ロトと世代を越えた約束をした3人のケンオウと次世代の勇者と3ケンオウが紡ぐ物語です。
ロトの血統とはいえ、最初は未熟なので修行、戦闘の末に徐々に強くなる(使える呪文が増える)というRPGチックな部分もあります。
ネタバレになりますが、幼い頃から兄弟のように育ち、共に修行した親友がケンオウの1人の剣王の後継者というご都合主義もとい王道的展開もあるのですが、この2人の関係がボディーブローのように効いてきました。
ちなみに3人のケンオウは剣王、拳王、賢王です。
剣王は幻魔剣とか生きた鎧とか牙狼っぽくて、拳王は速度と衝撃波でテイルズっぽくて、賢王は合体魔法というチート技を使う化け物な訳ですが、彼等も勇者同様子供なので彼等の成長も見所の1つです。
この作品を語る上で欠かせないのがロトの血統の(アルスとは従兄弟にあたる)魔神王ジャガンですよね、勇者の力と魔神の力の双方を扱う異端児なんですけど、僕はこのキャラ好きでした。
敵側の軍団も面白い設定でした。
冥王はバラモスまでもゾンビとして使役しちゃうし、獣王の獣兵団は序盤~中盤にかけての敵として完璧な役割でした。
仲間想いで忠誠心が高い竜王って結構レアだと思います。
この作品の竜王の設定好きです。
勇者とかケンオウとかは序盤、中盤は子供が故の部分に対する苛立ちがこの年齢になるとあったりしましたが、彼等は成長するので人間味溢れてるなぁ~って印象でした。
ただし、妖精ティーエお前はダメだ。
ティーエの存在で結構テンポ悪くなってる気がしましたし、活躍度数を遥かに上回る苛立ちでしたね、最後まで気に入らないキャラクターでした。
味方サイド、敵サイドという単純な分け方だけではなく、敵味方間にある因縁等の関係性が面白かったです。
1万2千年に渡る因縁とか神話チックでよかったです。
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