・タイトル
おはようとかおやすみとか 第5巻
・点数 100点++++
ストーリー⭐☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
オリジナリティ☆☆☆☆☆
テンポ☆☆☆☆☆
熱中度⭐⭐⭐☆☆
・本の概要
・穂高の選択
・親しくなること
・父への報告
・肉屋のコロッケ
・ピクニック
・ひとりかみんなか
・感想
和平と穂高はリビングルームで正座して対峙していました。
廊下ではちいとちなが聞き耳を立てています。
『3人に本当はここにいてほしい、お母さんの所へは行かない方がいいと思う』
と言いたくてたまらない和平ですが、決定権は姉妹の長姉・穂高にあるのでどう言ったらいいのか困っていました。
そんな時、穂高は静かに言います。
「母の所へ戻ろうかと考えています……」
自分が双子から母親を奪ってしまったと。
自分の感情は押し殺して冷静に妹たちのことを考えれば、双子にはまだ母親が必要だと。
和平は穂高は悪くない。悪いのは全部大人だ。と言いますが、穂高の決意は固まってるといい……
「今まで本当にありがとうございました」
震える声で穂高が和平に別れを告げ、
「おやすみなさい」
「あ、ああ……おやすみ……」
おやすみと言った、それだけのことで和平の中では、あそこに行ったら3人は幸せにはなれないとするどい警告音を発せられます。
「待って、俺はやっぱ嫌だ、だめだ!」
急に方向転換してきた和平の言葉に、やっと決心したはずの穂高の心はまたもや乱れ始めます。
取り乱す穂高。怒っているようにも見えます。(それも可愛い)
そして、ついに穂高の本音が出ます。
もう本当は全部投げてしまいたい。
そう言った穂高に和平は、
「いいよ、投げちゃって」
と言います。
『穂高に責任はない。決められなければ俺に投げて、俺のせいにしていいからここにいな。
ていうか俺が居てほしいんだ』
ひとり静かな暮らしを満喫していたはずの和平が、もうひとりの部屋には戻りたくない。と思っていることを告げると、穂高は涙します。
『私も……戻りたくない……お母さんから抜け出したい』
1人で抱え込んでた穂高に、和平は[自分も誰かで穂高も誰かじゃない?]と伝えます。
廊下で成り行きを見守っていたちいちなが飛び込んできて穂高に抱きつきました。
「わたしたちもいるでしょーっ」
「ほたちゃんのせいじゃないよ」
ここで、「俺はこれからも3人で暮らしたいんだけど、どう?」と和平。
「ちいもーっ ちなもーっ」ちいちなも続きます。
「私もここがいい。4人がいい」
穂高の本音が聞けました。
ここのシーンすごく好きです。もう大好きです。
穂高が母親に話しをしに行った週末、和平はソワソワしています。
帰り遅くない?と。
まだ出掛けて30分ぐらいだから座りなよ、と双子に言われる和平くん。
この時の双子の目w完全にダメな大人を見るときの目だw
帰ってくるのは大体3時ぐらいだと予想し、マンションで待っている3人は穂高のためにおやつを作って待つことにします。
晴れやかな笑顔で帰って来た穂高は嬉しそうに言います。
「おなかすいたぁ」
ここの穂高……めちゃんこ可愛い。
穂高が母親のことで悩んでいた時に、詳しいわけも話してないのに
「私は味方だから忘れないで!」
と、言ってくれた大切な親友の桜にお礼をしたくて、穂高はお菓子をたくさん作って学校へ持って行きます。
学校に着くと、すごい勢いで話を聞いてくる桜ちゃん。
すっきりとした明るい笑顔を見せた穂高に、嬉しくなった桜は抱きついて喜んでくれます。
それを見ていた男子生徒に、女ってなんですぐくっつくの?好きなの?と言われます。
桜は、彼氏いるしと答えます。
穂高はそれを聞いてびっくりしますが、知っているはずだと桜に指摘されます。
それを男子生徒に、穂高は人のことどうでもよさそうと言われ、ショックを受けます。
でも実際、他人にあまり関心がないのは事実だと少し反省します。
ちなみに穂高はクラスメイトの名前がほとんど言えません。
僕もクラスメイト全員の顔と名前が一致するのは3学期頃だったと思うので気にしなくていいと思うよ、穂高!
