神黎の図書館

漫画・小説・映画・アニメ・ドラマを主観によるグラフ+点数+批評+感想を綴り、作品の評価をあらゆる形で視覚化したブログです。有名な作品から掘り出し物的な作品まで生涯の内になるべく多くの作品に触れて伝えていけたら本望です。

本を読むこと、買うことの意義

最近の時代背景としましては読書って敷居が高いのかもしれませんが、本を読むことはいいことです。

例え1日数ページしか読めなかったとしても、本を『読む』と読まなかった時よりも心(精神)に余裕が出来たりするんですよ。

マンガが読書に含まれるか含まれないか議論はひとまず置いといて、マンガでも上質なものだと小説と同じぐらい、もしくはそれ以上に学べるものや感じるものが多いこともあります。

一番良くないのは偏見ですね、それがもったいないです。

そしてまた、前のものが読めてないのに次々と本を買ってしまって未読のものが増えてしまうことについてですが……個人的には有りです。

というか僕がまさにそれ(笑)

元々の自分の趣味、大人になるにつれて増えてきた知識の中で新たに興味を持った範囲の趣味、自分にとっては未知の世界だったけど評価が高くて興味深いジャンルetc.

読めてないけど手元にはあるから読むのが楽しみだ!
というワクワク感はかなり心の栄養になっています。
たとえ実際に読むのが遠い未来だとしてもそう思います。

一般の男性より少し手が小さいので文庫版のものが出てない場合は読むのに一苦労したりしますが(小説でもマンガでも)……それを差し引いても、本を読むこと、買うことは僕にとって有意義なものです。


はい、ということで今回は小休止がてら本の考え方的なものを書いてみました。

読めてないのに買うことに意味があるのか?と問われれば、あるから買ってるんです。って答えます。

恐縮ですが、このブログにたどり着いた人の読書ライフがより楽しくなれたら嬉しいなぁ~と思っています。

ペルソナ4 公式設定画集

・タイトル

ペルソナ4 公式設定画集

ペルソナ4 公式設定画集

・著者情報
アトラス×ファミ通

本の概要
名前の通り、ペルソナ4の設定画集です。
貴重なラフ画も見れます。


・点数

総合得点88点

表現力☆☆☆☆☆
深み☆☆☆☆☆
芸術性☆☆☆☆☆
ストーリー性☆☆☆
読みやすさ☆☆☆☆


・感想
主要キャラクターやサブキャラクターのラフ画に加えて、デザインへの細かいこだわりが書かれているので分かりやすくて深いです。

主人公からクセを抜いた童顔verとか髪の長い千枝、髪の短い雪子が見られるのはこの本だけかも?

髪を下ろした長髪の菜々子がめちゃくちゃ可愛いです。
過保護に愛され過ぎてお姫様みたいなイメージの菜々子がめちゃくちゃ理想(妄想)の妹っぽいですよね!

キャラクターだけではなく、ペルソナ、シャドウ、建物についても詳しく書かれているので、設定画集兼資料集としていいものだと思います。

最後はデザインを担当した副島さんのインタビューが収録されています。

・まとめ
各設定の中には本編へのネタバレが含まれますのでファン向けBOOKです。

無印版の設定資料なのでアニメやペルソナ4G、4U等の設定ではないのでご注意下さい。


本編


おまけ

ピアノソロ ペルソナ3 & ペルソナ4 ピアノ・セレクション

ピアノソロ ペルソナ3 & ペルソナ4 ピアノ・セレクション

  • 作者:-
  • ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
Amazon

ONE PIECE 第39巻

ONE PIECE 39 (ジャンプコミックス)

・タイトル

ONE PIECE 第39巻

・点数 100点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
オリジナリティ☆☆☆☆☆
テンポ☆☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆☆

・本の概要
・船上バトル
・飛鳥vs牛鬼
・奪還作戦開始

・感想
サンジくんの作戦で敵の数を7両から5両に減らした3人の前に立ち塞がったのはCP7のお料理格闘家のワンゼでした。

サイボーグのフランキーを見てテンション上がるそげキング。お前……アイツに似てるな!(棒読み)

あと、ラーメン拳法ってなんか別の有名な作品のキャラクターが思い浮かぶけど細かいことは気にしない!

