・タイトル
バッテリーⅤ
・本の概要
「何が欲しくて、ミットを構えてんだよ」――天才スラッガー門脇を有する横手の試合を控え、練習に励む新田東中。
だが、巧と豪のバッテリーは、いまだにすれ違ったままで…?
「おれはおまえの球を捕るためにいるんだ。ずっとそうするって決めたんじゃ。何があってもそうするって…本気で決めたのに」
天才スラッガー、門脇のいる横手二中との再試合に向け、動きはじめる巧と豪。
バッテリーはいまだにぎこちないが、豪との関わりを通じて巧にも変化が表れつつあって―。
文庫版には、横手の幼馴染みバッテリーを描いた書き下ろし短編「THE OTHER BATTERY」も収録。
・著者情報
・点数 88点
表現力☆☆☆☆☆
深み☆☆☆☆☆
芸術性☆☆☆☆☆
ストーリー性☆☆☆☆
読みやすさ☆☆☆
・感想
まず初めに、この作品は全6冊ある小説の5冊目の感想です。
1冊毎の読み終わりの感想と、全体を読み終わっての感想で異なる部分は正直あるかと思われます。
なので、ここではあくまで、『バッテリーⅤ』に関する読んでる時のリアルタイムでの感想を中心に書いています。
作品全体を通した書評はまた改めて書く予定です。
そして、以下の感想は内容に触れているので、ネタバレが気になる方はご注意下さい。
冒頭の巧の心の声から、周りの殆どが嫌いなことが分かり、弟・青波への複雑な想いや、豪に対する本音も見えました。
分かってはいたけど、我が儘で傲慢、それの極みだね、これは。
祖父・洋三さんが見た巧と、弟・青波が見た巧には隔たりがある。
家族と言えど、感覚も違うのも要因だと思うけど、病弱な青波だからこそのプライドがあり、そんな青波だから見える巧の姿なのかもしれませんね、こういうのってちょっと面白いです。
人によって見え方違うって面白い。
巧とバッテリーを組めば甲子園も夢とは言えない。
が、高校になっても巧とバッテリーを組むのはしんどいし、考えたくもない……か、辛辣だけどストレート。
それ故に傷付かないか。本音だからってのもあるだろうけど。
あとは海音寺さんが言ってた信頼という言葉だけでは片付かないドロドロした感情が集約された言葉かもしれません。
豪との間でごちゃごちゃしてたり、瑞垣に煽られたりの巧の怒りのような感情は思いやりで助言してくれてる祖父にも牙を剥く?
抑えきれない感情が爆発した時、巧に起こる化学反応はどんなものなのだろう?
瑞垣くんの態度にしても、巧の成長にしても、豪の変化にしても、本当に生意気な子供達だとは思う。
それ自体は悪くないし、おおいに結構。
ただ、瑞垣くんの自分は掻き乱すような煽る発言するくせに自分がからかわれるのは許せないのかな?と思わせる中途半端なプライドの高さは嫌いかな。
巧と豪は元々友達ではない。
ただ己の欲を満たす為に相手を利用しているエゴイストだ。
でも、それでも、本当のバッテリーらしくなってきた。
そして、謝ったり解ろうとしたり、巧の中で明らかに変化が起こっていた。
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