放課後に中庭で詳しい話をしながら、穂高は桜からもらった言葉にものすごく助けられたことを素直に
「桜は本当にすごい!人のことをちゃんと見てくれて嬉しかった。桜がいてくれてよかった。ありがとう!」
と、心からの感謝を伝えます。
お礼に持ってきたお菓子を食べながら、
「そんな桜が大好き!」
「私も穂高が好き!」
ハタから見れば百合な発言を連発する女子二人で、先ほどの男子生徒がまたそれを何とも言えない目で見ていました。
やがて楽しそうにしている2人の周りにはいつの間にか他の生徒たちも集まって来て、楽しい放課後を過ごしたようでした。
ちなみに男の子は人が増える最初の段階でスッといなくなりました。
3人の身の振り方を心配してくれた片山さんも和平から報告を聞いて、
「本当に良かった。もう誰もどこへも行かない 本当に本当の家族なんですね」
と喜んでくれました。
片山さんほんと健気でいい人……
和平は会社の休憩時間に3人が母親のところではなく、和平の所に残って家族になったことを父親に電話で報告します。
なんか『帰るね』って聞こえた気が……
その日、帰宅するとそこには4人の兄妹の父親である『旅人のお父さん』が来ていました。
そんな気はしてた。と和平は思います。
姉妹は先に晩ごはんを済ませてていたので、お父さんと和平の2人で向かい合ってご飯を食べています。
「和平くんとこんな風にご飯を食べるの、どれくらいぶりだろうね」
話題は自然に昔のことに向いて行きました。
小学生の頃の和平は、いつもフラフラ出歩いていて家にいない父親を嫌って避けていました。
「今、ちいちなと思いっきり遊んでやっているみたいに、小さい頃の和平くんとたくさん遊んであげれば良かったなーって思っているよ」
と、お父さんはしみじみ言います。
ご飯を食べ、お風呂に入ったお父さんは「そろそろ帰る」と言い出し、4兄弟は「え!?」と驚きます。
ビジネスホテルにでも泊まろうと思ってたという父に、泊まっていけよという和平。
初期から読んでるとこの場面は目頭が熱くなりました。
和平くんもほんと人間として成長したなぁ~としみじみ。
その晩、リビングに布団を並べて5人で眠りましたが、和平はどうしても寝付けず、ソファに寝転がってみんなの寝顔を眺めていました。
翌朝、早くに出て行こうとしているお父さんに「何してる」と声をかけ、せめて姉妹に挨拶していけよ。と言います。
お父さんはそういうのは苦手だから……と言います。
和平は、何色がいい?と聞きます。
「箸を買っておくから、いつでも帰ってこい」
そう言って父を旅に送り出す和平でした。
最近、和平のお昼は穂高の手作り弁当です。
それを見た同僚がなんかぴーちくぱーちく言ってたけど覚えてない。
片山さんの件は一区切りした。今、一番大事なのは妹たちだ。と和平は言います。
お気付きの方はお気付きでしょう……出ますよ、あの人が!!
片山さんから良いお肉屋さんを教えてもらいます。
火曜日は特売日なので、穂高より早く学校が終わるちいちながおつかいに行くことになっていました。
そのお肉屋さんは手作りウインナーが絶品だと言います。
2人が行った時、すでに先に来ていたお姉さんが注文していて、ちょうど売り切れてしまいます。
お姉さんが譲ってくれようとしましたが、双子は[あーあという顔をさせてしまった]と、『お気づかいなきよう』と固く辞退して帰ります。
次の火曜日に行くと、そのお姉さんにまた会いました。
そして、この前ウインナーを譲ってくれたお礼に、とコロッケをご馳走してくれます。
もちろん、双子はしっかりしてるので知らない人から物をもらってはいけない。と断ろうとしますが、お店のおばちゃんからざっくりとお姉さんを紹介されたことで、『知ってるお姉さん』となり、コロッケを受けとります。
美味しそうに……幸せそうに食べる可愛ぇぇ……
そこでちいちなは『お姉さん』に自分たちのお兄ちゃんとお姉ちゃんのことを話します。
お兄ちゃんもお姉ちゃんも私たちを大好きだからチョロい。と、でもそんなお兄ちゃんもお姉ちゃんも大好きだと。
お姉さんは、仲良しなんだね、と。
ここも癒しポイントだと思います!!
