神黎の図書館

主観によるグラフ+点数+感想を綴る読書感想文風書評ブログです。月間で読む漫画は150冊~200冊。小説や映像作品についてもちょこちょこと。

ナリスマシアイ

ナリスマシアイ 第2巻 (ラブドキッ。Bookmark!)

・タイトル

ナリスマシアイ

・本の概要

ネットアイドルのアカウントを盗み、なりすましてSNSで活動することが生きがいになっている奏衣。
可愛い洋服を着て、メイクを変え、ウィッグをつけて『なりすます』。
リアルの生活がつまらないわけではない。
ただ、SNSでチヤホヤされる快感に溺れただけ……
なりすましとしてバレないよう注意している奏衣だが、気になる男性フォロワーへ送った一通のリプから、奏衣の「なりすまし生活」が崩れることになり……

・著者情報

瞳ちご

4月12日生まれ

受賞歴
第2回 GJマンガグランプリ グランプリ受賞(集英社 グランドジャンプ)

第20回 コバルト・イラスト大賞 佳作(集英社)

趣味
猫、現代美術、服飾、海外ドラマ、雨音、音楽、Apple製品、BlackBerry、モンハン

・点数 96点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆

・感想
まずはじめに、この作品は1話単位で1巻になっている漫画です。
なので、全27巻は全27話の意味で、ショートストーリーになっています。
テンポよく読み進められるのが最大の特徴です。

攻めた内容でありながら、一貫したテーマを貫き、憧れと快感、罪と罰と贖罪と断罪という流れが日常に潜む闇すぎて興味深かったです。
奥深くて怖くて面白い、人間の業が描かれていると言えると思います。

可愛い絵柄と人間の持つ二面性を的確に表現する画力が魅力の作品です。
豹変とも言える人間性を表すのがめちゃくちゃ上手かったです。

主人公の行動や選択で大きく歪む未来……が作品の特徴でもありますが、取り巻く人間関係も勿論面白いです。
名もなきキャラクターでさえも、それぞれの役割を見事に果たし、作品を盛り立てていたので、高評価です。

基本的にはよく出来ています。
ネット・SNSの普及でみんなが自称ネット警察になれてしまう時代だからこその日常に潜む恐怖が見事に描かれているので。
ただし、個人的には好みだったとはいえ、ラストの展開は賛否が分かれても仕方ないと思ったので、少し減点。

話売りだったのでテンポよく読めるというのもありますが、毎回続きが気になる感じで終わり、即座に続きが読みたくなりました。
そして、内容の興味深さと、そういう終わり方もアリだよなぁ~と思えたので、僕の中では没入感は満点です。


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。



概要だけ見ればただのクズなんですけど、これはそこまで単純な話でもない。
なりすまし行為は確かに犯罪である。
ただ、このケースの場合は断罪するのも違う気が…と、個人的には思いました。

最初は悪意ではない、基本的には人を傷付けていない、このなりすましによって救われた者がいる、この場合は情状酌量の余地というか救済措置をあげてほしい。

奏衣さんの性格はどうかと思うけど、お調子者なだけで悪ではないですし、いけないことをやったとはいえ、身バレと身の危険にあうのはさすがに重すぎる罰ではないかと思います。
犯罪者になら何してもいいって発想は危険思想だ。

一応、本人サイドと和解もして、もうなりすましはしないと誓っているのだから許してやってくれ!と思わず思ってしまう程にこの子は放ってはおけない女子って感じします。

まあ、追い込まれたのは恋愛のもつれと拗らせ系女子の嫉妬心からなんですが、そこも案外リアルですよね、怖い…けど、個人的にはドストライクでこっちも放ってはおけない。というかこっちのほうが何とかしてあげたくなりました。

登場人物が少な目なのでキャラ名は伏せます。

この作品を通じて改めて考えさせられたのは、怖いのは生きた人間ということです。
多少の変化は感じつつも、なりすましに気付かずに癒しをもらってたわりには急転直下の手のひら返し。

これはなりすましという犯罪行為だからややこしいですが、仮に本人だとしても異性の影やちょっとして失言で燃え上がって取り返しのつかないことになり、仕事はもちろん、生活にも多大な影響が出ちゃうこと…何より自分を攻撃してくる人の顔も人数も分からないのが怖い。

個人的に思うのは、行動に対して断罪する前に話を聞くべきだと思うんですよ、どういう考えでそういった行動を取ったのか。
それでも納得出来なければまあ、しょうがない。
でも耳は傾けてあげてほしい。

後は人の恋愛を簡単に応援してはいけない。
これはマジで。
そして、応援すると言ったならそれは貫くべきです。
これは男女共にですよね、下手したら命に関わる案件なので本当にお気をつけを。

そして最後に…自分の話にはなりますが、
僕もかつてなりすましというか、僕の偽者みたいな人物がいた時期がありました。

勝手に喧嘩されてたみたいで身に覚えのないことでやたら責められ、こっちが攻撃されかけたので、
事情というか何があって、僕は何を言って貴女は怒っているのか……それを確認しました。

やっぱり記憶にないし、そもそも喋り方とか文脈からして僕ではないと断言できたので、「それは自分ではない」とハッキリ否定し、その人はもう一度調べ直し、アイコンとプロフィールが同じだから騙されたけど、活動内容からして僕ではないと分かっていただけました。

この件に関して僕は全く怒ってはなく、その偽者に対して何かしたこともなく、逆に僕がされたこともありません。

僕の活動内容は僕の経験から取得した技術を使ってやっている僕だけのものなのでなりすまされようが、偽者が現れようが気にしません。

僕が言いたいこと、この作品を通じて思ったことは、顔の見えないネットの世界において、文字だけの情報を鵜呑みにはせず、攻撃する前に信憑性を考えたり、確認したりしてみて下さい。
ということです。

そして、仮に揉め事があっても、相手の話にも耳を傾けてみて下さい。
面倒に思うかもしれませんが、確認作業を怠って攻撃を始めるほうがしんどいこと多いように感じます。
今一度よく考えてみてください。


と、自分の経験談も踏まえてSNSの使い方や問題提起を今一度考えるきっかけになる作品でした。

PS
ドロドロ修羅場は創作物だと楽しいですが、リアルだと誰も報われないと思うので気を付けましょう!


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