神黎の図書館

漫画・小説・映画・アニメ・ドラマを主観によるグラフ+点数+批評+感想を綴り、作品の評価をあらゆる形で視覚化したブログです。有名な作品から掘り出し物的な作品まで生涯の内になるべく多くの作品に触れて伝えていけたら本望です。

ダダダ

ダダダ コミック 全2巻セット [-]

・タイトル

ダダダ

・本の概要

父親との確執を抱えたボクサー、相瀬佑。
父に認められるためにボクシングに打ち込む日々を送り、とうとうチャンピオンへの挑戦権を得た。
しかし、タイトルマッチの日、試合中に父が亡くなったことを知らされ、目標を見失う。
失意の中、彼のアパートに突然少女が訪れ……

・著者情報

あみだむく

誕生日 2月25日

愛犬と漫画が生きがいで、日本の原風景や和風建築を眺めるのが趣味。

・点数 92点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆☆

・感想
タイトルからは察しにくいと思いますが、ボクシング漫画です。
概要だけ読むと危ない漫画に思うかもしれませんが、暴力的なシーン以外は健全な作品です。
結構ハートフルなストーリーでした。
そして、何より分かりやすい。心情的にも、お話的にも。

他のボクシング漫画と比べて優れた画力という訳ではないですが、テンポ的にも画的にも比較的に読みやすい作品でした。
ボクシングを通じて伝わってくる家族への想いが伝わる画力だったので、総合的に評価して高めの評価を付けました。

巻数も巻数なので、少数のキャラクターで回しています。それ故に無駄はないです。
一見邪魔そうに思えるキャラクターも、本人の意図せずとも主要人物の人間関係に影響を与えてるのは案外あるよなぁ~と思ったり。
主要人物の人間関係の変化とその在り方がすごく好きでした。

斬新さには欠けるものの、丁寧に作り込まれた世界観は素敵でした。
期待以上には面白かったです。
何より分かりやすいので、万人が読みやすいと思うので、高ポイントです。

巻数的に長くないのは分かっていたので、途中で、どう畳むんだろう?と思いながら読んだ部分もありますが、納得のラストでした。
全体的な説明は後述で。


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。



概要にも書いてますが、冒頭からいきなりチャンピオンと試合してたり、主人公のお父さんが他界したりと小出しにしてもよかった情報がいきなりドバーっと入ってくるイメージです。
最初だけ若干の情報過多なのでとりあえず人名はふわっと、シチュエーションだけ把握する感じで読みました。

強くなることへのこだわり≒父への固執な為、普段は温厚なのにボクシングになると人が変わるというのがこの作品の主人公、相瀬佑という人物です。
彼のボクシングは狂暴な部分はあれど、人を惹き付ける。

父親へのこだわり≒強さの証明≒ボクシングに繋がる方程式は読めば分かります。
ほんと全部冒頭に詰め込まれてました。
ここ小出しにしてたら巻数稼げるのにしない辺りがいいテンポ感を生んだりしてる気がします。

そして突然現れた少女は(妹が)ほとんど赤ん坊の頃に生き別れた実の妹でした。

生き別れの経緯と妹が突然訪れて来た理由と佑が妹に冷たく当たる理由については読んで下さい。
この部分はこの作品の大事なところなので。

そして、再び戦う決意を相瀬佑は再びボクシングの道へと歩を進めます。


さて、ここで魅力的だった個人的に好きなキャラクターを少しだけ紹介します。

まずは日本ミドル級チャンピオンこと狂犬神崎。
触るもの皆傷付けるレベルではなく、触れたもの皆破壊するモンスター級の人物。
強すぎて目の前に立つ者全てを破壊する破壊神だが、殴っても殴っても何度も立ち上がる相瀬佑に歪んだ愛情を向ける。
「破壊神」ではなく、「殴り愛」こそ彼の本来の性質。

後輩の犬山くん。
相瀬さんを慕うジムの後輩。犬っコロみたいで可愛いです。


神崎さんの特性が分かったところで彼のスペック
読みのプロでカウンターの天才。
なおかつインファイトも出来てタフネス。
更にスイッチも使いこなすとは見事。
ミドル級とは思えない変幻自在のスタイル。

最終巻の見せ場でもある相瀬vs神崎の再戦。
狂拳vs狂犬の殴り愛はまさに死闘なんじゃないかと思う迫力でした。
日本のNo.1を決めるのに相応しい試合だったと思います!

試合終わりの「世界で待ってろ」は格好よすぎる。
最高のライバルって感じしますね、ラストシーンは未来の2人。
世界チャンピオンの座を巡って2人が激突するところで終わります。

このラストシーンがあるから作中の舞台が日本だったのかもしれない。
正直痺れました。
こういう終わり方も悪くない。

ダラダラ長く続く漫画よりはコンパクトに終わる漫画が好きなので結構好きなタイプの漫画でした。


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