・タイトル
王様ゲーム 終極
・本の概要
あの悲劇(前作)から7カ月。
最初の王様ゲームでただ一人生き残った金沢伸明が転校した呉広高校で、再び命がけのゲームが始まった!
謎の少女・本多奈津子の登場で、徐々に明らかになっていく謎。
過酷な命令によって1人、また1人と減っていく生徒たち。最後に生き残るのは誰なのか!?
・点数 61点
ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆☆
キャラクター☆
設定☆☆☆☆
没入感☆☆☆
・評価
ストーリー自体は分かりやすく、テーマも一貫してるので、面白さの評価とは異なる項目なので、ストーリーの部分は高めの評価です。
画力は星3ではなく、星3と星4の間ぐらいです。
元々ある小説をコミカライズ版として表現・再現する上では十分過ぎる部分、元の小説の文体だけでは分かりづらかった部分の補正と補完がしっかりされていて、そこは評価したいと思ったのですが、一般的なプロのレベルの中で段階が上なのか?と問われれば、そこまでではないと思ったので、この評価です。
キャラクターに関しては星1以上2以下です。
個性がないとは言えないし、個人的に魅力を感じるキャラクターはいますが、
設定はシンプルで分かりやすく、終極に向けて細部まで考えられて作られています。
が、他の項目で厳しめに採点してる分、帳尻合わせも兼ねて若干甘めにしました。
キャラクターに対する不満を書き連ねてられるということは、ある意味で作品に没頭している証明ですし、全巻通した場合の読了後の満足はそれなりにあったので、没入感は中間点です。
以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
・感想
前作で王様ゲームを生き残ったからこその無愛想から始まる伸明。
転校初日で話しかけてくる本多奈津子ちゃん可愛いわぁ~ほんま天使やわぁ~
伸明はまあ……名前聞いたらそりゃ驚くよね、鈍器で思いっきり頭殴られたぐらいの衝撃じゃない?
前作読んでなくてもどうにかなる最低限の説明はあります。
少なくとも、金沢信明は何故、無愛想なのか……は分かります、彼の本音も。
体育祭が転校生の歓迎会も兼ねてるってほんと仲良し熱血クラスですよね、僕には理解できない。
本人の意思を尊重しない押し付けは善意ではなく支配だと思っています。
そして再び始まった「伸明の王様ゲーム」。
真実を伝えてもクラスメイトは信じる訳もなく、苦戦する伸明。
まあ……一切つるまずに信用してもらえると本気で思ってたのなら甘過ぎるどころか大バカだろ、って正直思います、はい。
伸明は思い込み激しいなー、確認とかしないタイプは本当に嫌い。虫酸が走る。
そして、今回の王様ゲームはハイペース。
複数の命令が同時に下される。
夜中の0時過ぎてるからみんな寝てる……果たしてそうだろうか?っていう疑問よりは君らはよ帰らな補導されるで?っていう感想でした。
伸明くんさ……焦る気持ちは分かるけど、何にしても一番最初に説明するのが常識じゃない?助けたいなら尚更ね。
まあ、説明したとしても普通に信じないけど、こんな話。つまり、ほとんど詰んでるから最初に愛想振り撒かなかった時点で伸明の負けだと思う。
あー、善人面した奴等の化けの皮剥がれたね、証拠もない、話も事情も聞かないで罵詈雑言なんて君達に人を責める資格あるんですかねぇ~?
ちょっと初見ぶった感想書いてますが、ぶっちゃけ小説のほうを読んでるのであえて言いますが、基本的にほとんどのキャラ(特に伸明が)嫌いなんで結構辛辣な意見多めだと思います。
不愉快だったらごめんなさい。
いやー、見事な手のひら返しっすわ~、クズだわ~
王様ゲームって読んでたら性格悪くなりますよね、負のオーラに触発される的な?
