神黎の図書館

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お盆を繰り返す町で巻き起こる夏の冒険『盆の国』

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盆の国 (トーチコミックス)

・タイトル

盆の国

・本の概要

お盆を繰り返す町で巻き起こるエンドレスサマーストーリー!
お祭り、夕立、花火、恋…いろんな夏が詰まってる。
お盆に帰ってくるご先祖さまの姿が見える女の子、秋。
会えないはずの人たちに、もう一度会える楽しい季節。
このままお盆が続けばいいのに…
ふと頭に思い浮かんだ妄想は、なぜか現実になってしまう。
同じ一日を繰り返す町の中で出会った謎の青年・夏夫と、誰も知らない不思議な冒険がはじまる……。

・著者情報

スケラッコ

愛知県名古屋市出身で京都在住の漫画家。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。
本名・生年月日非公表、
活動期間 2013年~
ジャンル 青年漫画、料理

多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業後に京都の会社に就職し、デザイナーとして勤務。
2013年、『大きい犬』でデビュー。

・点数 68点

ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆
キャラクター☆☆☆☆
設定☆☆☆☆
没入感☆☆☆

・評価
基本的には面白くて奥深い作品だとは思うんですけど、ちょっと分かりづらいかもしれません。
あと2、3巻あればごちゃごちゃせずにもっといい作品になりそうなポテンシャルでした。

ファンタジー要素の崩れるような演出や、部分的なホラー演出は工夫されてましたが、全体的に少し粗削りかな?って印象は受けました。
ただし、それがマイナスにならない強みがしっかりあって、別の技術を感じました。

単巻で終わってしまうので、キャラクター数は少なめです。
それ故に魅力的とまではいかないのですが、読み終わりに「なるほど」と合点がいく役割を登場人物が担っているので、構成としては◎だと思います。


終わらない夏休み風味の永遠にお盆を繰り返す摩訶不思議な世界観はよかったですし、望んでいた世界なのに元に戻そうと奔走するところは子供らしくて好きでした。

読み終わりの満足度はわりとあるのですが、やはり設定に対する巻数の少なさがネックでした。
巻数増やしてリメイクしてほしい作品です。

この点数に落ち着きましたが、旧採点方式では84点の作品ですので、個人的には結構好きな作品です。


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
全1巻の為、単巻レビューと同一化しており、直感的な感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。


盆の国 (トーチコミックス)


・感想
幽霊の見える少女、秋が主人公のお話。

15日なのか、16日なのか……
え?
どっちかは認識が間違ってるってことですよね?
何故、16日だと思ってるかが説明出来たとしたら?
もしくは証明出来なかったとしたら……?
ちょっと恐怖を感じました。

これは……つまり、終わらないぼくのなつやすみ状態ということですね?

15日を何日も繰り返しつつ、ご飯や天気はその都度変わる……なるほどなるほど。

異変に気付いてるのは自分ともう1人、見知らぬ大人。
おかしくなってるのは世界中なのか、一定範囲なのか……

秋にフレンドリーな見知らぬ男性の正体とは……。

お盆に出てくる霊と、成仏出来てない霊の違い……あんまり考えたことなかったですけど、確かにこれは意味合いが大きく変わりますよね、ふむ……。

成仏出来てない幽霊に生者が出来ることって何だろう?
同情なんて烏滸がましいのではないだろうか……
こういう時に余計なお世話に感じるのは相手が生者だろうが、死者だろうが、関係ない。
改めてそう感じました。

黄泉の道?みたいなところで「カナカナカナカナ」って鳴き声するのは怖いことが分かりました。
これは何とかのなく頃にのトラウマなのでしょうか?

紆余曲折を乗り越え、無事に8月16日を迎えた時に秋はどう成長しているのか?
そこにも注目しながら見てましたが、1巻で終わるのは勿体ない内容だなぁ~と思いました。

もう会えない人と会えるなら、お盆がずっと続けばいい…って、思ってしまう気持ちは分かる気がします。
年齢や状況次第で変わるとは思いますが、必ず現れると思うんです、そういう人……

類似のことで言いますと、夢にしか会えない……夢が覚めなければ、夢が続けば、明日ももう一度……ってやつですね、そっちのほうが一般的な気がするので、分かりにくければそっち方面で考えるといいかもです。

いい作品でした。



おまけ
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