・タイトル
ペナントレース やまだたいちの奇蹟
・本の概要
心も身体も小学生並み、野球センス0の山田太一が起こす奇跡の物語。
そして、太一に関わり、触発されて変わっていく仲間を描いた物語です。
・著者情報
こせきこうじ
生年月日 1959年2月5日
出身地 千葉県八街市職業 漫画家
代表作
『ペナントレース やまだたいちの奇蹟』
『県立海空高校野球部員山下たろーくん』受賞歴
第16回手塚賞準入選(1978年 ああ一郎)1980年に「ああ一郎」でデビュー。
・点数 76点
ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
設定☆☆☆☆☆
没入感☆☆☆
・評価
この作品はかつて伝説の野球漫画と評された作品です。
とはいえ、良くも悪くも昭和の熱血スポ根漫画なので、受け入れるかどうかは読み手の感性に委ねられると言えます。
個人的な意見としては、今じゃルール的にありえないところも含めて、逆に漫画として開き直って楽しめる部分もあると思います。
その上で、賛否両論出そうな作品だと思っています。
画力に関しては申し訳ないですが、お世辞にも上手いとは言い難いので……すみません。
ただし、味があって独特の噛み応えのあるスルメ的な…要はパワーはあります。巧さではなく、馬力のある画だと感じました。
舞台はプロ野球のセ・リーグで、今読むと、レジェンドクラスや別の意味で有名になった過去の実在選手がたくさん出ます。
変に捩らず、実名で球団もそのまま出てくるのはあの時代ならではなのかなー?って思ったり。
レジェンドクラスの選手の当時の成績や豆知識が逐一入手出来るという意味では一定の需要もあると思います。
主人公チームはオリジナル、対戦相手が実在した選手と球団という思い切った設定の作品です。
ぶっ飛んだ修行のような苦行のような練習方法や対策法が数多く出てきて、 全巻通してではないのですが、これの結果がどう反映されるんだろう?って気になったりもしたので、没入感は個人的には高めでした。
とはいえ、この作品はやはり評価が全てにおいて真っ向から分かれると思います。
全ては受け入れられるかどうか次第なので、合わなければずっと合わないとは思います。
以下、商品リンクを挟んで内容に触れつつ、個人的に感じた感想を書いています。ネタバレが気になる方はご注意下さい。
・感想
主人公は野球センス0の小学生のような高卒ルーキー山田太一と兄とは対照的な即戦力ルーキーの双子の弟泰二なのですが、太一が敵からも味方からも弟からも馬鹿にされまくる描写は見ててあんまり気持ちのいいものではなかったです。
特にチームメイトからの過剰な「小学生並みの」という発言は人のコンプレックスを突くいじめに等しいのでは?と思ったりもします。
中盤~終盤は太一の実力を認めた上での言動だし、太一本人は一見すればコンプレックスの部分を最大限活かして自分だけの武器にしてるので表現として上手いと思った部分もあります。
やはり、作品の特徴が一長一短な作品と言えるのでしょう。
太一達ルーキー世代は作中に「同時期に甲子園を騒がせた」とあるのでゴジラ松井さんと同世代(2歳下?)に見えます。
また、この物語は万年最下位が定位置で、プロ野球界の排泄物とまで言われたチームの快進撃でもあり、山田太一と共に1年間ガムシャラに走り続けた男達の最後の選択も結構熱いです。
単巻レビューでも散々書いてますが、僕は山田兄弟の関係性がすごく好きなんですよね、徐々に明かされていく真実的な演出も好きでした。
これもどちらかと言うと、あまり深く考えずに勢いとノリで読むと面白い系の漫画です。
それでいて意外と理にかなってるから要所要所で感心しました。
今の時代では新連載としては絶対に読めない作品なので興味があれば読んでみてもいい作品だと思います。
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