神黎の図書館

主観によるグラフ+点数+感想を綴る読書感想文風書評ブログです。月間で読む漫画は150冊~200冊。小説や映像作品についてもちょこちょこと。

夏のあらし!

夏のあらし!全8巻 完結セット (ガンガンWINGコミックス)

・タイトル

夏のあらし!

・本の概要

夏休みを利用して横浜の祖父の家に泊まりに来ていた八坂一は、たまたま入った喫茶店の従業員の嵐山小夜子に一目惚れする。
小夜子が一に触れた瞬間、2人の間に電のような衝撃が走る。
驚く八坂一をよそに外へ連れ出す嵐山小夜子。
裏山を抜けると、そこには現代の日本とは思えない光景が広がっていた……

・著者情報

小林尽(こばやし じん)

生年月日 1977年5月25日
出身地 千葉県

職業 漫画家
活動期間 2000年~
ジャンル 少年漫画
代表作
スクールランブル
夏のあらし!』
受賞
第65回週刊少年マガジン新人漫画賞佳作

2000年に第65回週刊少年マガジン新人漫画賞・佳作を受賞。

・点数 88点

ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆☆

・感想
前半と後半で印象がかなり変わる作品です。
僕の場合は、読むときのテンションも含めてかなり変わりました。
そこら辺の話はどうしても内容に触れてしまうので、後半に書いてますので、気になる方は各自の判断でお願いします。

恋愛絡みの部分や、絆の部分は分かりやすいのですが、作品のメインテーマになる部分は少々ややこしいかもしれません。
しかし、とても奥深く、人間という存在を哲学的に見るとこのいずれかに当てはまると思います。
そして、作者さんの観点なのか、文系と理系の差に関する着眼点は面白かったです。
更に、作品を通して伝わるメッセージ性がありました。
アニメ見た時は思わなかったことを漫画では強く感じる。それが強みです。
逆に楽に作品を楽しみたいならアニメのほうが良さそうです。

どう形容するのが正しいのかは分かりませんが、テーマに対して油断させる表紙の絵柄だと思います。
そのギャップもいいかもしれない。もしかしたら玄人好みかも?
とある場面の描写は圧巻で、心を揺さぶられました。

メインキャラクター達の成長or変化の物語の部分で魅せる力を持ち、尚且つ周りのキャラクター達の個性も強く、それぞれが役割の中で魅力を発揮しています。
原則として2人一組のペアで動くというのもあって、人間味出ててよかったです!

設定は凝りに凝りまくってる一言では言い表せないのでここでは割愛します。
内容に触れる後述では書いてます。
一言言えるのは、斬新。面白い。

イメージしてたラブコメの雰囲気は序盤だけでしたが、中盤以降の重苦しい設定や雰囲気のほうが意外と僕の好みでした。
振り幅が凄すぎてところどころ集中力が途切れてしまってるので、項目の満点ではないですが、瞬間最大風力とか火力はとても高い作品でした。


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いてます。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。



第一印象はちょっと不思議なSF青春ラブコメでした。
中盤以降は戦争、空襲も絡めたタイムスリップ、または理系分野の様々な理論を利用して仮説立てた時間移動についての物語になります。

冒頭で一瞬出る話の「文系は幽霊説のほうが好みで、理系はタイムスリップ説のほうが好み」というのは興味深い着眼点だと思いました。

確かに時間移動と時空間移動は人類の夢的なとこありますし、逆に幽霊というのは(100%ではないにしても)一応、脳科学等で否定の説がありますからねー、金縛りに関しては完全否定の証明すらされてるのでやっぱり幽霊は科学者には認めたくないものなんだと思われます。

まあ、全ての文系または理系が……ということはないと思いますが、一般論として、どちらが好みかで自分に合ってるのかどっちか分かるかも⁉です。

結構重い題材なだけに見るのが辛く、苦しい場面も多かったですが、この作品における時間移動の在り方はなかなかに興味深く、理論上の破綻もないと感じたので結論としては読んでよかったと思える作品です。

重ねて言いますが、一風変わったラブコメのつもりで読んだら結構ヘビーな内容で息が詰まる場面も多かったです。凄惨な場面も。

ただし、それだけに八坂一の成長というか最後の場面に繋がるものがあるので作品に欠かせない場面だと思います。
それを経験した八坂一の言葉だからこその説得力みたいな。

過去の舞台は横浜空襲なんですけど、現代人らしからぬ八坂の強さはもしかしたら横浜出身の父親と広島出身の母親の間に生まれた遺伝子が影響してるのかも?なんて思ったり。

突然遺伝子の話になったのは、作中で「本能的に」などの遺伝子レベルで組み込まれた本能の話題が出るからです。
例えば日本人の和を重んじる心とか。
誰に教わるでもなく自然に行ってた本能はもしかしたら遺伝子レベルで焼き付けられた記憶なのかもしれないですよね、だからいつだって人は情報に惑わされ、似たような歴史を繰り返すのかもしれません。

手のひら返しについても作中に描かれてますね、それも結論としては「情報」に惑わされて大衆が「正義」を決めるからそうなるんでしょう……的な。
政治家に例えると分かりやすいですよね、何かしらの失態やスキャンダルが報じられた瞬間に「その人の政策を知らない大衆」が正義の鉄槌だと言わんばかりに総バッシングする……みたいな。
聞きたいのは世間の声や街の声じゃなくて、その人に投票した有権者の声なんだけどね……みたいな。

話が逸れましたが、読みながら本当にいろいろなことを考えさせられました。
「正義」とは何か?も含めて本当に色々と。

と……わりと素直に全巻読み終えての素直な気持ちを綴りましたが、作品テーマが故に感想で傷付く方もいらっしゃるかもしれません。
傷付かれた方、不快に思われた方はすみません。

余談中の余談ですが……
この作品の単巻レビュー書くときにめちゃくちゃ松本潤さんが関連みたいな感じでくっついてきました。
全く関係ないはずなんですけど、あらし、潤、一のせいですね?おそらく(笑)
2代目金田一一役の松本潤(嵐)
こう書くと分かりやすい?
ちなみにですが、作中の登場人物の山代さんが作中1度だけ山Pと呼ばれてたと思いますが、これは関係ない……はず。多分。

作品自体の結末としては後味は悪くないです。
ただ、作中の時間移動や幽体離脱やなんやかんやの説明や設定を理解していないと謎が残るか、納得出来ないと思う方はいるかもしれません。
いろんな意味でやや上級者向けの作品かもしれません。


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