神黎の図書館

漫画・小説・映画・アニメ・ドラマを主観によるグラフ+点数+批評+感想を綴り、作品の評価をあらゆる形で視覚化したブログです。有名な作品から掘り出し物的な作品まで生涯の内になるべく多くの作品に触れて伝えていけたら本望です。

(漫画版)人狼ゲーム ビーストサイド

【コミック】人狼ゲーム ビーストサイド(全3巻)

・タイトル

人狼ゲーム ビーストサイド

・本の概要

同じ高校の生徒同士で殺し合う「人狼ゲーム」に強制参加させられた仁科愛梨。
″村人″と″人狼″に分かれて闘う殺戮ゲームを、村人として勝利した愛梨だったが、そのまま解放されることもなく、新たなゲームに参加させられてしまう。
そして、今度の役割は、仲間たちを惨殺すべき″人狼″だった。

・著者情報

原作 川上亮 漫画 小独活

原作 川上亮
川上亮(かわかみ りょう)
別名義
秋口ぎぐる(あきぐち ぎぐる)

1976年生まれ
職業 ライトノベル作家

2004年8月グループSNEに加入し、基本的にグループSNEのメンバーとして活動する場合は「秋口ぎぐる」名義を、個人として活動する場合は本名を使用。

『並列バイオ』で第10回ファンタジア長編小説大賞・審査員特別賞を受賞。
受賞作では、文章中に「=」や「/」などを使った独特の文体が注目を集めた。

川上亮名義の作品『ラヴ☆アタック!』で第1回カドカワエンタテインメントNext賞を受賞。

川上亮名義でデザインしたボードゲーム『キャット&チョコレート』で2013年の日本ボードゲーム大賞投票部門を受賞。


漫画 小独活
小うどん/小独活
職業 漫画家
活動期間 2014年~
代表作『人狼ゲームシリーズ(コミカライズ)』

アミューズメントメディア総合学院卒業生。
アシスタント活動などを経て2014年に竹書房の月刊キスカにて、「人狼ゲーム」のコミカライズで連載漫画家デビュー。

点数 96点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆

・感想
基本的にこのシリーズに対する好感度が高いので、多少は甘く見てる部分はありますが、ぶっちゃけビーストサイドのほうがストーリーとしては面白いと思っています。
というのも、リアル人狼ゲームにおいては人狼サイドのほうが精神的にキツいと思ったからです。
バレたら死ぬ。殺らなきゃ死ぬ。仲間はいても……。
人狼に選ばれてしまい、やるしかない葛藤、壊れていく様がわりと奥深い。
原作と異なる設定ながら、ビーストサイドに相応しいエピソードと言えると感じたので、ストーリー面の評価を最高点にしました。

ネタバレ回避の為、詳しくは下記で。という形を取っていますが、グロさがかなり増しました。
そして、主人公が人狼サイドなので色々な意味で凄惨であり、それを見事に表現した画がお見事でした。

前作同様に、いや、前作以上にキャラクターに与えられた役割は大きいです。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが……気になる方は後述にて。

内容のベースは一緒で主役が異なるという思い切った演出のコミカライズ版のビーストサイドでしたが、これはこれで面白かったです。
主役を変えたからこそ生まれた演出、この子でなければ成り立たなかったラストは結構気に入りました。

前述してますが、不思議なもんで、傍観者として見てる分には人狼サイドに割り振られてしまった高校生を見るほうがしんどい、でも面白い。というジレンマに揺れました。
主人公が変わっている為、ちょっとどうなるか分からなかったのもあり、結構没頭しました。
後は後述で。


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
また、実写版との違いについても触れています。



まずはじめに、小説・実写版と主人公が異なります。

というのも、主人公である仁科愛梨を含めて、前作の生き残りである2人が「スペシャリスト」として、人狼ゲームの後半戦で闘う姿を描いているからです。

とはいえ、大筋のストーリーは近いです。
相違点は前作の生き残りコンビの他にも3人目の人狼(別の場所での生き残り)がいたり、人狼の数のバランスに合わせて、村人側に″予言者″の他に″用心棒″がいること、一部キャラクターのクズさが全開なこと、実質自死に近いキャラクター達の死ぬ理由が明確化されている。

ここら辺は尺の都合に囚われない分、説明されてたので分かりやすかったです。
死ぬ順番というか投票と処刑が逆のキャラクターもいました。
ここら辺は誤差の範囲というか、見てる側の心情により効く演出にしたって感じですかね?
そう解釈してます。

人狼側になる前作の生き残り2人以外のキャラクターの名前と作中での役割はほぼ一緒です。

ですが、主人公が変わってる影響で個人的に好きな実写版でのシーンはなかったのでそこは残念です。

また、前作ではグロ描写ながらもわりとあっさりしてて読みやすかったですが、今作は人狼側のせいか、寄りの場面、アップの画も多く、投票による処刑を運営が首輪で行う設定に変更された為、かなり鮮明にグロいです。

実写で言ったら首輪が締まって首や顔中から真っ赤な血を噴き出して思わず目を伏せるキツいと思った場面が、ちゃんと首輪が爆散して首や顎が吹き飛び、目玉等が飛び出す凄惨な描写がきちんと描かれています。

人狼が3人に増えたことにより、予言者がテキトーにやったとしても4分の1の確率で人狼を当てられますし、逆に当てた場合は上手く誘導しないと自分が予言者だとバレるリスクがある……という状況は見る側としては面白いかもしれません。

また、ラストの展開はどちらかと言えば、5作目のラヴァーズに近いです。
コミカライズだと、この後のクレイジーフォックスまでは原作と同じ順番ですが、その次がロストエデンなのでこういう終わり方にしたのかも?

本来の主役の女の子は村人として必死に生き残り、人狼として狂い咲き、負けたのに勝ったという結果や最後のやりとりのせい?で解放されても心がぶっ壊れた状態なのが印象的でした。

漫画版の主人公は絆フラグを全て断ち切って前作から更に暗黒進化をするというか、前作が成長期から成熟期だとすると、今作は完全体、究極体って感じです。

心の壊れ方の種類が違い、初めて実写の人狼ゲームを見た時に、この子(桜庭ななみちゃん演じる仁科愛梨)のその後が見たいと思った願いはある意味叶いました。

これあれだなー、前作と今作セットでアニメ化して花澤さんに愛梨ちゃんやって欲しいなー
っていう妄想をしてみたり。


・まとめ
前作とは違う意味で原作小説読みたくなりました。
土屋太鳳ちゃんが演じたあの子の本来の気持ちはきっとそこに書かれているはずなので。

主役を変えて流れを汲むという大胆なアレンジでしたが、面白かったです。

実写版のビーストサイドが府に落ちずにダラダラ文句垂れてた人は読むとなんか分かるかも?


コミック

電子書籍(まとめ買い対応)

関連商品

おまけ