・タイトル
LIAR GAME
・本の概要
ある日、突然送られてきた小包。
その中には「おめでとうございます。あなたは10万分の1の確率をくぐり抜け、ライアーゲームにエントリーされました」という手紙と、現金1億が同封されていた。
それがゲームのスタートだった。30日後のゲーム終了日に、自分の所持金1億円を返還する。
ルールはそれだけ。首尾よく対戦相手の所持金を奪うことの出来た勝者は1億円を手にし、敗者は1億円の負債を背負う…。
誰を信用するべきなのか、誰を信用してはいけないのか…。
大金を前に揺れ動く、人間心理を描画した問題作!
・著者情報
甲斐谷忍(かいたに しのぶ)
生年月日 1967年9月24日
出身地 鹿児島県職業 漫画家
活動期間 1994年~
ジャンル 青年漫画
代表作
『ソムリエ』
『ONE OUTS』
『LIAR GAME』
受賞歴
第42回手塚賞準入選『もうひとりの僕』学生時代は音楽バンド活動に熱中し、大学では情報処理工学を専攻してコンピュータ・プログラムを学ぶ。
大学卒業後、中越パルプ工業株式会社入社。
富山県高岡市に配属されていた時期にヤングマガジン月例賞に投稿し、初投稿作が佳作受賞。
1991年に第42回手塚賞(ストーリー部門)準入選の後、会社を退職し、1993年に漫画家デビュー。
1994年に『週刊少年ジャンプ』にて、『翠山ポリスギャング』で連載デビュー。1991年に『もうひとりの僕』で第42回手塚賞準入選受賞。
1996年、『MANGAオールマン』にて、『ソムリエ』(原作:城アラキ)を連載開始。
ドラマ化もされ、一躍ワインブームの先駆けとなる。1998年、『ビジネスジャンプ』にて、『ONE OUTS』の連載を開始。
今までに無いタイプの異色野球漫画として人気を博した。2005年、『週刊ヤングジャンプ』にて、『LIAR GAME』が短期集中連載。
好評を受け、再度集中連載された。大の競馬好きであり、『LIAR GAME』の登場人物の名前は実在の競馬関係者に由来するものが多い。
元々は「漫画の登場人物の名前を覚えていくのが大変で、『ONE OUTS』のときはしばしば混乱してしまった」ことから、「顔とイメージが一致するジョッキーの名前を使う」ことでその問題をクリアしようと考えたことが契機。
当初はJRAの騎手の名前を使っていたが、最近は「いよいよ名前が足りなくなってきた」ため地方競馬の騎手や引退した騎手の名前を使うことが多いとのこと。
子供の頃に特に影響を受けた作品は鴨川つばめの『マカロニほうれん荘』。
絵柄は能條純一、上條淳士、望月玲子の影響を大きく受けている。
大学の専門は電子工学であり、大学時代はパソコンゲームのプログラム作りにはまっていたため『LIAR GAME』のゲームを作るのは得意。
2000年に連載された『太平天国演義』が、連載誌『MANGAオールマン』の休刊(事実上の廃刊)により、連載は中断され、ビジネスジャンプ増刊『BJ魂』にて単発的に続編が掲載されるも、未完のまま中断。
その後、『週刊ヤングジャンプ』2008年23号の後書において、「100万円を1日で使いきるとしたら?」という質問に対し「『太平天国演義』第4巻を自費出版する」と答えていることや、LIAR GAMEの連載終了時の自身のTwitterの発言から察するに、自作に対する思い入れや理想の終わらせ方へのこだわりは強いほうの作家に思えます。
・点数 72点
ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆
没入感☆☆☆
・評価
正確には星3.5相当の評価です。ちなみに、旧採点方式では星3でした。
基本的には興味深くて面白みのある心理戦ではありますが、(僕の場合は)中弛みが酷い部分があったので、辛口評価です。
ただ、最終的に作品を通して読者に伝えたかったであろうメッセージには考えさせられるものがあり、ちゃんと受け取ったつもりです。
緻密な心理戦・頭脳戦・化かし合いをしているわりにはそういう凄さを表す画力ではないように感じました。
が、これが画力に定評のある作画担当だった場合、文字数+絵の情報量でどっと疲れる作品になりそうなので、これはこれで正解だったと思います。
