神黎の図書館

漫画・小説・映画・アニメ・ドラマを主観によるグラフ+点数+批評+感想を綴り、作品の評価をあらゆる形で視覚化したブログです。有名な作品から掘り出し物的な作品まで生涯の内になるべく多くの作品に触れて伝えていけたら本望です。

ONE PEACE 第4巻

ONE PIECE 4 (ジャンプコミックス)

・タイトル

ONE PIECE 第4巻

・点数 76点

ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆☆
オリジナリティ☆☆☆☆
テンポ☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆

・本の概要
・共同戦線
・真実
・ジャンゴの催眠術
・登場!ニャーバンブラザーズ
・キャプテン・クロ登場
・カヤお嬢様(とウソップ海賊団)
の流れです。

・感想
この巻は初めからクライマックス…は言い過ぎにしても、最初から盛り上がりを見せています。

『彼』はまさにオオカミ少年そのものだからウソップの言うことを誰も信じない。

それを身を持って知ったウソップの行動は今まで自分を慕ってくれた部下に自分が軽蔑されることで今回の騒ぎもいつもの嘘だと信じ込ませて1人で全てを背負う決意をするのでした。

そんなウソップの決意のセリフは格好いい。

『だからおれはこの海岸で海賊どもを向かえ撃ち!!!この一件を嘘にする!!!』

『それが嘘つきとして!!おれの通すべき筋ってもんだ!!!!』

『腕に銃弾ブチ込まれようともよ…ホウキで追いかけ回されようともよ…! !ここはおれの育った村だ!!』

『おれはこの村が大好きだ!!!みんなを守りたい……!!』


このウソップの決意を聞いて、ルフィ達も協力することになります。
ここでのゾロやルフィのセリフも好きです。

『笑ってやしねェだろ?立派だと思うから手を貸すんだ』byゾロ

『同情なんかで命懸けるか!』byルフィ

夜明けになり、『場所』を間違ったことに気付いた一向は急いで『北の港』へ向かいます。

が、ルフィはウソップより先に走るも迷子になり、ゾロはナミのせいで油まみれの坂の真下に落下して悪戦苦闘します。

一番乗りのウソップ、そしてナミの2人で何とか食い止めようと奮闘するも……

ボロボロになりながらも、

『お前らを通す訳にはいかねェ……!!!おれはいつも通りウソをついただけなんだから!!!村ではいつも通りの一日がはじまるだけなんだから』

と足掻くウソップは本当に格好良かったです。

そして、頼れる2人が遅れて登場するシーンも印象的です。

『ナミ てめェ!!!よくも俺を足蹴にしやがったな!!!』byゾロ

『ウソップ!!!北ってどっちかちゃんと言っとけぇ!!!』byルフィ


うん…全然格好良くない(笑)

そしてニャーバンブラザーズ。
ここぞとばかりに猫に関することをぶつけてくる駄洒落推しの回。

キャプテン・クロの登場からテンポは加速します。
それにしても、ルフィとゾロが2人揃って

『ウソップ 任せろ』

って言うのは頼りになる。そして格好いい。

ヤソップと知り合いのルフィはまだしも、ゾロもウソップを庇う行動をしたり、ただ約束を守るだけではなく、信念というか行動理念がルフィと似ているのだと思います。

・まとめ
4巻の内容はまさにウソップとクラハドールの『想い』の対決一色です。

麦わらの一味はウソップの協力者、クロネコ海賊団はクラハドールからの依頼を受け、キャプテン・クロに怯えながら協力させられてるという立場になります。

カヤお嬢様やニンジン、タマネギ、ピーマン、メリーはおまけというか、物語を彩るアクセント的な立ち位置です。

1巻におけるモーガンは『権力による悪』、2、3巻におけるバギーはルフィと対比の関係にある『悪道』、
それらに対してクラハドールは『悪行』ですかね。

バギーは本当に野望の塊ですし、強さに関わらず高いカリスマ性を持っています。
ちなみにこの巻の扉絵の中にルフィに吹っ飛ばされた後のバギーの様子が描かれたものがあります。

