神黎の図書館

漫画・小説・映画・アニメ・ドラマを主観によるグラフ+点数+批評+感想を綴り、作品の評価をあらゆる形で視覚化したブログです。有名な作品から掘り出し物的な作品まで生涯の内になるべく多くの作品に触れて伝えていけたら本望です。

青春ストーリー ドアホ大阪走り屋漫画:『ナニワトモアレ』

ナニワトモアレ [少年向け:コミックセット]

・タイトル

ナニワトモアレ

・本の概要

ドアホ大阪走り屋漫画!!
グルグル大阪、バチバチ環状!
三度のメシよりナンパが好きな浪花の青春ストーリー。

「ごっついローンも屁じゃないど。買うたらんかい、新車のシルビア。テクはないけど、スケベ根性負けません。男18歳、環状デビューじゃい!!」

・著者情報

南勝久(みなみ かつひさ)

生年月日 1971年5月30日
出身地 大阪府岸和田市

中学校を卒業後、配管工や木工所勤務など多くの職を経て、1999年、『ナニワトモアレ』で第41回ちばてつや賞準大賞を受賞し漫画家にデビュー。

環状族の経験があり、その経験を基にした走り屋漫画を発表。
環状族時代には、スプリンタートレノ(AE92型)、カローラレビン(AE86型)、シルビアS(13型)等に乗っていた。
特にS13シルビアは『ナニワトモアレ』における主人公の愛車のモデルとなっている。

・点数 56点

ストーリー☆☆
画力☆☆
キャラクター☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆

・評価
テーマが実在した特殊な世界の話なので何とも言えないのですが、平成以降育ちの大半の人にとっては恐らく理解に苦しむストーリー性な気がするので、分かりやすさは0。
ただし、主人公が猪突猛進バカなので行動は読みやすいという点ではある意味分かりやすいと言えます。
そして何より深みが一切ない。そこがこの作品の凄いところかもしれません。
とはいえ、昔こういうことが実際に多発していたという黒歴史的な伝記として見れば一定の面白さはありました。
ここから先も比較的酷評してますが、別に嫌いな作品ではないです。
一定層の男の子には普通に刺さる気もしますが、影響を受けて真似するのはダメですよ?

基本的に画で圧倒されるような場面はほとんどなかったですが、雨の中のカーレースやエロ描写は結構力入ってのかなー?とは思います。
特に、雨のカーレースはそれなりに迫力ありましたので、そっち中心でやればよかったのにね?って少し思います。
そんなのは作者の自由なんでこちらがとやかく言うことではないですが。

一応カリスマ的存在となるチームの要となるキャラクターは複数います。
が、如何せん主人公とツレがウザすぎる上に自己主張強くてそいつらには全く魅力を感じなかったので減点です。
僕の書評基準だと、嫌い過ぎるとそれはそれでカリスマなのでは?論を多く採用してますが、重ねて言う程に彼等には魅力を感じなかったので邪魔な存在として認識し、こういう結果に繋がりました。
勿論、彼等を好きな人もいるでしょうし、もしかしたらそっちのほうが多い可能性もありますが、作品全体の品性を曲げかねない行動を取った彼等を評価するのは僕には無理です。
続編ありきの書評でなら話は変わるかもしれませんが、このブログはあくまでもそれぞれの作品についての評価なのでそこは考慮しません。

設定面は唯一の満点箇所です。
かつての大阪・環状族という実在した文化を丁寧にしっかり描いているので、環状族が何なのか、彼等の目的や仲間意識、卒業のタイミング等が分かりやすく描かれています。
純粋に大阪の環状族の1つを追いかけるストーリーでそれぞれの抗争を描いた作品なら好きと好きと言えたのになぁ~
半分はこれに該当するので、作品としては一定の面白さは保証されていると思ってもらって構わないです。
後は感情の問題です。

イライラするのは集中出来てない証拠であり、もう一度読みたいとはまず思わない。
それどころか、主人公が変わらないのであれば続編は読みたくないとすら思える嫌悪感を主人公とツレに抱いてましたので、これはこれで貴重な経験でしたね(笑)
でも、作品を読んでの後悔はないです。
環状族について丁寧に描かれていて勉強になったのは事実なので。
純粋にアイツらが嫌いなだけです。
逆に気になってくれたら書評冥利に尽きるかも?

ちなみに個人的な好みを優先する旧採点方式では80点だったので、本当に嫌いな作品ではないんです。
好みの部分に加点出来ないとこういう結果になりました。


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。


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・感想
あくまでも個人的な意見ですが、好きな部分と嫌いな部分が両立している不思議な作品でした。

面白かったところは独特の世界観でもある環状族の抗争部分、歴戦の覇者である先輩達が活躍する場面です。

気に入らなかったところは主人公組の存在と奴等が関わることのほぼ全て。

え?じゃあ、なんで読んでたの?って話ではありますが、作品そのものは嫌いではないし、面白かった部分もあるんですよ、全体の2割あるかないかぐらいですが。

いや、だから、じゃあなんで読んだの?って話ですが、読んでいる内に明かされるのですが、大阪の環状族というのは、どうやら平成の最初期に実在したものとのことなので、自分が生まれる前の大阪は一部ではこんな荒れてたのか……という勉強込みで読んでいた部分も大きいです。

結果として、終始イライラしながらも最後まで読んだことに後悔はないですが、学び取れることも特になかったです。
命の尊さや、家族の大切さ、仲間との絆の素晴らしさは知れますが、それは別にこの作品じゃなくても学べることなので……。

ただまあ、複数の環状族がいて、抗争があったり、ポリスマンとカーチェイスしたり、頼れる先輩達の引退式が華々しいパレード(環状レースが起こることもある)等、独特の世界観を形成しているので、自分がもしも中学生とかなら憧れた可能性はあります。

作中でも当時の現状でもそうらしいですが、大阪に関しては暴走族より環状族のほうが立場上だったらしいです。
ということは、抑止力になってた部分もなきにしもあらず……ですかね?

強い憧れを胸に、周りの制止を振り切って我が道を往くスタイルは18歳の時に夢を追いかけて単身で計画も無く上京した若かりし頃を思い出しました。

そもそも忠告を振り切っちゃう子達だから……まあ、トラブル三昧ってやつです。
顔を立てることよりも自分のプライド的な?

個人差はあれど、10代ってそういう無茶な部分というか無謀な一面ありますよね、血気盛んなのか勇猛果敢なのか……何にせよ、若気の至りって、若い内にしか経験出来ないので、見ててイラつこうが何だろうが尊いものだと思います。

この作品は、青春の全てを環状に捧げた男達の激動の物語です。


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