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『神の雫』神の気まぐれが生み落とした″一本のワイン″

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神の雫 1~最新巻(モーニングKC ) [マーケットプレイス コミックセット]
神の雫 超合本版(1) (モーニングコミックス)

・タイトル

神の雫

・本の概要

ソムリエ見習いの紫野原(しのはら)みやびは、知ったかぶりのお客の間違いを指摘し、その客を怒らせてしまう。
しかし、その客の連れとして来ていた神咲雫(かんざき しずく)の見事なデキャンタージュによって救われる。
実は彼は世界的に有名なワイン評論家、神咲豊多加(かんざき ゆたか)の息子だった。
神の気まぐれが生み落とした″一本のワイン″を巡る、罪深き人間たちの物語が始まる。

・著者情報

原作:亜樹直/作画:オキモトシュウ

亜樹直樹林伸の別名義。
単独はもちろん、ユニット等、様々な形で活動をしている作家。

代表作は『金田一少年の事件簿』、『探偵学園Q』(天樹征丸名義)、
サイコメトラーEIJI』、『クニミツの政』、『シバトラ』(安童夕馬名義)、『エリアの騎士』(伊賀大晃名義)、『BLOODY MONDAY』(龍門諒名義)、『神の雫』(亜樹直名義)etc.

オキモト・ショウ
1965年生まれ
出身地 山口県

原作つきの漫画作品の作画や小説の挿絵などを主とする作家。
メガネを常用し、好物はワイン。

作品リスト
オキモト・シュウ名義(以下の原作は全て亜樹直)
サイコドクター 楷恭介
神の雫
怪盗ルヴァン
マリアージュ神の雫 最終章〜

沖本秀子名義
(とみなが貴和著)
EDGE
EDGE2〜三月の誘拐者~
EDGE3〜毒の夏〜
(東野圭吾著)
浪花少年探偵団
東野圭吾ミステリー

・点数 84点

ストーリー☆☆☆
画力☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆

・評価
ストーリーの本筋としては一貫しています。
世界的に有名なワイン評論家が残した世界でも有数の最高級のワインコレクションという財産を懸け、息子と弟子が全面対決するというストーリーです。
勝負は評論(テーマ)を聞いてそのワインを銘柄、年代まで完璧に揃えて自分なりの解釈・評論をそれぞれが行うこと。
ワイン探しの過程で様々な人物の人生を左右する人間ドラマが描かれるのも特徴です。

そのわりにストーリーの点数が低めなのは44巻もあるのに勝負が続編に持ち越されてここでは決着が着かないからです。

ただワインを飲んでるだけなのに神の舌と豊かな感性、表現力で壮大な世界観を描くところは面白いです。
作画面ではそこが見所です。
ミスター味っ子食戟のソーマ的な対決描写と考えると分かりやすいかもです。尚、服は破れません。

基本的には2人の戦いですが、審判役の中立性、それぞれをサポートするキャラクターの存在など、キャラクターの存在感は主張強めです。
違う視点からの意見等を含めて果たす役割はわりと大きい印象を受けました。

設定はかなり細かい部分と大雑把な部分がどちらも分かりますが、ワイン好きの作者が描いているだけあって、ワインの蘊蓄は凄いです。
あとの部分は物語に関わるので触れられません。

最大のネックは文字量と巻数の多さということになります。
一部ノリで受け流さないとキツいかもしれない場面もありました。
不満点が少ない訳ではないですが、わりと好きな作品ではあるし、終わり方にも一定の納得はしているので、次巻への繋ぎ方が気になる演出もありましたし、なんやかんやで満足はしています。


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
※巻数と合本シリーズ2種類の為、リンク多めです。


神の雫(1) (モーニングコミックス)
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超合本
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神の雫 超合本版(10) (モーニングコミックス)
神の雫 超合本版(11) (モーニングコミックス)


・感想
一言で言うなら、世界的ワイン評論家の神咲豊多加の主観で選んだ最高峰のワイン達を巡る兄弟の熾烈な戦いです。

最高峰の頂に立つ神の雫を巡る戦いに勝って父親の資産を継ぎ、プライドを守る為の戦いでもある…のですが、その戦いの挑戦権を得る為の十二使徒を巡る戦いがまた熾烈。

神咲豊多加の表現(ワインの評論)を基に期日までに対応するワインを見つけ出し、自らの表現を披露するものなのですが、ヴィンテージ違いでもアウトという過酷さ。

同じワインを持ってきて、両者正解でも表現が神咲豊多加の感性に近く、より理解してるほうが勝つ…というものですが、これも豊多加の親友であるロベールの主観で決まるので、それも過酷。

使徒探しの最中で成長していく雫と一青を見守るのもまた面白いところではあります。
ただ、二人ともかなり独特というか特有の性格なので、好き嫌いはハッキリ分かれると思います。

巻数がやたら多いのはダラダラ使徒探ししているわけではなく、合間合間のサブキャラクター達が織り成す人間ドラマが結構なボリュームで入ってます。
それは要らないエピソードではなく、雫、一青の視野が広がり、使徒探しのヒントにしたりするので決して無駄では……いや、たまに中だるみはありました。正直ね。

まとめますと、この作品の魅力は使徒探しを通じて成長する二人や、出会う人達との人間ドラマです。

最大の欠点は40巻以上かけたにも関わらず、神の雫には至ってない、続編に続く終わり方をしたことです。
使徒探しの決着は着きました。

ちなみにこの作品は昔、ドラマ化されてますので、サクッと使徒対決だけ見たい人はそちらのほうが手っ取り早いかもしれません。
展開は異なりますが、これはこれで面白かったです。
ドラマ版は雫くんの感情がコロコロ変わりすぎて犬っコロみたいで可愛かったです。

原作のほうはワイン好きな作者さんのうんちく満載のおまけ漫画が付いてます。
ワインの勉強にもなる漫画でした。


コミック

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