ワンゼと戦うのはサンジくん。
料理人のプライドをかけた対決です。

そして、上から次の車両に向かったフランキーの前に現れたのはCP9の新入りのネロ。
四式のネロ……ということは技が若干少ないのか。
なるほど、興味深い。

ロビンの元へ真っ先に辿り着いたのはそげキング
初対面なのに大丈夫か!?(棒読み)

そげキング(の中の長鼻くんと呼ばれる人)がめちゃくちゃいいこと言ってますのでここは伏せましょう。読みましょう!
いや、是非読んで下さいm(__)m

サンジくんが戦闘に包丁使ったァァァ!!
しかも二刀流だァァァ!!

ネロの技

紙絵
嵐脚
月歩
これで四式か!
予想では剃、嵐脚、月歩、指銃の攻撃特化型かと思ってたのに外した!クソッ!

一方、ルフィ達は切り離された車両と対面します。
ルフィの一声で車両を真っ二つに斬るゾロ半端ないって……(ちょっと流行語使ってみました)

しかし、Tボーンは車両の5倍ほど巨大な海王類を真っ二つにぶった斬り、荒波の中、走って前の列車を追いかけてました。
この時点でこの人も若干化け物の片鱗が……

結果的にはゾロが一撃で決めましたが、立ち会ったゾロが心の中で「強い」と思ったり、「天晴れ」と言ったり、かなり評価が高そうです。

『てめェの正義もさぞ重かろうが、こっちも色々背負ってんだよ!!!』

悪が正義に勝った時のセリフとしてはこれ100点満点なんじゃないかな?って個人的に思います。

そして、″サイボーグ″フランキーは男の夢が詰まっています。
そう、変形するんです!シャキーンヽ(•̀ω•́ )ゝ✧

掛け声は変体。要はへーんたい!そういうことです(笑)
姿はケンタウルスをモチーフにした形ですね!
前後ろ逆ですがw
背中側が生身で前側がサイボーグならそうなるわなwという面白フォーム。

それにしてもネロは結構ツッコミ入れてくるし、ノリがいい。最高じゃねぇの。

一方のサンジくん、ワンゼのラーメンの鎧を剥ぐ為に『料理』として包丁を取りましたが、ポリシーは曲げません。

「包丁は剣じゃねェんだ、人は斬らねェ」

格好いい。

サンジくんにボコられて顔が凹んだほうが美形なワンゼ……やっぱ面白い!

サンジ、フランキー、それぞれが敵を倒した一撃と共にCP9のいる車両にほぼ同時に入ってくる。
正直これめっちゃ格好いい。

そして、ブチキレて任務を忘れるネロを粛清するルッチ。

『何もかもが中途半端なお前に″CP9″は務まらん』

『「六式」揃ってこその超人だ、坊や……』

カッケェ!!ルッチカッケェ!!

ロビンとフランキーの会話がいい。
フランキー、師匠に似てきた……


CP9のジャブラ、クマドリ、フクロウ……申し訳ないけど記憶にない!
誰だこの人愉快そうな人達は!?


作戦を聞いて「わかった」と言ったルフィは作戦を無視して単独で突っ込みます。
まあ……いつものことですね!

司法の島でもルール無用で大暴れのルフィ。
まあ……いつものことですね!

・まとめ
まとめると総じてニコ・ロビン奪還作戦です。
これ言うとこの先も全部それじゃん!ってなるんですがw

あ、記憶に残らない個性豊かなキャラクターが満載な1冊です!

コミック

モノクロ版カラー版

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ONE PIECE 第38巻

ONE PIECE 38 (ジャンプコミックス)

・タイトル

ONE PIECE 第38巻

・点数 96点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
オリジナリティ☆☆☆☆☆
テンポ☆☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆

・本の概要
・兄弟弟子
・ボクシングチャンピオン?
・アクア・ラグナ
ロケットマン
・結束

・感想
前巻であえて書かなかった部分に触れることから始めます。
繋がりがありますで……

連行されるトムさんを何とか止めようと生身で、しかも単身で海列車を止めようと立ちはだかったフランキーでしたが、結果は海列車に轢かれて命を落とすことに……なったはずでした。表向きは。

奇跡的に生きていたフランキーは最後の力で廃船の鉄クズを動かなくなった自分の身体と入れ替えることで何とか生き延びることに成功します。

自分で自分を改造したのかフランキー……やるな!!

