・タイトル
罪と罰 A Falsified Romance
・本の概要
″ひきこもり″と◯交女子高生。ドストエフスキーの名作を原案に、現代の少年少女たちの抱える闇に迫る問題作。
大学をドロップアウトし、自室にひきこもる裁 弥勒。
女子高生のリサとの出会いによって、恐ろしい「ある計画」に手を染めることに…!
・著者情報
落合尚之(おちあい なおゆき)
生年月日 1968年1月6日
出身地 福岡県福岡市職業 漫画家
代表作
『黒い羊は迷わない』
『罪と罰 A Falsified Romance』1991年に「どすこい!!タコ花田イカ花田」でデビュー。
・点数 100点
ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆
・評価
この作品を読んでキャラクターへの批判を書いてる人達の意見が内容を理解してるとは言い難い陳腐な独りよがりな意見が多かったので、分かりやすいとは言い難いのかもしれません。
確かに読んでで気持ちのいいストーリーではないですし。
ただ、それは前提条件なので無視します。
その上で、テーマとして奥深く、引き込まれるものがありました。
個人的な解釈としては、罪と罰≒懺悔と贖罪と解く。でした。
メインキャラクターの繊細な感情の動きが見事に表現されていたので、画力は満点評価です。
主要人物がクズ・狡猾・暴力に訴える等の問題児ばかりではありますが、それぞれの人生が交錯して作品としてのストーリーが成り立つので、各々が果たす役割は大きいです。
その中で、愛の本質と在り方を考えさせられたりするので、テーマとも合ってました。
ドストエフスキー作の『罪と罰』を未読だったので、比べてどうこうは言えないんですけど、クライマックスにかけて主人公の弥勒くんが選択する2つの地獄はまさに罪と罰だと感じました。
こちらの作品も、リメイクする意味を大きく感じる現代リメイク版です。
月並みですが、平成版の罪と罰ですね。
作品の内容もそうですが、キャラクター名の由来やキャラクター性についてが書かれたあとがきまで、個人的にはその全てで没頭出来たので、満点評価にしました。
主人公である弥勒の発言・行動を含め、途中で読むのをやめたくなる箇所が幾つかあるかもしれませんが、読み始めたのであれば最後まで彼に、彼等に付き合ってあげてほしいです。と心から思える作品でした。
・感想
あとがきを読む限り、着想は2003年頃、当時の世界情勢云々は以前このブログでも紹介した小説版のガンダムSEEDにも書いてありましたね、そこから着想を得て描かれた作品だったので何となくは理解しているつもりです。
原作は1866年……日本で言えば幕末頃。
それを10数年前の日本に置き換えたのがこの作品です。
戦争の問題と絡めるというよりはキャラクター重視の人間の内面の問題を描いているのが作品の特徴です。
原作の解説等からも着想を得て『弥勒』という名前がついていると思うと、読み終わった後にまた違う感情が生まれます。
神に仇なすサタン……666、そして英雄。
弥勒が何故そういうキャラクター性になったかもあとがきに書かれていて納得。
2011年4月4日の時点で10年後……そろそろですね!なんかアクションあったのかなぁ~?とふと思ってみたり。
ぶっちゃけこの作品を読んでる最中は最低限の読解力のない方には読んでほしくないって思ってたんですけど、最終巻とあとがきを読んで、理解できなくても否定してもいいからとにかく多くの人に読んでもらいたい作品だと考えを改めました。
原作や他の漫画家さんの罪と罰を読んでいる方にも是非とも「裁弥勒」に出会ってほしいです。
そして、最後まで見届けてみてもらいたいです。
そして、あとがきまで合わせて1つの作品だと感じたのでそこまで読んでほしい作品でした。
ちなみに最後まで読んで、作風と弥勒を自分なりに理解した上での点数です。
重ね重ねになりますが、令和版の罪と罰を期待しているので、是非ともセルフリメイクしてほしいです!
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