クラハドールはバギーよりも更に自分勝手で部下に対しても本当に容赦ないよね、派手さも何もないひたすら残忍な恐怖による支配がキャプテン・クロと言えます。

クラハドールは更に酷い。
莫大な財産に加えて『平穏』が欲しいが為に今回の計画を実行する身勝手さを誇ります。

一方、その為に自分自身が猫を被り、3年も潜伏し、実際に信頼される辺り、辛抱強さと実力は本物なのでしょう。

それこそ、派手好きで悪道を往くバギーには絶対に耐えられない3年を彼は過ごしているのです。

4巻から5巻への繋ぎ方もまた素晴らしい。
ワンピースのこういうとこって単行本を文庫本にするときの工夫に近いものを感じます。

実際は違うのでしょうが、作品に対して、食材も調理方法も味付けも出来上がりの味も見栄えも妥協しない料理のような味わいを感じます。

コミック

カラー版モノクロ版


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ONE PEACE 第3巻

ONE PIECE 3 (ジャンプコミックス)

・タイトル

ONE PIECE 第3巻

・点数76点

ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆☆
オリジナリティ☆☆☆
テンポ☆☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆

・本の概要
・vsバギー~決着
・珍獣ガイモン
・登場!キャプテンウソップ
・カヤお嬢様とウソップの優しい嘘
・変人ジャンゴ
・執事クラハドール

・感想
後述のまとめにも書いてますが、このエピソードのウソップはオオカミ少年を踏襲している節が強めなのでオリジナリティはややマイナスです。
相変わらずテンポは良く、サクサク読めますし、物語も進みます。

ストーリーについてですが、

第3巻の最初のほうは第2巻から引き続き、ルフィとバギーの戦いです。

シャンクスとバギーの関係も語られますが、バギーの持論による夢をシャンクスが奪ったという逆恨みからルフィを煽って嘲笑うように「大事なら守ってみろ」と、麦わら帽子を攻撃します。

それを受け、ルフィは激怒します。
それまで互角だったゴムゴムvsバラバラ対決でしたが、激昂して思考と視野が狭くなった事が逆に功を奏したのか、意外な方法(意外と単純)でバギーに対して有効打を浴びせます。

バギーも激怒した最中、ルフィに怒りながらも宝を持ち逃げしようとしたナミを見つけるやいなやすぐさま攻撃をしかける等、バギーは怒りながらも視野が広く、冷静でルフィとは対照的な印象を受けます。

にしてもバギーに対する有効打が気の毒過ぎる…というかバギー全体的に気の毒。

仁義を貫くルフィと悪道を往くバギー。
正反対の二人の対決はセリフの応酬を含めて一種の見所になっていると思います。

意外とこのテーマって新世界編にも繋がってたりすると思っているのでワンピース好きなら初めから読み返してみるのわりと本当にオススメです。

町を去るときの雰囲気は(意味合いとしては)少し1巻に似ている感じです。
特に言い訳もせず、『悪者』として町を去ろうとする中、町長からはお礼を言われる不思議な海賊。

それにしてもプードルさん…なかなかのツンデレ?セリフありがとうございました。
全く可愛くないし、何も感じなかったですけれど。
僕の感動はシュシュに持っていかれてますからね!!

間の箸休めエピソードにガイモンが登場する珍獣回があります。
地味にグランドラインについて説明されている貴重なエピソードでもあります。

ナミさんによるグランドラインとは何か?の説明に加え、ガイモンさんによるグランドラインの過酷さ(目撃談)が合わせて言及されます。

ガイモンさんが見た満身創痍でボロボロの海賊はどことなくブルックの海賊団に似たものを感じましたが、あの海賊団の結末を考えると別物なのは分かります。
でも元ネタかな?と考えてみたり。

何にしてもいいエピソードです。
子供の頃好きでした。

来ました。来ました。来ましたよ!!
ワンピース 中で僕が一番好きなエピソード、カヤお嬢様とウソップとカヤお嬢様のお話!

クラハドールに煽られて激昂したウソップは格好いい。

『おれは親父が海賊である事を誇りに思ってる!!!』

『勇敢な海の戦士である事を誇りに思ってる!!!』

『お前の言う通りおれはホラ吹きだがな!!!』

『おれが海賊の地をひいてるその誇りだけは!!偽るわけにはいかねェんだ!!!』

『おれは海賊の息子だ!!!』

ウソップの心からの叫び…響きます。

ジャンゴ…僕の独断と偏見ですが、実写化すらならイメージは勝地涼さんかな。
あの独特なクネクネ感はあの人を彷彿とさせませんか!?