フランキーとアイスバーグの関係性いいなぁ~
これも読みましょう?

「おれの知ってることを話そう」
アイスバーグさんはナミに自分とロビンの持つ【秘密】について話始めます。

そしてロビンの真の目的も……
ロビンの目的については重大事項なので現状では極力伏せたい……ので、可能な限り伏せる方向で!

ロビンの目的=ルフィ達の再起に繋がります。

それはそれとして……サンジくんのこのセリフ格好いい。

『チョッパー……一つ覚えとけ、″女のウソ″は許すのが男だ』

そして、ルフィ……ゾロ……お前ら……大事なときになんで揃って(別々の場所で)挟まっとんねん(笑)

更にサンジくんは潜入スキルが皆無だった(笑)

サンジの前に現れたのはCP6のジェリーという男。
空手の盛んな島のボクシングチャンピオンとのことで……面白い。
掴みバッチリなんですが!!面白くない?

まあ……サンジくんの圧勝でしたけどねw


引き潮が大きい程押し寄せる波は強くなる。
ウォーターセブンは元々沈んだ街を埋め立ててその上にさらに街を作ってました。

そんなウォーターセブンから完全に水が干上がった反動、今回のアクア・ラグナは凄まじかったです。
波は街を破壊する……これはちょっと恐ろしいです。教訓ですね(--;)


アニキを連行されたフランキー一家が恥を忍んでルフィ達に頭を下げて連れて行ってほしいと頼みます。

ナミは当然文句を言いながら反対しますが、ルフィは「乗れ」と言います。
ルフィはこういうのに弱いよね!男の世界だね!

ロケットマン内部で同じ目的を持った男達の結束が固まってました。
麦わらの一味、ガレーラ、フランキー一家、このシーン好きです!


そして、海軍大佐のTボーン。
趣味が人助けでモットーは1日百善、部下が傷付くのを嫌うという心優しき男……なんですが、顔が怖すぎると部下に思われてる不憫な男の登場です。


アクア・ラグナを抜ける為にルフィとゾロは巨大な波に風穴を開けて押し通ります。
その間にナミから全てを聞いたサンジ。

ルフィはサンジに「暴れていいぞ」と言います。
それを聞いたゾロはルフィに「無茶言うな」と言い、サンジにそこにはヤバい奴等がいるから自分達が着くまで待つように言いますが……

「お前ならどうした?止めたってムダだ」というルフィの一言で納得したようです。
ゾロはサンジが心配だったのかな?

一方、サンジから話を聞いたウソップとフランキー。
フランキーはロビンの想いに感動したことと、自分に託された想いとでロビン奪還に協力してくれます。

ウソップは「もう俺には関係ない」、「世界政府そのものが敵になるのなら関わりたくない」、「義理がない」と泣きながら背を向けて言います。
一番の理由はやっぱり……

『あれだけの啖呵きって醜態さらしてどの顔下げてお前らと一緒にいられるってんだ!!!』

これなんだろうなぁ……気まずいのではないかと。


そして、ウソップと別れてしばらくした後、絶妙なタイミングで助けてくれた謎の仮面の男、そげキングとは何者なのか!?

次巻も楽しみですね!

・まとめ
扉絵がもはや懐かしみを感じるリトルガーデンの皆さんでした。

個人的なお気に入りはBWの残党枠の3人(取り残された3人)が新聞を見て初めて仲間の顔を知るくだりや、3人がリトルガーデンを脱出するくだり、好きです。

新しく出てきたキャラが地味に個性的なのもポイントですね!

コミック

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ONE PIECE 第37巻

ONE PIECE 37 (ジャンプコミックス)

・タイトル

ONE PIECE 37巻

・点数 92点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆☆
オリジナリティ☆☆☆☆☆
テンポ☆☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆

・本の概要
・六式
・フランキーとウソップ
・伝説の船大工

・感想
ちゃんと前巻読んで来ましたか?
前巻の内容だと重要事項なのであえて伏せてた名前も、この巻の感想からは普通に生物出していきますよ?大丈夫ですね?

ちょっとうざい入りになりましたが、一応最終確認です!




