神黎の図書館

漫画・小説・映画・アニメ・ドラマを主観によるグラフ+点数+批評+感想を綴り、作品の評価をあらゆる形で視覚化したブログです。有名な作品から掘り出し物的な作品まで生涯の内になるべく多くの作品に触れて伝えていけたら本望です。

(映画)友罪

友罪

・タイトル

友罪

・点数 84点

ストーリー☆☆☆
演出☆☆☆☆☆
視覚的面白さ☆☆☆
聴覚的面白さ☆☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆☆

・評価
テーマが非常に重いので、手放しで「面白い!」とは言い難い作品ですが、物語としての盛り上がりと映画としての良さが詰まった部分を「作品としての面白さ」としています。
が、その辺は内容に触れるので後述部分です。

知らぬが仏?それとも……知ってしまったからには探ってしまうのも友人の努め?いや、人間の運命?
これがギリギリ言える範囲なので、この先は後述部分に書きます。

あ、生田斗真さんのお芝居はめちゃくちゃよかったです。
斗真くんのお芝居が好きな方には是非!って勧めてもいいかもしれない。


以下、商品リンクを挟んで、あらすじと内容に触れながら個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意ください。


友罪
友罪 (集英社文庫)


・あらすじ

ジャーナリストの職に疲れ、寮つきの町工場で働き始めた益田。
同時期にそこに入った鈴木は、周囲との交流を避けていた。
そしてあることを機に、益田は鈴木に対し、過去に起きた連続児童殺傷事件をめぐる疑惑を持ち始める……。


・感想
友人がもし少年Aなら貴方はどうする?
という重苦しいテーマが題材の作品です。

前半部分はおじさんの謝罪や家族の崩壊、職場でのイジメ等、重くて見てるのが辛くなるというか映画としては面白くないです。

ただ、瑛太さんがひたすら巧い。異質な存在感を放っていました。

脇を固める名優達も素晴らしい。
前半の中で大事なポイントは被害者遺族として光石研さんと村上淳さんが演じてらした二人の、加害者の父親が被害者遺族に何年も謝り続けるのは、
「自己満足でしかない」、「頭を下げるのに慣れているだけ」
この2点はとても深いテーマですよね。

映画として面白くなるのは物語の中盤辺りから。
分かりやすく言えば、斗真くん演じる益田の指切断事故以降です。

彼の冷静な判断で自分は助かった。
友好を深めた相手がまさかのかつて世間を騒がした少年Aなんて…
それを知った時、大切な友人や恋人が過去にそういう事件を起こしていたと知ったとき、自分は果たしてどうするのか?
それを考えながら見るのもこの映画の見方の1つだと思っています。

社会が知りたがってるから無断で写真と憶測の記事を世に出す…過去の犯罪者の人権は無視されていいのか?
それは本当に正義なのか?
これも1つの重くて大きなテーマですよね。

世間が知りたいってのも出版社の判断でしかないのにそこまでしていいのか?ってところに元ジャーナリストを主人公に片割れにした意味を感じました。

主人公の片割れがジャーナリストに携わっていた者というのを活かし、もしも自分がジャーナリストで、大切な人が少年Aだとしたら、他人に好き勝手記事を書かれる前に自分の手で書くべきだ!と思うのか……
そういう見方が出来るのも作品としての1つの魅力だと思います。

この感情移入を超えるシンクロさせシリーズで言えば、この作品は息子、甥が轢き逃げを起こしてしまった家族、いじめられっ子の友達を自身の保身の為に見捨てた為に起こったであろう悲劇…など、少年A事件だけではない事件もあるので、身近な人がもしもそうなら、そうなったら…を考える意味ではとてもいい作品だったと思います。

最後に、中盤以降の生田斗真さんのお芝居よかったです。
途中から完全に画面に惹き付けられました。

内容的に大手を振ってオススメ出来る作品ではないのですが、いろいろ考えさせられる部分は多かったので、見て損はない作品だと思ってます。


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おまけ
(監督の代表作)


(主要キャストの代表作)
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瑛太さん



おまけ2