神黎の図書館

主観によるグラフ+点数+感想を綴る読書感想文風書評ブログです。月間で読む漫画は150冊~200冊。小説や映像作品についてもちょこちょこと。

不能犯

[まとめ買い] 不能犯

・タイトル

不能犯

・本の概要
数々の変死事件現場に現れる謎の男・宇相吹正。
しかし、誰も彼の犯罪を証明することが出来ない。
人は彼を、犯罪を立証することが出来ない容疑者「不能犯」と呼ぶ…。
憎悪、嫉妬、欲望、そして愛……
宇相吹は依頼人の歪んだ思いに応え、次々と人を殺めていく…。
戦慄のサイコサスペンス開演!

・著者情報

原作 宮月新 漫画 神崎裕也

宮月新
宮月新(みやつき あらた)
職業 漫画原作者
活動期間 2013年~
ジャンル 青年漫画、サスペンス
代表作(どちらも原作担当)
不能犯
『シグナル100』

2013年、『グランドジャンプ』10号にて『不能犯』の連載が開始され、原作を担当。

2015年、『ヤングアニマル』の新連載攻勢第1弾作品として15号より『シグナル100』の連載を開始。

2019年8月、『シグナル100』の実写映画化を記念して、スピンオフ作品である『シグナル100 零』の連載を『マンガPark』にて9月5日より開始。

2019年9月、『ヤングアニマルZERO』にて、創刊号より『去勢転生』の連載を開始(後にヤングアニマルに移籍)。

2020年2月、『マンガPark』にて『救い給え、殺り給え』の連載開始。

心理戦や催眠術をテーマにした原作漫画が多いのが特徴。


神崎裕也
神崎裕也(かんざき ゆうや)
出身地 熊本県
職業 漫画家
活動期間 2001年~
ジャンル 青年漫画
代表作
ウロボロス -警察ヲ裁クハ我ニアリ-」

2001年25歳の時に第5回ヤングジャンプ月例MANGAグランプリにて「ツキノマホウ」が佳作と月間ベスト賞を受賞。

数度の読切を経て、2005年に『亜熱帯ナイン』で『週刊ヤングジャンプ』に初連載。

2009年、『週刊コミックバンチ』にて『ウロボロス -警察ヲ裁クハ我ニアリ-』を連載開始。

・点数 100点++

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
オリジナリティ☆☆☆☆☆
テンポ☆☆☆☆☆
熱中度⭐⭐☆☆☆

・感想
単刀直入に言うと、めちゃくちゃ好みの作品でした。
人間の愚かさ、醜さ、哀しさ、愛おしさを様々な角度から描いているのもよきでした。

原作者・宮月さんの得意分野、心理戦と催眠術は遺憾なく発揮されています。

心理学に基づいた催眠術、マインドコントロールを駆使して犯行・依頼の遂行が行われる設定の為、原理の説明の際に様々な心理学用語が出ます。
聞き慣れなかったり、難しかったりしますが、結構核心を付いていることもあり、非常に勉強になる部分があります。

そんな立証不可能な犯罪者、宇相吹正を追えば追うほど闇に堕ちていく。
真っ直ぐで熱いハートと正義感を持った熱血刑事ですらも、正義と悪の狭間で揺れ動く。

正義とは何か?悪とは何か?
正義は存在するのか?
それすら思い込みなのか?
正義を捨てなければ止められない悪が存在するとしたら正解は何なのか?
正義絡みで問いかけられる問題は山積みでした。

また、共感力が高いと破滅に向かってしまう可能性があることも哀しく、時に切なく描いています。

クライマックス場面では、悪の概念と正義の象徴の正面衝突が描かれます。
見出だした答えについては、衝撃を受ける方と予想の範疇という方の半々だと思います。
僕は後者でしたが、とても楽しめました。

結末は賛否両論分かれるかもしれませんが、この作品らしく、話の流れからして最も自然な形だと感じたので、僕はとても好きです。

大筋のストーリーは不能犯の宇相吹を逮捕したい多田刑事と、「死ぬ為に生きている」という理由から「自分の能力が効かない≒自分を殺せる稀少な存在」として多田刑事に執着する宇相吹さんのいたちごっこなのですが、
宇相吹・多田によって人生に何かしらの影響を受けるキャラクターが多数出てきます。

というのも、この作品の(巻数毎の)エピソードタイトル毎に異なる依頼者とターゲットが出るからです。
その内何名かは更なる混沌の闇に堕ち、再登場もあります。

そこで改めて、正義や悪の概念を考えさせられたり、人間の愚かさの意味を問われたり、簡単には語れない深い作品でした。

また、人間の感情をダイレクトに表す画力の高さも作品の魅力です。
登場するサブキャラクターの多さから一部絵柄が似通う部分もありますが、そのキャラ同士の共演はないので特に問題はないです。
ということでご愛敬。


・まとめ
個人的に人間の感情の変化や反応、深層心理等に興味があるということもあり、様々な意味で楽しませてもらった結構好きなタイプの作品でした。
救いがあるかは人によりますが。

また、この作品には小説版と実写版もあります。
漫画に抵抗はあるけど、内容は気になるという方はそちらも一考の余地はありかと思われます。


小説

実写


・おまけ
偶然か必然か、昨年のおうち期間にハマっていた漫画の作者さん同士のタッグでしたので、その際に書いた過去記事をそれぞれ関連リンクとして貼り付けておきます。
興味があればどうぞ~。


虐殺ハッピーエンド
gamemachine-alternativeshinku.hatenadiary.jp


ウロボロス
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