アイスバーグ襲撃の犯人ことCP9は政府の組織です。
今回の襲撃犯、その正体は……
カリファ、ブルーノ、カク、ルッチです。

ウォーターセブン編突入と同時にルッチとカク気になると言ったのは今思うと、失言だったかもしれません!
反省はしている。だが、後悔はしていない!!

ルフィ達と一緒にいては決して叶えられないロビンの願い。
それを叶える為に一味を裏切って罪を擦り付けようとした。と、ロビンは言います。

それでも納得出来ないルフィ達。
まあ、普通に説明不足すぎますよねw
悪道には悪道のルールがあって、悪には悪の矜持があって、ロビンはそれを通さずに抜けようとしているのですから追いかけられるのは当然です。

鉄塊、紙絵、月歩、剃、嵐脚、指銃
CP9の使う技は人体を限界まで高めた力、『六式』というものでした。

初見だったり、ロビンに気をとられたり等の悪条件はありましたが、ルフィもゾロもその業を前にあっさりと敗れてしまいます。

説明も簡潔で分かりやすかったので是非読んでみて下さい!
この鮮やかさは少年マンガを書く際の参考にもなりそうです。

ルッチの能力について……書いていいのか悪いのか……微妙ライン?
いえ、あえて書きましょう。

ネコネコの実 モデル″豹″
ネコネコの実って可愛い名前してますよね!!

動物系の能力は純粋に肉体の強化が出来て、鍛えれば鍛えるほどその純度は増して、なおかつ肉食系のモデルは凶暴性が増す……なるほど、ルッチにピッタリの能力だ!

結果的には凶暴性が増したルッチの手によって麦わらの一味は散り散りになります。

一方、フランキーにさらわれたはずのウソップは……その身の上話を聞いたフランキーに気に入られてしまいます。

部下になるなら面倒を見てやるとさえ言われますが、ウソップは「自分は海賊だ」と即答で断ります。

船を直して東の海へ帰ると言うウソップの言葉を聞いて、フランキーは突然態度を豹変させます。

『お前がこの船と一緒に海へ命を投げるつもりなら俺は口を出さなかった――だが、この船で東の海へ帰りてェなんて言うんだからおれァ止めてやるのよ兄ちゃん』

ウソップを気に入ったからこそのこのセリフ……いいね(^^)d

″クラバウターマン″
ウソップが見た妖精の正体は(ウソップの読み通り)メリー号の化身でした。
クルーに大切にされたメリー号の恩返し……それだけでもう涙が……󾌹


回想シーンで語れる伝説の船大工トムさん……の前にトムさんのペットの角界ガエルのヨコヅナ、地味に伏線回収。

あ、トムさんってロジャーの船造ってたのかー、そこの記憶抜けてたわ……

スパンダム……政府が方針を変えた原因はお前か!!

さて、ここから先のトムさんの話、スパンダムの話、フランキー、アイスバーグの過去については書きません。

この巻の竜骨ですからね!
いい話でしたので、気になる方は是非読んでみて下さい!

・まとめ
これはフランキーが主役の巻と言っても過言ではないと思います。
テーマは……まさしく愛だ!
どっかの変態モビルスーツ乗りを思い出したけど気にしない(笑)

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ONE PIECE 第36巻

ONE PIECE 36 (ジャンプコミックス)

・タイトル

ONE PIECE 第36巻

・点数 92点

ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆☆☆☆
オリジナリティ☆☆☆☆☆
テンポ☆☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆

・本の概要
・造船所での戦い
・正体

・感想
触れる者みな傷つける思春期……チェッカーズ?尾崎さん?

ガレーラカンパニー最強の5人がルフィに襲いかかります。
そして、喧嘩を邪魔されたフランキーはよりいっそう暴れます。

町が沈む程の高潮″アクア・ラグナ″が近付いていて、今日の夜中にはここに来る。
町で聞いた情報をバレないようにウソップに伝えようとするサンジとチョッパー、友情ですね!

