神黎の図書館

漫画・小説・映画・アニメ・ドラマを主観によるグラフ+点数+批評+感想を綴り、作品の評価をあらゆる形で視覚化したブログです。有名な作品から掘り出し物的な作品まで生涯の内になるべく多くの作品に触れて伝えていけたら本望です。

兄弟のパス『エリアの騎士』

エリアの騎士 コミック 全57巻 完結セット

・タイトル

エリアの騎士

・本の概要

日本サッカー界の至宝″U15の天才エース″と呼ばれる兄・傑に憧れつつも、過去の呪縛からサッカーから目を背け、それでも離れることは出来ずにマネージャーとして部に残っていた元FWの駆。
人前ではボールを蹴れない素振りを見せつつも、本当はサッカーがしたい……
ジレンマだらけの弟に対して傑は厳しくも心に刺さる檄を飛ばす。

兄から弟へ、そして友へ、同世代の仲間へ……逢沢兄弟の時代を跨ぐ運命のパス。

・著者情報

原作 伊賀大晃、作画 月山可也

伊賀大晃樹林伸の別名義。
単独はもちろん、ユニット等、様々な形で活動をしている作家です。

代表作は『金田一少年の事件簿』、『探偵学園Q』(天樹征丸名義)、
サイコメトラーEIJI』、『クニミツの政』、『シバトラ』(安童夕馬名義)、『GetBackers-奪還屋-』(青樹佑夜名義)、『BLOODY MONDAY』(龍門諒名義)、『神の雫』(亜樹直名義)etc.

月山可也(つきやま かや)
10月25日生まれ
出身地 埼玉県新座市出身
職業 漫画家

受賞歴
第62回新人漫画賞選外佳作
第63回新人漫画賞佳作

2000年『マガジンFRESH』冬号に掲載された『フェイスレボリューション』でデビュー。
2005年『マガジンSPECIAL』No.7~No.11まで『LIFE★LIFE』を連載。
2006年『週刊少年マガジン』2006年21・22合併号から『エリアの騎士』を連載。

・点数 96点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆

・評価
タイトルの意味も含めて、終始一貫したテーマの中でそれぞれが成長していく物語です。
膨大な巻数とも言えますが、意味のある内容でした。
サッカーを題材にした作品であり、最高のストライカーとは何か?や、チーム戦術について考える場面、チームプレイor個人技について考えることも多々あり、サッカーに興味がなくても読む価値はあるように感じる内容だと個人的には感じました。

冒頭で起こる衝撃的なシーンから試合の描き方まで細部にこだわりを感じる画でした。
特に試合のシーンは躍動感とダイナミックさ、繊細さを併せ持った画に仕上がっていて、とても読みやすい作品でした。

主人公以外のキャラクターを描いたエピソードも数多く存在し、ストライカーは1人では試合で役割を全う出来ないように、キャラクターそれぞれが持ち味を活かして作品を盛り立てています。
また、圧倒的カリスマ性を持ったキャラクターや個性の塊のようなファンタジスタが存在するので、キャラクターのファンが付きやすい作品でもあります。

ネタバレになるので後述にて明記にしますが、この作品独特の設定があり、リアルとファンタジーの中間地点に位置する、漫画として面白いクオリティに仕上がっていて、長さを感じさせない面白さがありました。

巻数の多さはネックではありますが、「絆」と「約束」を主題に置いており、人間ドラマとしても面白くて感動的な場面も多かったですし、概ね満足でした。
ただ、個人的にはクライマックスシーンがあっさりしていて少し物足りなかったので、ここまで来たらもう1巻増やしてでも卒業式と夢の舞台はちゃんと描いて欲しかった気持ちがあります。
そんなとこまでケチを付けたくなるほどいい作品でした。


以下、商品リンクの下は、内容に触れながら個人的な感想を書いています。ネタバレが気になる方はご注意下さい。


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・感想
アニメ化もされ、原作は57巻続いた長編サッカー漫画ですね。
アプリのパワフルサッカーともコラボしてたんだったかな?

触れ込みとしては本格派サッカー漫画なのですが、どちらかと言えばリアリティとファンタジーの融合、現実味と幻想の共存というイメージのほうが近いと思います。

また、連載当初のサッカー観での戦術だったりするので今から読むとポジションの意味合いが変わってて少し奇妙に感じるかもしれません。
そこだけは前提条件として覚えておいたほうがいいです。

長編だけあって中学生→高校生→プロに加えて世代別代表戦、五輪、高校選抜と盛り沢山です。

プロ編あるの明かすとかネタバレじゃねえか!って話ではありますが、作中に若手サッカー選手の1つとして特別指定教化選手というものがあり、それに指定されれば高校での部活を続けながらプロの試合に出ることができるという特別措置が適用されるんですね、それがわりと面白いというか、高校の部活とジュニアユースとプロの考え方の違いがすごく面白かったです。

そして、意外と主人公の『逢沢駆』以外の人物も数多くピックアップされていて、ストーリーの層は厚かったと感じました。

男子サッカーだけではなく女子サッカーなでしこジャパンの活躍も描いているのも特徴です。

後は……主に部活編での話になりますが、主人公である逢沢駆が在籍する江ノ高サッカー部を思いっきり贔屓した実況解説も特徴的でした。

『逢沢傑』という国内外問わず誰もが認める天才を軸に織り成すサッカーを通じて心に響く『パス』や、傑というお手本が常に身近にいた駆だからこそ見える世界(視点)があり、そんな駆の言葉だからこそ届く、心を動かす存在になるべくしてなった。という彼の成長を見守る作品とも言えます。
別の言い方をすると、漫画として目に見える絆が描かれています。

そんな感じで巻数は多いんですが、楽しめるポイントは結構あったのでだれる回数は少なかったです(ないとは言ってない)。

ある程度のネタバレはあってもいいからもう少し細かく知りたい場合はお手数ですが、単巻レビューを読んでいただければと思います。


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