小説版を読んでるから迷いなく言いますが、奈津子は結構好きなキャラです。1番ではないですけど。
終極に出てくるキャラクターはみんな頭悪いと思います。後は責任転嫁が酷い。
みんなが伸明を信頼しない理由は怒りと恐怖だけじゃなくて、転校初日に「俺に関わるな」って自分で言ったからだと思う。
ヒステリックヒーローお疲れ様。
助けたかったなら考えて行動するべきでしたね。
誰かの命を奪って生き延びるぐらいなら自分が犠牲になる……ってやってから後悔しても遅い。途中まで格好よかったのに……惜しい。
本物の熱血漢で正義感の強い赤松健太が来てからイキってた奴等が大人しい。
無抵抗な人は容赦なく殴るし蹴るけど、強い人には向かって行かない奴等ね、マジで嫌い。
僕の中では健太ってもっとこう……ゴツゴツした巨漢のイメージだったからマンガの健太は思ったより華奢だな、って印象です。
若干イケメン風に描かれたら美月ちゃんがシチュエーションと男気に惚れた部分の印象が若干変わるような……
個人的には俺物語的なバランスを想像してたので。
まあ、小説から受ける印象ってほんと読み手によって変わるし、コミカライズあるあるではありますが。
美月ちゃんの乙女化は大体想像通り笑
前作のクライマックスで出てきた夜鳴村再び。
蝿の大群って漫画で見るとほんと気持ち悪いな、吐き気した。これは結構いい画力。
ここでの出来事って初見だと結構衝撃かもしれませんね、伸明が取り乱すのも仕方ないさ、智恵美関連の事で説明求められれば怒鳴っても仕方ないさ、こればっかりはそう簡単に割り切れるものでもないと思う。
正義感と正論だけでは人を救えない。
どちらか1人しか救えないのなら赤ん坊と老人のどちらを救うべきか?と問われたら簡単に答えが出せるものではない。
これはそういう難しい問題だ……
智恵美の父の手紙を見て鳥居を目指した伸明は小さな鳥居と積み上げられた石、朽ち果てたうさぎのぬいぐるみがある異質な空間に辿り着く。
そこで見付けたのは死体。
奈津子……本多奈津子は単なる同姓同名なのか?というミステリーとホラーの絶妙なる融合。
二次元のヤンデレは弱点だからやめてください←
知っててもやっぱ「フフッ」ってなりますよね!
分かってても防げないから弱点なのだから。
あ、出た里緒奈ちゃん。小説でじわじわ好感度上げてきて好きなキャラになった子。
王様ゲームを終わらせることが出来るのは「人の顔した悪魔」……か、なるほど。
あー……輝晃の語る夢と笑顔が辛い。
輝晃の覚悟と奈津子の取り乱しっぷりが双方輝いてます。これも対比の一種ですよね、何としてでも生き残るではなく、「他を犠牲にして自分は五体満足で生き残る」この醜悪さが正体。
4巻で起こるのは裏切り。
人を突き動かすのは絆。
でも、信頼は人前で醜態を晒した人に向けられることもある。
それもまた、人の真理。
目的地が指定され、8時間毎に最も遠い場所の者が罰を受けるサバイバルレース。
どう足掻いても必ず犠牲者が出る以上、伸明にはキツい指令。
里緒奈ちゃんは漫画で見たほうが分かりやすいかもしれませんね、表情がもう笑
これもうちょっと頑張ったら初期のカイジみたいな心理戦できたかもなぁ~
そう思うと本当に惜しい。
どこまでも女心が分かっていない伸明でした。
肝心なとこをぼかされてるから仕方ないのかもしれませんが、僕は気に入らなかった。
迷路とか迷宮って言葉が似合いそうな獣道を薦めた老夫婦は一体何者なんだろう?
善意なのか悪意なのか。
奈津子が狂ってるのは分かるけど、伸明は奈津子の否定ばっかじゃなくてもう少し向き合う選択肢もあったと思う。
まあ、その道を選んだら多分、奈津子の一人勝ちだろうけど。
うん、里緒奈ちゃんはやっぱり可愛いな!
そして強くなったよなぁ~、里緒奈ちゃん。
我が儘で強気で高飛車なお嬢様だったのに立派になって……泣ける←
報われないラストというのが特徴的ではありますが、王様ゲームを終わらせることが出来る人間は人の姿をした悪魔というキーワードと終極がある意味繋がった瞬間……というものは感じました。
一応フォローしておくと、終極というタイトルではありますが、シリーズ第2作なので続きはあります。
点数とか感想から禁じるほどは作品を低評価はしてないし、嫌いではないです。
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