反してルフィはちょっとあれですが……(笑)

そして、フランキーはエネルギー補給の為に酒場へやって来ます。
エネルギー源がコーラって……というツッコミよりも、エネルギーの有無がリーゼントに表れるほうが気になる……(笑)

そして、酒場でCP9というキーワードが……

そして、ロビンを探すサンジとチョッパーの元へロビンが現れます。

そこでロビンは、アイスバーグの屋敷に侵入したのはロビンで、その罪を麦わらの一味に被せて自分は逃げようとしていること、自分には闇の側面があること、2度と一味の前には現れないことを一方的に告げます。

サンジは追いかけますが、見失ってしまいます。
チョッパーに一言一句漏らさずに伝言するよう伝えてサンジは別行動を取ると言います。

話を聞いたゾロが言う通り、ロビンは″敵″なのか″味方″ なのか……そういう局面がやって来ました。

大暴れするCP9。仮面着けててもなんとなくどれが誰か分かるのはきっと尾田さんのこだわりがきちんとキャラクターに反映されているから。だと思います。

何気にルフィの「ゴムだから」ネタ久しぶりな気がします。

そしてCP9と同時に明かされたフランキーの正体。
ここの設定はめちゃくちゃよく出来ているので是非是非読んでもらいたいです。

ということで今回の感想は控えめです。

(個人的に)ゾロが言うことがいちいち格好いい。

・まとめ
ゴム人間のルフィ、サイボーグのフランキーの戦い方は当然面白いのですが、CP9の特殊な戦闘スタイルも面白いです。
別作品に喩えるなら若干BLEACHっぽい。
そんな感じです!

キーワードは誰が敵で誰が味方か……ですね。

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ガンダムSEED DESTINY ②さまよう眸

機動戦士ガンダムSEED DESTINY 2 さまよう眸 (角川スニーカー文庫)

・タイトル

機動戦士ガンダムSEED DESTINY ②さまよう眸

・著者情報

後藤リウ

三重県四日市市出身。愛知県名古屋市在住。
南山大学文学部国語学国文学科を卒業後、文筆の道に進みます。
2003年にノベライズ ガンダムSEEDでデビュー。

主な作品
オリジナル
イリーガル・テクニカ
ちょこプリ!
うしろシリーズ
夢守の姫巫女シリーズ
こっこ屋のお狐さま

ノベライズ
ガンダムSEED
ガンダムSEED DESTINY
ラメント
こばと。
貞子3D2―再誕
人間回収社シリーズ

・点数68点(小説としての評価)

表現力☆☆☆☆☆
深み☆☆☆☆☆
芸術性☆☆
ストーリー性☆☆☆
読みやすさ☆☆

・点数 75点(ラノベとしての評価)

キャラクター☆☆☆☆
ストーリー☆☆☆
世界観☆☆☆
構成☆☆
文章力 ☆☆☆☆☆


・評価
タイトルからして既に誰が主人公なのか、不穏な空気が……アニメなぞってるから仕方ないけどねww

本編で言うと、ちょうどカガリの周りが騒がしくなるタイミングだったり、キラが戦場に戻るきっかけだったり、シンやミネルバはおろか、ザフトの関係ないところの話が多いので、シン・アスカを主軸とした新たな物語としては2巻にして既にブレています。

とはいえ、冒頭で外伝(アニメではやってないところ)のキャラクターの話を挟むことにより、コズミック・イラ(大戦)全体の構図がアニメ本編よりも分かりやすくなっていたり、小説版独自の工夫と構成はなかなか素晴らしいものがあります。

良くも悪くも読み手の感情を逆撫でしがちな本編の展開やキャラクターの雰囲気を上手く再現してる辺りはさすがの文章力でした。

冒頭のみとはいえ、小説として本編の中に外伝の話を入れたことで、メディアミックスの外伝作品や外伝限定の機体の宣伝がさらっと出来てるのが凄いです。
その自然な導入技術に憧れます!


以下、商品リンクを挟んで個人的に感じた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。


機動戦士ガンダムSEED DESTINY 1 怒れる瞳 (角川スニーカー文庫)
機動戦士ガンダムSEED DESTINY 2 さまよう眸 (角川スニーカー文庫)
機動戦士ガンダムSEED DESTINY 3 すれ違う視線 (角川スニーカー文庫)
機動戦士ガンダムSEED DESTINY 4 示される世界 (角川スニーカー文庫)
機動戦士ガンダムSEED DESTINY 5 選ばれた未来 (角川スニーカー文庫)


・本の概要

世界は再び戦禍に呑み込まれ、少年たちもそれぞれの運命に翻弄されていく――。

オーブ近海での戦闘を制したミネルバは、連合軍に虐げられる人々を解放すべく新たな戦場を転戦する。

一方、ザフトに復隊したアスランは新たな剣を手に戦場への帰還を果たした。

そして揺れ動く情勢に背を向け、いまだ隠棲を続けるキラにも決断の時は近づいていた――

大人気アニメの完全小説化第二弾!