また、ルフィがウソップに、幼少期にヤソップ(ウソップの父親)と面識があったこと、ヤソップがシャンクスの海賊団にいることをウソップに話すところもこの巻の象徴的なシーンです。

物語のバランス的に言えば、クラハドールことキャプテン・クロの計略は4巻の冒頭に持ってくるのが分かりやすいかな?とは思いましたが、続きが気になって次の巻を手に取らせる工夫という意味ではGoodポイントですね!

まとめ
ウソップの嘘は数年越しに本当の事になる説は半分本当で半分嘘?ということにしといて、このウソップ、元ネタはイソップ童話オオカミ少年ですよね!あと、ピノキオ?

コミック

カラー版モノクロ版


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ONE PEACE 第2巻

ONE PIECE 2 (ジャンプコミックス)

・タイトル

ONE PIECE 第2巻

・点数80点

ストーリー☆☆☆☆
画力☆☆☆
オリジナリティ☆☆☆☆
テンポ☆☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆

・本の概要
(いろんな意味で)ナミさん大暴れ~の巻
お馴染みの感動エピソードとしてはシュシュのエピソードがそこの担当ですね!
個人的主観で分けるとこんな感じ。
・女泥棒ナミ~ナミの罠
・恐怖のバラバラ人間
・シュシュとプードルと隣のジジイ
・ルフィ怒りの鉄槌
・ゾロvs曲芸死カバジ
・バギーとシャンクス?

・感想
読み始めの感想は…この頃のナミは本当にウザい(今も好きではないですが)。
まあ、理由が理由なので仕方ないですが。

そして、1巻の終わりの頃も思いましたが、初登場時のバギー船長の悪人顔はなかなかのもの。
どうしてああなった…(今のほうが好きですが)

そして、2巻の冒頭エピソードからまたも印象的なシーンがあります。
ルフィを撃てと命令され、手が震えるナミに対してルフィが放つ言葉。

覚悟もないのに海賊を相手にするからそうなる。
ルフィの言う海賊の覚悟…それは、 『自分の命を賭ける覚悟』
ここのルフィ格好いい。

そして、「女1人相手に何人がかりだ」とナイスタイミングで助けに来るゾロも格好いい。

まあ、初対面の海賊団の船長に煽られた返しが「やめとけ、死ぬぞ」なのはどうかと思いますが、自分の強さに自信とプライドがあるゾロらしい発言とも言えますね!

まあ、それが油断と傲慢を生んで後ろから刺されるのですが…
後ろからだけど、脇腹(横腹)だから背中じゃないし、セーフだよね!!

『おれは斬っても斬れないバラバラ人間なのさ』byバギー

『バラバラ人間ってあいつバケモンかっ!!』byルフィ


ここめちゃくちゃ好きです。
この辺の時期だと悪魔の実の能力者はレアなんだろうなー、ナミの反応からしてもそれは伺えます。

でもルフィと知り合いのゾロはやっぱり慢心ってやつなんじゃないかなw
まあ、直後に相手が悪魔の実食べてるのは知ってたけど油断したって言ってるので、未熟ながらやっぱりその潔ささや良し!なゾロなのでしょう。

そういや、モージもルフィがゴム人間って言ったとき、「多少頭でも打ったか」と言ったりしてます。

グランドラインに入る前はこんなもんか!

1巻の頃から本人も言ってましたが、ゾロは約束は守る義理堅い男。
ルフィが突拍子のないことを言っても信じて行動してくれます。
硬派ですね!あ、だからサンジくんと相性悪いのか!←今更

