・タイトル
君が心に棲みついた
・本の概要
下着メーカーで働くキョドコこと小川今日子は、大学時代の想い人・星名に職場で再会。
外面は爽やかだが、キョドコに対しては冷酷な顔を見せ、支配してこようとする星名に再び心を揺さぶられることに……。
合コンで説教されて以来懐いていた漫画編集者・吉崎に惹かれていく一方で、星名と後輩・飯田のただならぬ関係が気になるキョドコ。
動揺のあまり吉崎との約束をすっぽかし、星名の後を追いかけ……
・著者情報
天童きりん(てんどう きりん)
誕生日 3月8日
出身地 大阪府
職業 漫画家
活動期間 1995年~
・点数 84点
ストーリー☆☆☆
画力☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆
・評価
キャラクターの個性が強すぎて万人受けしないと思うので、分かりやすいとは言えない気がします。
メッセージ性や奥深さも特に感じないので評価は難しいんですけど、好きかどうかで言うと好きです。
あ、でもテーマは一貫していました。
何がどう優れてるかは感覚的なものなので、ちょっと説明難しいのですが、ムカつくキャラクターがだんだん愛おしく見えて来るので、それは画の力だと思います!
主人公の女の子の感情と表情と動きの連動が面白かったのもポイントですね!
キャラクターはメインのクセが強い(笑)
好き嫌いは分かれると思いますが、それは個性が強い証拠と言えると思いますし、タイトルに由来する強固な個性を持つキャラクターが読者の心にも刻みまれるはずなので、これはカリスマだと思っています。故に満点です。
主人公を魅力的に書くのではなく、自分を卑下した最悪の個性に。ヒーロー役の好青年とトラウマを与えた張本人の間で揺れ動く魔のトライアングルというのも攻めてますが、何よりメインキャラクターの半数が読者に嫌われそうというか、好かれようと描いてないのが特徴的で、それが斬新さを生んでいると感じました。
ドラマの再現度が高かったのもありますが、ドラマを見たことある上で漫画を読むと、重なる部分も多く、妙にテンション上がって震えました。
そして妙な多幸感があり、満足度は高い作品でした。
変な話、キャラクターのダメなところが愛おしく思える不思議体験でした。
作品やキャラクターに対して好みが真っ向から分かれる作風なので、完全初見だと、合う合わないが分からないと思います。
作風的に内容が分かっていてつまらないとなる作品ではなかったので、不安な人はちょっとネタバレ見てから読むかの判断をしてもいいかも?
以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。
・感想
実写ドラマ化した時に話題になった作品ですね、ドラマは僕も見てました。
良し悪しは置いといて、互いに心に闇が、傷を持った男女の曲がりくねった恋愛模様を描いた作品です。
恋と依存は似て非なるモノ。
とも言い切れないのか?ひねくれてても捻じ曲がっててもこれはこれで純愛なのか?って少し考えさせられました。
依存癖とか支配癖とか一般的には理解され辛い内容なので読者側としてはそこがまず1つの壁ですよね。
ただまあ、どんな人にも「忘れられない人」ってのはいると思うし、「憧れの人」=恋愛対象とも限らないと思うので、あまり堅苦しく考えずに読むのがベストだと思います。
心に棲みついて離れない人物、その支配から逃れようともがく姿、逆らえずにまたも心を束縛されてしまう……
その結果、自分が築き上げた信頼を失ってしまう。
それでも彼女は邪でドロドロな自分を受け入れ、がむしゃらに前に進もうと突っ走ります。
星名さんに見捨てられたくない。
たとえ負のスパイラルだろうと、それが彼女のコアである以上、仕方のないことですよね。
一応、前に進む意思を示してこの作中は完結します。
これで本当に終わって打ち切りみたいな終わり方であっても個人的にはわりと納得しているし、満足もしてるんですが、S(サクリファイス)として物語は続きます。
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