その手に運命を掴み取るために甦れ、フリーダム!!


・感想
隠棲しててもやっぱり主人公的扱いを受けてしまうのがSEEDクオリティ。(良くも悪くも、ね。)

今作も前作同様、冒頭に設定資料、前巻のあらすじが付いてます。
分かりやすくまとめてくれてますが、読み飛ばしても問題はないです。


プロローグではC.E.70に起こった大戦についてざっと説明されてますが、元々知らないとちんぷんかんぷんだろうなってぐらい簡潔にまとめられてます。

そして、有名な話扱いされている、″切り裂きエド″の二つ名を持つエドワード・ハレルソン……知らないw

このキャラクターはガンダムSEED MSVという映像化されてない所謂裏設定的なキャラクターですね、漫画化はされてるっぽい?

とはいえ、同じくMSVで活躍するイザークの部下こと、シホ・ハーネンフースガンダムSEEDシリーズのゲームに出てきますし(スパロボSDガンダムにも出てたり)、エドワード・ハレルソンにまつわる逸話の中で言うと、ソードカラミティはうっすらと記憶にあります。

何にせよ、ガンダムSEEDシリーズのコアなファンなら知ってて当然的な話をぶっこまれたのでちょっとビビりました(笑)


そして、オーブで先代達の墓前で自身の力不足を悔やみつつ、父に謝るカガリ
そこへユウナがやってきます。

自分の聖域を汚された気がして嫌悪感を抱きながら怒るカガリですが、正直、こんな情勢の中で1人で出歩いてそこに来たお前が悪い。と僕は思います。

すぐにお父様やアスランなら……とか比べるところも気に入らない。
可哀想ではあるけど、ユウナの言ってることはそこまで間違ってなくて、カガリが子供すぎる部分があるので……ね?

それに、親同士が決めた婚約者ならそれはそれでお父様の意思なんじゃないか?とも思います。
ユウナはぽっと出感あるけど、許嫁である以上、お父様が選んだ人なんじゃないか?って。

カガリってよくオーブが!とかお父様は!とか言うけど、根本的に自分の立場分かってないんだよなぁ~

ユウナが言ったように、自分はアスランと結婚するからプラントとは戦えない、だから地球軍のほうが敵なんだ!って言う度胸も決意もない。
そのくせに偉そうというかなんというか……その中途半端さが嫌いです。

オーブもアスハの名前も捨ててアスランと駆け落ちするんだ!とか、オーブの為に自分が犠牲になる……父のように!とかなら応援や同情も出来るのですが……

シンに対してもユウナに対しても、最初は威勢良くても言い返せなくなると途端に被害者顔するところ……それは許さない。

代表って国の顔だからね?それ分かってる?って思いますよね……
パトリック・ザラの息子と結ばれたいならそれこそ『戦い』だということはカガリも分かっていたはずだろうに……


キラが再び戦禍の中に戻るきっかけにもなった『プロの集団』の襲撃。

バルトフェルドさんがいなければ詰んでいた……って言いたかったけど、案外マリューさんでもどうにかなってたっていう。

まあ、バルトフェルドさんが足止めしてくれたから助かったのだと思うので結局はバルトフェルドさんがいなければ詰んでたと思いますが!
キラは生身の戦闘訓練受けてないのでこういう時は役立たずなんでね……

そして″敵″はモビルスーツを出してきます。
そんな時、バルトフェルドラクスを促します。

″鍵″とは何か?
キラ以外が知っていて、キラだけが知らなかった……その事実にキラは全てを察し、周りの皆に感謝しつつ、決意します。

開かれた鍵、皆を守る為に再び手にした剣、フリーダム。
その力は、その動きは【特殊な戦闘訓練を受けたザフト兵】をもってしても捉えることのできない圧倒的強さを見せます。

そして、キラの元へカガリから手紙が届きます。
キラはその手紙の行間からカガリの悲しみを読み取って、こんなのは間違っている……と、これまで何もしなかった自分へ苛立ちを感じます。

何もせずに見ているのは、戦いを起こそうとするものと同じぐらい罪……これはいじめ問題にも言えそうな重いテーマですね、国民(クラス)のみんなが笑って幸せそうなら自分が耐えればそれでいい?
それは違う。そんなのは間違ってる!と置き換えることもできそうです。


一方、カガリは結婚式を控えていました。
そこでユウナから口調をただすように言われて、またも「アスランなら……」と考え出すカガリ

この期に及んでなんだコイツ?
が素直な感想です。
カガリの状況は確かに気の毒ではあるけど、自分で決めたことなのにいつまで被害者みたいな顔してるんだろう?