画から伝わる表現力はあんまり感じませんでしたが、代わりに読みやすかったです。
設定は伏線込みでかなり細かく作られていて、最後まで読むと「なるほど」と思い、納得する内容になっています。
が、前半のテンポよくLIAR GAMEをするところ(実写化もされた部分)はまだしも、後半の模擬戦→本選の流れや、過剰な程行われる◯◯◯◯戦に長過ぎてだれる。と思う箇所がちらほらありました。
その分、いろんなゲームが楽しめるのは良かったですが、もう少しテンポは上げてよかったのではないか?と、改めて読むと思いました。
当時のライブ感ではこっちのがよかったのかもしれないので、ここら辺は何とも言えませんが。
理由は後述の感想部分で書いてますが、個人的な理由で途中全く集中出来なかったので減点、読み終わりの満足感は一定数あるので、没入感は中間点です。
以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いてます。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
・感想
実写化もされた人気作……というよりは、実写版が人気出過ぎて一人歩きとは言わないまでも、確立した人気を博した作品でした。
側は同じなので、基本的には同じ展開で話は進みますが、登場人物の設定の変更やゲームの名称の変更等、ドラマ・映画として見やすい方向に変わっています。
読んだ感想としては、原作版のほうがキャラクターも少なく、人間関係も比較的シンプル。
協力・敵対の理由も分かりやすい印象を受けました。
逆に原作漫画は作者さんが続編を書く気でいた為、綺麗には終わってませんが、実写版はドラマ2シーズン、劇場版を経て綺麗に完結をしています。
ここら辺は好みの問題だと思うので、興味があるならどちらも見てみることをオススメします!
3、4年前ぐらいに久々にドラマのLIAR GAME見たら戸田さんが可愛すぎてビビりました。
余談はさておき、ここから漫画版のレビュー?感想をちゃんと書いていこうと思います。
LIAR GAMEとは、簡単に言えば、突如1億円が送り付けられ、時間制限(ゲームの終了時刻)にその1億円を返還する。ただし、それ以上獲得した場合は貴方のものです。
というルールの悪魔のゲームになります。
直訳すると、嘘つきのゲーム。
この名称は本当によく出来ていると思います。
改めて見ると脱帽です。
普通に相手から大金を騙し取り、相手を借金地獄に落とす代わりに自分は大金を得る。
そう解釈して騙し合いのゲームと捉えることも、カンザキナオのように、全員が得しようとしなければ誰も損はしない、人を信じて助けることが出来るゲームと信じることも出来る。
それぞれの思惑もしくは事情で参加しているLIAR GAMEは心情や心理の描写を描き過ぎず、ごちゃごちゃさせてないところがよかったです。
特に序盤は読者置いてけぼりのような展開の後の解説編に一種の面白さがありました。
ただ、中盤以降の運営側の仮面のディーラーがモニター越しに的外れな解説するのはテンポも悪くないし、自己主張激しいわりに考え方が浅はかなので終始イライラして嫌いでした。
この作品で唯一嫌いなところです。
作中でキャラクター達が実際にお金を奪い合うゲームは数多くあります。
最初はシンプルに相手から1億円を奪うor守る1対1の「1億円奪い合い」
ルール上、誰かから1億円を奪った者しか参加出来ない第2のゲームは、少数派のみが生き残れる「少数決ゲーム」
福永さんが暗躍するゲームでお馴染みですね!
あらゆる物が売買出来ること、武器や法に触れる物以外なら持ち込み自由なことが事前に告げられていた「リストラゲーム」
必ず脱落者が1人出るというルールに対してカンザキとアキヤマの出す答えは……
LIAR GAMEの本当の意味に触れるエピソードでもあります。
3巻に跨ぐ中編エピソード「密輸ゲーム」
9vs9のチーム戦、これまでの敵が全員味方で敵は完全初見の心理戦。
冷戦中の国同士が相手の関税を出し抜いて自国のお金を奪還するゲーム……と見せかけて?