加えてナミも『現時点では』大嫌いな海賊であるルフィに対して義理を通す辺りは好感持てます。
シュシュが台無しにしてくれますがw

猛獣使いのモージとシュシュの件とルフィの反応も好きです。
ちょっとクスッってなるぐらいだけど、ちょうどいい。

1巻同様、さっき会ったばかりの『犬』であるシュシュの為に怒って戦うルフィも格好いい。
この辺の感じは初期のワンピースの象徴的部分だと思います。

それはそれとして、シュシュのエピソードはいい。

それにしても、バギーが投げてルフィが蹴りつけたモージってなかなかの速度だと思うんですけど、非戦闘員のナミが普通に跳んで避けたのビックリ。

そういえば登場の時も屋根からフッと飛ぶように来たし、身軽さは相当なもんなんだろうなー。
さすが海賊専門の女泥棒。

そういやナミも劇場版でその時代の話が微妙に触れられてたりしますが、あれはルフィ達に出会う前って考えたらこの時点で相当なやり手なはず…納得。

あ、自分が昔ゾロが好きだった理由の1つもこの巻にありました。

『俺の剣が目指すのは世界一…ハンディはこれぐらいで満足か?』

『俺とお前の格の違いを教えてやるよ』

『これくらいの傷でてめぇごときに敗けたとあっちゃおれのこの先が思いやられるよ…!!』

『もういい…疲れた…お前のくだらえねぇ曲技につき合うのが疲れたって言ってんだ!!』

『コソ泥じゃねぇ 海賊だ!!』

対カバジ戦のこの一連の流れ好きです。
ゾロのセリフほとんど抜き出してしまってごめんなさい。それぐらい好きなんです!

ちなみにルフィの『海賊王になる』発言を受けてのバギー船長のセリフ

『フザけんなっ!!!ハデアホがァ!!!てめェが海賊王だと!?ならおれァ神か!!?世界の宝を手にするのはこのおれだ!!夢みてんじゃねぇ!!』

これと、

『てめぇのその麦わらを見てると若かりし頃のあの男を思い出すぜ』

『クソ生意気な赤髪の男を………!!!』


2巻はここで終わりますが、ルフィにとっては衝撃ですよね。
まさか『バギー』が『シャンクスを思わせる人物』のことを含みを持たせて発言するなんて……

まとめ
ワンピースの2巻はルフィにとって一味としては初めての対海賊団という話です。
2巻は丸々バギー海賊団で更に3巻への繋ぎ方も絶妙です。

前回はモーガンが結構好きと書きましたが、バギーもいいですよね!
バギーは過去の事も含めてエピソードバギー作れると思うんだけどなー。
スピンオフ出ないかな?

ちなみにエピソードモーガンだったら小説でも漫画でも買いますよ!!←モーガン引っ張ってごめんなさい。

全体的に面白かったですけど、お話の構成的には1巻のほうが好きでした。

コミック

カラー版モノクロ版


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ONE PIECE 第1巻

ONE PIECE 1 (ジャンプコミックス)

・タイトル

ONE PIECE 第1巻

・点数 84点

ストーリー☆☆☆☆☆
画力☆☆☆
オリジナリティ☆☆☆☆
テンポ☆☆☆☆☆
熱中度☆☆☆☆

・本の概要
第1巻のストーリー内容はルフィの旅立ち~ナミの登場(顔見せ)までの8つのエピソードです。

個人的な主観で分けると、
・序章~旅立ち
・漂流~コビーとの出会い~vsアルビダ
・ゾロとの出会い~vs斧手のモーガン
・コビーとの別れ(再出航)~ナミ登場
の流れになります。

・感想
後々も大事な場面というか決め台詞というか、強敵を倒す時のキーワードとして度々使われるルフィの名言

「効かないねぇゴムだから!」

は1巻で既に言っていました。

さすが、途中の賛否両論はありながらも90巻続いてもジャンプの柱として人気であり続ける作品と言うべきですね、基盤となる部分は1巻の時点で完成していたと言えます。

画力に関しては現在と比べれると未完成だったのでしょう。
これは推測に過ぎませんが画力の向上によるキャラクターの雰囲気の変化を『2年後』、『新世界』という設定として昇華しているのだとしたらものすごい技術だと思います。

1巻(というか最初期のワンピース)の魅力は人気キャラクターの若かりし頃(戦う理由)がその都度1エピソード使ってきちんと描かれているところにもあると思います。

第1巻で言うと、幼少期のルフィとシャンクスの繋がり(=ルフィにとっての海賊道)と、ゾロとくいなのエピソード(ゾロが三刀流の理由や大剣豪への強いこだわり)が描かれています。

ルフィとコビーの繋がりも1巻の内に描かれているので、ルフィの『10年間の修行の成果』という発言も含めて、1巻時点で相当量の伏線を仕込んでいます。やっぱり技術力高い…

そして、単行本のワンピースと言えば本編以外にも各エピソード前の扉絵として楽しませてくれるのがお馴染みですよね!