何が正しいのかは分からないけど、何もしないのはダメだと思うから……と動き出したキラやアスランと同格の英雄とは思えない……

シンの言うように期待をしてなければ怒りは感じないと思うので、カガリの中途半端な態度がカガリらしくなくてイライラする……ってだけのことだと思いますが。

国の姫として代表として生きるのか、1人の女の子として生きたいのか、どちらにしても相当の覚悟を持って選んだのならどちらでもいいのに。

レジスタンス経験もあるんだし、恋仲のアスランや弟のキラの為に同胞を敵に回してでも中立を貫く!って言えば付いてくるくる人いたと思うんだけど……

そもそもプラントと組まれたらまずいから地球軍は強引なんでしょう?っていう。

まあ、その歴史を繰り返す行為が正しいとも思いませんが、お父様とアスランに会わせる顔がないとウジウジする姿を見せられるぐらいなら、お父様の意思を継いで凛とした姿のカガリが見たかったかな……

って個人的な感情が僕の中にあるからここら辺のカガリにイラついてしょうがないのでしょう。
わりとマジでシンの感情に近いのかもしれない?


さて、こちらもあえて厳しく、棘のある言い方をしましょう。

デュランダル議長から託されたセイバーに乗って今さらノコノコとオーブにやって来たアスラン

当然、オーブに入れてもらえる訳もありません。
カガリは何をしている!?」
さすがにこれはカガリ可哀想……

勝手にプラントに行くことを決めて、カガリが大変な時に議長に盛大におもてなしされてまんまと復隊したアスランには何も言う権利ないと思います。
君は君で自分の信じた正義に従えばいいんじゃない?

ムラサメとの戦闘も難なく終え、ミネルバに合流するアスラン

シンは何故かアスランに突っかかります。
強いのにオーブでのうとうと暮らしていたアスランが気に入らないと思っていたら、ザフトに復隊してミネルバに来ることも気に入らない!?

まあ、フラフラと所属先変えるところが気に入らないのは分かりますがw


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ここまではおよそ4ヶ月前に下書きしていた書評です。改めて見ると、結構ネタバレ有りですね!
せっかくなのでこれはこれで置いておくとして、ここからは今年に入って新たに導入したやり方での感想を書きます。(2019年3月26日更新)

『戦争はヒーローごっこじゃない!!』
独自のジャスティスを駆るアスランにだけは言われたくない(笑)
とはいえ、この巻内でいろいろあってシンは以前よりアスランになつきます。
そこには彼の影響も大きいんですね……そう彼、3人目のフェイスのハイネが爽やかに現れ、みんなの心に残るのがこの2巻です。

あと、アニメで見るより小説で読んだほうがキラの凄さが分かるような気がします。あの人とんでもないことやってたんだな……

今回ですね、めちゃくちゃ期間空いちゃった訳ですが…ちょっといろいろ考えてました。
SEEDの時にも書きましたが、というかSEEDの時以上に戦争について真面目に考えるきっかけをくれる作品だと思いました。

というのも、やはりオーブという国と日本が似ているからです。
日本の平成という時代は戦争とは無縁の平和な時代として終わろうとしています。
が、その一方で間接的に関わっているかもしれない。というのは読み直してて気付きました。
うーん……難しい問題ですね。
思うことはいろいろありますが、政治的な話になるとここでは書けないので、ここまでにします。

本編に関わることで最も胸が痛んだのはシンとステラの件です。
悲劇は結構好きなのですが、この2人の物語においてそれは哀しすぎる……
あと、ネオにもちょっと…ね。時々感傷に浸るネオに対してシンクロする部分があるのも事実ですが、ネオもネオで境遇が……ね?

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おまけ