ゲームの名称とルールが若干騙し討ちのようなこのゲームは実にLIAR GAMEらしかったです。
ヨコヤさんの禍々しさも言い感じ。
次のゲームは3vs3のチーム戦且つ先鋒、中堅、大将でゲームが異なります。
先鋒戦はフクナガの当番回、「24連装ロシアンルーレット」
ディーラーが公平性を保とうとすればするほど生まれる不公平という皮肉がちょっと面白かったです。
中堅戦はアキヤマの当番回、「17ポーカー」
17枚のカードで行うポーカーということで、JOKERの役割が非常に大きいです。
対戦相手がとある必勝法を掲げてアキヤマを追い込みますが……
作中で初めて本気で人を潰そうとするアキヤマが見られる貴重回。
大将戦はカンザキの当番回、「回らないルーレット」
カンザキナオには不利すぎるルールにフクナガの取った行動は……
そして、アキヤマの弱点が発覚。
個人的にはここだけでも読む価値がある(ドラマには)ない「感染ゲーム」
ウイルスはあっという間に感染する。
でも、対策さえしっかりしてればそう簡単には感染しない。
つまり、そういうことです。
作中の展開としては、運営の詭弁により、予選が開かれることになり、せっかく増えた仲間と分断されてしまいます。
島の中を動き回り、イスを確保し、相手に取られないようにする。
広大なフィールドと音のないイス取りゲームは斬新過ぎる!
作中初のガヤ(予選敗退者)も強制参加するLIAR GAME。
自分の価値をアピールし、他者に入札してもらい、値段を決めてチームを決める「入札ゲーム」
悪魔的ルールでありながら、最終決戦を前に大事なゲームでもある。
先んじてLIAR GAMEの正体に気付いたヨコヤが先手必勝の一手を打ち、カンザキ・アキヤマを苦しめる。
一方で、フクナガは分断されてもカンザキの意思を継いでいたことが発覚し、カンザキさん的には心揺さぶられまくるエピソードと言えるかもしれません。
最後のゲームは「四国志ゲーム」
魏・呉・蜀・倭に分かれて戦うチーム対抗戦。
魏に属するカンザキ、倭に属するアキヤマ、初めて敵対する二人の行方とヨコヤの目的に着目の最終決戦!
同じチームにいながら相反する考えを持つカンザキ・ヨコヤのどちらが勝つかの明言は当然、避けますが、結果に対してLIAR GAME事務局はその正体と目的を明かします。
そして、国境を越えた大きな闇は動き出し……
物語はここで一旦完結という形を取ります。
連載終了時点では、続編への意欲を見せていた作者さんですが、出版社の変更と相次ぐ新連載で現実味があるかは定かではありません。
不可能でもないとは思いますが、正直今更感もあるし、こういう終わり方もLIAR GAMEらしいような気がしてます。
ちなみに、上記で伏せた◯◯◯◯戦は敗者復活戦です。
主人公であるナオちゃんのこだわりだから仕方ないけど、ちょっと多すぎたので、実写版ぐらいのテンポ感で読みたかったなぁ~
・まとめ
実写版との大きな違いは、フクナガさんとヨコヤさんの立ち位置が異なること、それに際して、原作の展開に沿えるようにオリジナルキャラクターを登場させたことです。
劇場版の再生に関してはほぼオリジナルだと思います。
アリスとか出なかったし、第2のヒロインもいなかったので。
多分、独自の形で完結させる為に作ったエピソードだと思います。
違ってたらすみません。
設定や名称の変更や登場キャラクターを増やしながらもドラマ版の展開はほぼ原作に近くなるように工夫されていたので、途中で原作に追い付いてしまったわりにはかなり原作リスペクトだったと思います。
漫画は仮面以外は概ね好きなんですけど、如何せん仮面の自己主張が激しいのがネックなんだなぁ~
っていうのが個人的な意見です。
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