神黎の図書館

主観によるグラフ+点数+感想を綴る読書感想文風書評ブログです。月間で読む漫画は150冊~200冊。小説や映像作品についてもちょこちょこと。

孤高の人

[まとめ買い] 孤高の人(ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

・タイトル

孤高の人

・本の概要
孤独な青年・森文太郎は転校初日、同じクラスの宮本にけしかけられ校舎をよじ登ることに。
一歩間違えば死んだかもしれない、だが成し遂げた瞬間の充実感は、今までになかった「生きている」ことは確かに実感するもの…。
文太郎は、クライミングへの気持ちを加速し始めた――!!

・点数 92点

ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
オリジナリティ⭐☆☆☆☆
テンポ☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆

・著者情報

坂本眞一(さかもと しんいち)

生年月日 1972年7月19日
出身地 大阪府

1990年、「キース!! 」で『週刊少年ジャンプ』第70回H☆S賞入選。同作でデビュー。
写実的で筋骨隆々な男性描写が得意。
同期漫画家の野口賢山根和俊と親交が深い。

代表作に『モートゥルコマンドーGUY』、『益荒王』など。
2010年、『孤高の人』で第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。


・感想
この作品は非常に評価が難しい作品でした。
中弛みする作品や、終わり方がイマイチな作品はちらほらありますが、この作品に関しましては、取っ掛かりが難しく、且つ、じわじわ火が着くタイプの作品なので、最後まで読めて初めて一定の評価が出来る作品だと感じました。

ライミングというテーマや命懸けの登山、ザイルとの関係性はすぐに受け入れるのは難しいというかすんなりと理解するのは一般的には難しいと思うんですよね、その上、最初っから重っ苦しいんですよね……そこが癖になればこの作品の虜なんですけどね?

作風というかテーマ柄、「生と死」に重きを置いていたり、その中で起こり得るいじめと差別、軋轢等、終始重いです。
重いことそのものは嫌いではないですが、如何せん文太郎に関わってくる人物達の人間性が読む気を削いでくるという……

孤独な登山者の森文太郎は必然的に生まれるというか、人と関わろうとすれば邪魔が入る…まさに「どんより」と呼ぶに相応しい作品だと思います。

序盤から終盤にかけて続く伏線として、森文太郎と山の間で交わされる「孤独の契約」があるんですけど、この契約の活かし方は秀逸です。

この作品の魅力はストーリーそのものというよりは、森文太郎の歩む人生と心情なので、そこは読んで確認してもらいですね。

変な話、この作品の中で女を知らない森文太郎を襲う女の怖さの描写が凄すぎて圧倒されました。圧巻でした。
リアルさと獰猛さや危機を感じるような動物に例えたイメージの描き方には脱帽しました。
性描写の芸術性とかちょっと見てほしい気がします。

ネガティブなイメージとか、変なイメージを植え付けた可能性大だとは思うのですが、自ら孤独を選び、孤独を愛した男の人生の選択を見届けるハラハラ感とドキドキ感はそうそう味わえるものではないと思うので、そういう意味ではとても貴重な作品だと思います。

肝心な登山の部分についてですが、前人未踏のK2東壁に森文太郎がチームで挑むという長めのエピソードがオススメですね!
孤独を望む森文太郎がチームだと⁉️ってなること間違いなし、チームなのに人間関係最悪⁉️などなど、見所満載のエピソードなんですよ。
あえてこのエピソードを選んだのは、この登山そのものチームが文太郎と作品に大きな影響を与えるからです。

最後に重ねていいますが、別にオススメ作品というわけでも、面白い作品でもないです。
ただ、深くて芸術的な作品です。


孤高の人 文庫 (上)(下)セット

孤高の人 文庫 (上)(下)セット

  • メディア: セット買い


おまけ

252 生存者あり

252 生存者あり

  • 発売日: 2017/06/07
  • メディア: Prime Video