その夜、二人は晩ごはんを残してしまいます。
最初は風邪気味なのかと思った穂高でしたが、次の火曜日も晩ごはんを残したので和平に相談?報告?します。
余計なお金は使ってないから買い食いもしてないのではないか……と。
和平は会社の外回りのついでに2人の様子を見に行きました。
すると穂高もちいちなを尾行していたので、2人でそっと見ることに。
そこで見たのはお肉屋さんで、お姉さんとコロッケを買い食いしていた双子の姿でした。
そしてそのお姉さんの正体は、片山さんでした。
双子が和平の妹だと知り、状況を理解した片山さんは、心配をかけさせてとすみませんと謝まり、その場を立ち去ろうとします。
2人が彼女にとても懐いているのを見た和平は、片山さんがこの間『肉じゃが』をくれた人だと紹介して、
「迷惑でなかったらまた会ってやってもらえますか?」
と、お願いするのでした。
和平は毎日穂高にお弁当を作ってもらいます。
和平がそのお礼を穂高に言います。
ちいちなはそれが羨ましくてごね始めます。
2人は「お弁当はすごく楽しみなもの」と言いますが、子供の頃、自分で弁当を作っていた和平にとって『お弁当』はあまり良いカテゴリには入っていないものでした。
そこで、今度の日曜日にお弁当を持って4人でピクニックに行くことになりました。
4人が大きな緑地公園にやって来ると、なぜか会社の同僚と加東さんも合流してきました。
大きなピクニックバスケットに入れてきたお弁当をみんなで食べての~んびり過ごす。
この何でもない日常感がとても気持ちのいいものだと気付いた和平でした。
今日、偶然にも3人の妹たちはそれぞれの用事で出かけて、家にいるのは和平一人でした。
「静かだなぁ……ひとりだなぁ……」
和平は久しぶりの一人だけの休日を思いっきり満喫しようと思っていたのですが、ちっとも楽しくないと感じます。(本を読んだり色々)
ここでの回想の和平がエロ本を読んでると聞いた時の穂高の目が何気にお気に入りですw
1回り程離れてるとはいえ、大好きなお兄ちゃんがいかがわしい本を読んでいると知った時の年頃の女の子の目なのかな?って。
まあ、実際の和平は読んでないのですがw
溜まってある録画を見ても、双子が好きそうだなーと思いながら見てしまい、楽しめません。
しかたないので外へ出てみると、片山さん親子に会いました。
「久しぶりに一人の自由を満喫しているんです」
と言う和平に片山母は意味ありげに言うのです。
「ふふ……それがまた難しいのよ」
結局、ちいちなが欲しがっていた食玩を買って帰ってきた和平は
『早く帰ってこないかな』
と思いながら眠ってしまいました。
目が覚めるとなぜか、妹たちの他に桜がいました。
加東さんや同僚までいて、ご飯の支度をしているのです。
実は朝からみんなで手分けして和平のためにパーティーの準備をしていたと言います。
さっぱり訳のわからない和平にちいちなが種明かしをしました。
今日は和平くんのための『兄の日』だったのです。
「ここで4人で暮らすようになってから毎日毎日ずっと楽しい!だからね、ありがとう、和平くん!」
和平くんが私たちのお兄ちゃんでよかった!
思いがけない幸せに涙が出そうな和平です。
子どもたちの幸せな写メをもらったお父さんはいい笑顔で、「近いうちにおうちへ帰ろう~♪」と言うのでした。
・まとめ
これにておはようとかおやすみとか全5巻、完結です。
ええ話やった……いえ、いいマンガでした!
和平くんと同世代のせいかめちゃくちゃ刺さる作品でした。
この作品はこれで終わりということですが、続きを読みたいとは思います。
和平と片山さん、穂高と皮肉屋の彼。
それぞれのエピソードでまだ展開していけると思うからです。
でもそれをやらなかったということは、この作品は兄妹がメインで父がアクセント的存在、『家族』がテーマだからそれ以外の恋愛や友情のその後は読者の想像に委ねるってことなのかなー?
って思います。
何気ない日常っていいよね。
それを思い出させてくれる素晴らしい作品でした。
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ここまで読んでくれた方々、ありがとうございました!感謝です(^人^)
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