1巻ではまだ、扉絵でサブキャラクター達によるサイドストーリーを描くという方式は採用されていませんが、改めて読み返すと、最初の扉絵がルフィ、シャンクスの海賊団、ナミによる宴会?のような扉絵でそこの意味を考えてしまいました。

おそらくは読み切り時代絵から応援してくれた人へのファンサービスなのではないか?という結論に至りました。

ROMANCE DAWNというのがワンピースの基になっている読み切り作品なので!

そして、1巻におけるメインテーマはやはりゾロとの件でしょう。
ワンピースは一部ではお涙頂戴物語と揶揄されていますが、1巻時点でその傾向はあります。

そもそも作品の中でメインキャラクターがそういう扱いを受けているのでこれは計算通りなんだと思います。
そう考えるとすごい御方だ…

テンポと熱中度のバランスを合わせた『読みやすさ』についてですが、比較的テンポ良く楽しく読めました。

いきなり海賊vs山賊の場面があったり、悪魔の実シリーズ』という強烈なパワーワードがあったりしますが、それ以外は今ほど専門的なワードもなく(少なく?)、人情ものとして読みやすくなっていると思います。

そんな中で、ゾロがルフィに言った

「てめぇは悪魔の息子かよ…」

が1巻の中で僕が1番気に入ったセリフです。
第5話の海賊王と大剣豪にて発せられたセリフです。

さて、1巻を読み終わって個人的にここは触れたい!と思ったのはやはり斧手のモーガン
ワンピースの長い歴史の中では『斧手のモーガン』は小物中の小物になるのでしょう。

腕っぷしだけで大佐まで上り詰めたという発言から相当強いのでしょうが、いかんせんルフィは『設定上』1巻時点でガープに毎日拳骨を食らいながらエース達と切磋琢磨した後なので、通常のマンガの主人公の1巻とは違う異質の強さを持っているので運が悪かったとも言えるのですが…

悪魔の実も食べてなかったので実力は置いといて、強かったとしても発言が小物なんですよねw

子供の頃に見てた時も何故か嫌いにはなれなかったモーガンですが、大人になって読み返してもやっぱりこの人は嫌いじゃない。

あそこまで作中で嫌われてるのも今思えばすごい(笑)

さて、ワンピース第1巻についての書評は以上になります。

この作品、全体を通して伏線が多いので1巻から深いですが、昔からアイデアを貯めてたと知ってすごく納得しました。

コミック

電子書籍
カラー版モノクロ版コミックセット


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Next One(通常盤)

Next One(通常盤)

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ガンダムSEED① すれ違う翼

機動戦士ガンダムSEED 1 すれ違う翼 (角川スニーカー文庫)

・タイトル

ガンダムSEED① すれ違う翼

・点数 92点(小説としての評価)

表現力☆☆☆☆☆
深み☆☆☆☆☆
芸術性☆☆☆☆
ストーリー性☆☆☆☆☆
読みやすさ☆☆☆☆

・点数 97点(ラノベとしての評価)

キャラクター☆☆☆☆☆
ストーリー☆☆☆☆☆
世界観☆☆☆☆☆
構成☆☆☆☆☆
文章力☆☆☆☆☆

・著者情報

後藤リウ

三重県四日市市出身。愛知県名古屋市在住。
南山大学文学部国語学国文学科を卒業後、文筆の道に進みます。
2003年にノベライズ ガンダムSEEDでデビュー。

主な作品
オリジナル
イリーガル・テクニカ
ちょこプリ!
うしろシリーズ
夢守の姫巫女シリーズ
こっこ屋のお狐さま

ノベライズ
ガンダムSEED
ガンダムSEED DESTINY
ラメント
こばと。
貞子3D2―再誕
人間回収社シリーズ

・本の概要

C.E.70、ザフト軍と地球連合軍の戦端が開かれてから11ヶ月。
中立国オーブのコロニー・ヘリオポリスで学生として生活していたキラ・ヤマトは突如戦禍に巻き込まれる。

