神黎の図書館

主観によるグラフ+点数+感想を綴る読書感想文風書評ブログです。月間で読む漫画は150冊~200冊。小説や映像作品についてもちょこちょこと。

手紙(実写版)

手紙


・タイトル

手紙

・点数92点

ストーリー☆☆☆☆☆
演出☆☆☆☆
視覚的面白さ☆☆☆☆☆
聴覚的面白さ☆☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆

・評価
テーマがテーマだけにとてつもなく考えさせられるストーリーです。
加害者と加害者親族の関係性と、加害者と被害者遺族の関係性、加害者親族と被害者遺族の関係性、それぞれを外から好き放題揶揄する打者。
それぞれの視点で見ると、形の変わる重厚な作品と言えます。

映画版では主人公の直貴はミュージシャンを目指さず、漫才師を目指し、バンドを組まずにコンビを組みます。
その上で設定面では原作とは大きく異なる演出があります。
そして、後味の悪いシーンは大幅にカットされています。

つまり、原作再現というよりは、大衆向けの演出に変わった『手紙』といった感じです。
漫才になったことでより分かりやすく、親しみやすくなっているので、ラストの展開に原作にない救いが生まれているのだと思います。

結論としては、これはこれでアリですね◎

原作により近いのは後述するドラマ版ですが、そこら辺は好みで選ぶといいと思います。
みんな違ってみんないい。


以下、商品リンクを挟んで、作品概要と内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。


手紙
手紙 (文春文庫)
第01話
ドラマスペシャル「東野圭吾 手紙」 [Blu-ray]


・あらすじ

刑務所に服役中の兄から毎月届く手紙。
兄の罪のせいで世間から厳しい目を向けられ、苦しむ弟には、次第にその手紙の存在が疎ましくなっていく。

・感想
これも重い……非常に重い。

心の優しいお兄さんが弟の学費の為に働いて、腰を悪くして、それでも弟を大学に行かせてあげたくて……その為に犯してしまった絶対にしてはいけない犯罪。

裁判での証言をし直したいと申し出るほど仲のよかった兄弟。
早くに親をなくしたたった2人の兄弟。

兄の罪はどこまでなのか、加害者親族はどこまで差別され続けなければいけないのか……考えさせられるテーマでした。

タイトルにもなっている通り、『手紙』がとても重要な意味を持ちます。

兄、剛志は毎月1回必ず手紙を書きます。
その内容のほとんどは弟の身を案じるもの。弟の活躍を喜ぶものでした。

弟の直貴は仕事のことや近況を綴って兄に手紙を返事として書いていました。
刑務所に入ったとしても兄弟の絆は続いていました。

しかし……成功しかけると、兄の罪が足枷になり、差別を受け、迫害される。

そのことに疲れた直貴はやがて、兄からの手紙に怒りを覚えて荒れ狂います。
そして、兄から逃げるように住所も変え、再就職もして兄からも兄の罪からも逃げていました。

そんな直貴も家族が出来き、愛する娘を自分と同じ立場にしたくない……そういう想いから直貴は兄との決別を決意して、4年ぶりに剛志に手紙を書きます。

自分のせいで弟が陥った現実を突き付けられた剛志は6年間毎月送り続けていた被害者遺族への手紙に弟から来た手紙の内容と謝罪、そして自分は手紙を送るべきではなかった……と理想と現実の差にショックを受けながらも事実をしっかりと受け止めていました。

ここのお兄ちゃん……というか最初からずっとだけど、お兄ちゃんのシーンは切ない……

兄の最後の手紙を機に、被害者遺族と弟の間に、「これで終わりにしましょう」という言葉が交わされます。

そして弟は兄のいる刑務所に慰問ライブに向かい、漫才を披露するのでした。

この慰問ライブのシーンがすごくよかったです。
原作ではバンドということらしいのですが、映画では芸人としてテレビで活躍した後……という流れです。

いい感じにうるって来てるところに追撃の小田和正さん。
言葉にできない……いや、まさに言葉にできない……
この意味は見て頂ければきっとわかると思います!


若かりし頃の山田孝之さん……とはいえ、電車男の後、演技力に申し分なかったです!
確かこの頃は今みたいな路線ではなかったはずですが、漫才のところは片鱗出てましたね!

お兄さん役の玉山鉄二さん……この方も素晴らしかったです!
手紙の部分は主に声だけ聞かせるお芝居を、クライマックスの弟からの最後の手紙を受けとる場面や慰問ライブのシーンでは声を使わない表情や涙でのお芝居を……と、繊細な剛志を見事に演じてました。

ヒロインは沢尻エリカさんと吹石一恵さん。
キャラクター性のことを触れるとネタバレになる部分があったりなのであえて割愛します。

ただ、この頃の沢尻さんめちゃくちゃ可愛いです。
僕はだんぜんそっち派です!

この作品は主演を亀梨和也さん、ヒロインを本田翼さんと広瀬アリスさんが演じたドラマ版もあります。

脚本は「アルジャーノンに花束を」、「砂の塔~知りすぎた隣人~」の池田奈津子さん。

現代風なアレンジをしつつも、バンド結成など原作の雰囲気を踏襲した内容でした。
「見上げてごらん 夜の星を」の使い方が絶妙なのと絶妙なのと
も踏まえて後半はドラマ版のほうが刺さりました。逆に兄への想いや葛藤は映画のほうが刺さりました。

・まとめ
いろいろ考えさせられる内容でしたが、同時に魅入る場面も多かったです。
どちらの作品も甲乙つけがたい素晴らしい内容です。もうここは好みで選ぶかいっそ両方見るのもオススメです。

ドラマのが原作に近いと書きましたが、結構違いました。(ごめんなさい)
ビートルズではなく、坂本九さんという渋いセンスが光ってましたが、逆に現代なのにオルゴールと坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」というギャップがめちゃくちゃよかったです。

映画もドラマも名作でした!


映画


関連商品


おまけ
(監督の代表作)


(脚本家の代表作)


(主要キャストの代表)
映画版
山田孝之さん


玉山鉄二さん


沢尻エリカさん


ドラマ版
亀梨和也さん


佐藤隆太さん


本田翼さん

新聞記者 [Blu-ray]

新聞記者 [Blu-ray]

  • シム・ウンギョン
Amazon


おまけ2