・タイトル
王様ゲーム 終極
・点数 60点
表現力☆☆☆
深み☆☆
芸術性☆☆
ストーリー性☆☆☆☆
読みやすさ☆☆☆☆
・著者情報
金沢伸明(ぱっくんちょ)
1982年 広島市呉市出身の小説家です。
大学を卒業後、IT企業に勤める傍ら、趣味として、モバゲータウンにてぱっくんちょのクリエイター名で携帯小説『王様ゲーム』を執筆します(会社を立ち上げた時期と作品の投稿時期が同時期だった為、二足のわらじ状態だったようです)。この著者の作品は王様ゲームだけですが、シリーズとして全12巻が双葉社から出版されています。
また、この作品は複数人の作家によりコミカライズされ、実写化、アニメ化などされています。
今回取り扱うのはこの中の双葉社により書籍化されている『文庫版の小説』になります。(第2作目です)
・本の概要
あの悲劇(王様ゲーム)から7ヶ月、信明が転校した学校で再び王様ゲームが始まった。
そしてこの作品のヒロインでもある本多奈津子の登場によって王様ゲームの謎も解き明かされる。
・感想
分かりやすさという意味では一定の評価ができますが、単調と言えば単調。
前半は同じことの繰り返しになるのを避ける為か、展開が早すぎるのでそこはもうちょっとどうにかしてほしかったかもしれません。
ルール上、同じことを繰り返すならそれを利用して見せ方を変えるとかやりようはあったように感じます。
前作を見ていれば王様ゲームに
ついては知っています。
ただし、終極のキャラについては全く感情移入出来ていない状態でそうなっても…という感じです。
まあ、前作の序盤の犠牲者も近い状況でしたが、そこは信明が同級生パワーでどんな奴だったかを説明してくれたので、前作の『彼』はただのいじめっ子じゃなかったんだなー、と読みながら悲しくなりましたが、今回の彼は話を聞かずに信明を敵と決めつけといてヤバいと思ったら信明に命乞いして、助からないと分かれば信明に恨み節など、一貫性に欠けてるような気がしました。
いや、普通の高校生なんでしょうけど、一人相撲感が凄い。
とはいえ、作品全体がダメという訳ではありません。
87ページぐらいからようやく物語がゆっくり動き出して前作との違いや繋がりが見えてくる別作品になっていくという感じです。
これは批評家の人にボロクソに言われてもしょうがない。アニメ化の際のベースということで変に注目を浴びたのかな…
前述の通り、物語の序盤は単調過ぎたり、感情移入しづらかったりですが、物語が動き出してからはまあまあ面白いのかなー?って感じです。この世界観に慣れすぎてもはや自信はないですが。
この作品にもとても好きなキャラがいます。
とても我が儘で身勝手な女の子。
ただし、ネタバレになるので書けません。
奈津子も結構好きです。
でもネタバレになるので…
結論としては何も書けない(笑)
とりあえずこの作品は読者が奈津子をどう思うか。で評価が変わるぐらい重要な存在です。
ストーリーのまとめ方も一定の評価をしていいと思います。
これは完全に個人的主観なので無視してもらっても大丈夫ですが、前作もこの作品も、クラスメートというだけで友達とか言ってる信明に対する不快感が最後まで残りました。
友達に~とか友達が~とか軽々しく言い過ぎてこの人の言う『友達』の意味が薄っぺらく感じられました。
王様ゲームって元が携帯小説なので読みやすさに関してはいいほうだと思います。
斜め読みの練習には最適かと思います?
まとめ
別に作品そのものは嫌いではないです。
謎解き編として一定の納得と満足もしています。
さて、問題は前作の王様ゲームを読んでいないとこの作品のみでは完成していないこと。
更にはよほど王様ゲームの世界観を気に入らないと時間を割いてまで読む必要はないということ。
自分で言うのも何ですが、後者の意味は深いです。
単純に、王様ゲーム気に入ったという人にオススメとも言えないです。
一応前作は前作で完結しているのでそこで止めておくのも1つの手だと思います。
そうですね…王様ゲームの世界観が好きで、なおかつデッドレースが好きで、後味が良くなくて(悪くて)も平気な人には一応勧められるかな?ぐらいの作品です。
読むと終極の意味は分かります。
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