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運命の一夜―プンプンの波乱万丈な人生『おやすみプンプン』

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おやすみプンプン コミック 全13巻完結セット (ヤングサンデーコミックス)

・タイトル

おやすみプンプン

・本の概要

ある日のこと、プンプンはクラスに転校してやってきた転校生・田中愛子に一目惚れ。
彼女から「もうすぐ地球は人が住めない星になる」「別の星に移住しないと人類はメツボーしてしまう」という話を聞いたプンプンは、今日出された「将来の夢」の作文に、「宇宙を研究する人になりたい」と書こうと思い立つ。
だが翌朝、プンプンが起きると家は大変なことに…?

或る街に住む「フツー」の少年の、波瀾万丈の人生を追った成長の物語。

・著者情報

浅野いにお

生年月日 1980年9月22日
出身地 茨城県石岡市
職業 漫画家・イラストレータ
活動期間 1998年~
ジャンル 青年漫画、成人向け漫画
代表作
ソラニン
おやすみプンプン
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション

1998年に小学館ビッグコミックスピリッツ編集部に持ち込んだ4頁の処女作品「菊池それはちょっとやりすぎだ!!」が『ビッグコミックスピリッツ増刊Manpuku!』に山本直樹の代原として掲載され、持ち込みからわずか1週間でデビュー。
その後は何度か読切作品が掲載されるも、連載を持つまでの4年間は、編集者との衝突などから漫画家を続けていく自信を失いながらも自分の作風を模索する下積み時代を送っていた。

2001年、『月刊サンデーGENE-X』による第1回GX新人賞に「宇宙からコンニチハ」で入選、同年6月号に掲載され、初の連載作品となる「素晴らしい世界」からデジタル作画に移行。

ペンネームの「いにお」は、手元にあった保険証の記号からとったもの。
デビューの際に「超生命」というペンネームにしようとしたが、編集者にそれでいいのかと問われ、考え直して「いにを」にし、その後、「を」が「お」に誤植されるうちに「いにお」が定着した。
自身もバンド活動をするなど、音楽に対する造詣が深い。
でんぱ組.inc「あした地球がこなごなになっても」では作詞の他、ギターも演奏している。
短編作品を得意としており、オムニバスかつ叙情的な描写に定評がある。
使用画材はタチカワペンのGペン。補充が大変だという理由から、その他の画材も世界堂とコンビニで揃うものしか使わない。
背景はほぼ自身で撮りためた写真をphotoshopで加工して使っている。『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』では、登場する宇宙船の母艦や学校の教室、おんたんの部屋などを3DCGを制作し作画に取り入れた。

・点数 96点

ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定僕☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆

・評価
この作品の最大の特徴は、主人公とその親族のみを落書き調のひよこ姿で描かれ、その他の登場人物や情景は高い画力で描かれているという特異なところにあります。
また、話の本筋とは一切関係ない人物の奇行が突然描かれたりするのも特徴です。
ストーリーの一貫性はあるようでないし、なさそうである……そこら辺は読んだら多分分かります。
如何せん深いです。見えない沼みたいな感じ。

作風もやや特殊で、初恋相手にかけられた呪いが人生を狂わせる……みたいな。
結論としてはそういうことなんですが、その過程の堕落っぷりが凄まじい。
その描写がとにかく上手かったです。

小学生編、中学生編、高校生編、フリーター編、愛子編と分かれてますが、「呪い」ということで小学生編の伏線がエッジを効かせてクライマックスに活きるって手法を使ってくるのよかったです。

9割方クズor鬱漫画なので読むときは覚悟を持ったほうがいいと思います。

そして、わりと直接的な性描写のシーンが少なくはないので普通に18禁ですね、闇深いですし、病みも強いです。

闇の方向にエッジの効いた良き青年マンガであり、読み手は選びますが、刺さる人にはめちゃくちゃ刺さる作品だと思います。
個人的には圧倒される場面もあり、構成力と演出力に脱帽の一言でした。
簡単に言えば、途中で完全に心を掴まれました。


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。


おやすみプンプン(1) (ヤングサンデーコミックス)
おやすみプンプン(2) (ヤングサンデーコミックス)
おやすみプンプン(3) (ヤングサンデーコミックス)
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おやすみプンプン 2 (小学館プラスワン・コミックシリーズ)
おやすみプンプン 3 (小学館プラスワン・コミックシリーズ)
おやすみプンプン 6ーBタイプ 特製プンプン&雄一「Wボールチェーンマスコット」付き!! (小学館プラス・アンコミックスシリーズ)
おやすみプンプン 7 (ヤングサンデーコミックス)
おやすみプンプン 9 特製プンプンTシャツ付 (小学館プラス・アンコミックスシリーズ)
おやすみプンプン 11―ブックカバー+しおりつき (小学館プラス・アンコミックスシリーズ)
おやすみプンプン 12 特製カラープンプンTシャツ付限定版 (小学館プラス・アンコミックスシリーズ)


・感想
指摘されて自分の罪を知った時、鏡に映る自分が自分に見えない心理の描写や、2人で何処までも堕ちていく様が絶望的で振り切りすぎて一部の人には心地いいかもしれません。僕もまた、例外ではなかったです。

絶望こそが人を成長させる?
「絶望をありがとう」の台詞と、全て(文字通り何もかも)を奪うヒロインという2大闇(病み)が好みでした。

人を好きになる理由と哲学、愛の在り方と示し方、愛と贖罪……闇しかない物語だからこその深いテーマでした。
かなり好みの部類の作品でした。


コミック

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