地球軍が開発した5機の新型MSの内、4機はザフト軍に奪取された。
残された最後の1機、ストライクガンダムに乗り込んだことで、彼の運命は大きく変わる。

少年たちの悲しみを抱いて立ち上がれ、ガンダム

・評価

タイトルの「すれ違う翼」は幼馴染みである主人公2人がお互いを大切に思いながらも敵対関係になる様を見事に表しています。

芸術性については心理描写がとても分かりやすく、素晴らしいのですが、打ち合わせでキャラクターに重きを置くと決まったとおっしゃられてる通り、戦闘描写はやや控えめでした。

表現力は満点です。文句無し。非の付け所がない、完璧な翻訳力と+α以上の見事な補完力で完全版ガンダムSEEDと呼ぶに相応しい内容になってます。
さすがに戦闘描写ではアニメに軍配が上がるものの、それでもシャープにコンパクトに分かりやすく伝わりやすい戦闘場面や戦場の在り方だったので、戦争と皮肉な運命を題材にした小説としても一定の需要はあるのではないかと感じました。
というのも、心理描写や掛け合いはアニメ以上に鬼気迫るものがあったり、呼んでて唸るものを感じたからです。

テーマがテーマだけに深みもあります。
幼馴染み同士で……?同族同士で……?友達を撃てるの……?という主人公のみに課せられた悲運が切ない。

読みやすさに関しては設定の部分がかなり細かかったり、主人公であるキラやアスランを襲う理不尽さや友を想う気持ち等の心理描写が心を締め付けるので僕は少し間を取りながら読みました。

嫌な間の取り方ではなく、気持ちを整理する意味も含めて、余韻を楽しんだ感じです。

さて、ここからは内容に触れていきます。
一応商品リンク全巻貼って尺を稼ぎますので、ネタバレ絶対回避派の初見さんはここまでで大丈夫です。
アニメ見るのは長いし、小説読むのもダルいけど、映画は見たいという方や、最低1回はSEEDを履修してる方はアニメ版と小説版の違いも書いているので、興味があればこのまま読み進めて頂けると幸いです。


機動戦士ガンダムSEED 1 すれ違う翼 (角川スニーカー文庫)
機動戦士ガンダムSEED 2 砂漠の虎 (角川スニーカー文庫)
機動戦士ガンダムSEED 3 平和の国 (角川スニーカー文庫)
機動戦士ガンダムSEED 4 舞い降りる剣 (角川スニーカー文庫)
機動戦士ガンダムSEED 5 終わらない明日へ (角川スニーカー文庫)


・感想
アニメ版では、ラスティが撃たれた際のアスランの絶叫が少し謎でしたが、小説版のほうではラスティは陽気な性格で、ライバル関係からギクシャクしていた仲間の関係を和らげてくれていた。等、アスランの絶叫やミゲルがストライクに向かっていった理由も明確になっています。

それにしてマリューさん…仮にも大尉なのに16歳の少年の勢いに圧されてしまうとは…エリートだからプレッシャーに弱いのか、それでいいのか?地球連邦軍…と、こちらも思わず思ってしまいますね。物語が始まってすぐなのに。

そしてキラ・ヤマトの最初の戦闘で注目すべきはこの点。
後(小説でいう2巻)に明かされる主人公キラヤマトの持つ特性『バーサーカー』ですが、彼は最初からその片鱗を見せていました。

OSを書き換えながら悪態をつき、MSに搭乗すると、まるで別人のように口調が荒くなっています。
戦闘経験ないときからこれとはこの人ヤバい人だ…

とはいえ、自分が使ってしまった武器の威力を見て戦意喪失する等、そういう感性も持ち合わせているので、初めから狂戦士だった訳ではないのです。
この狂戦士としては未熟な感じもまたいい。そう感じました。

もちろん、ムウとラウの描写も丁寧に描かれています。
2人が対峙した時、具体的にどういう感覚なのかも書かれていて、それはお互い憎しみ合うわな…と感じました。

そして大人になった今、改めてユニウス・セブン、血のバレンタインデーの設定を読んだ時、いろいろ考えさせられました。
『戦争』について。

この設定はやはり、実際に日本と諸外国との間で起こったいくつかの出来事をモチーフにしているのでしょうか…

『プラント』は『地球』によって迫害され、虐げられてきた歴史があり、住みかを追いやられ、食糧の生産を禁じ、その
食糧を与えることで強制的に技術力を供給させていた。

つまりは植民地や奴隷制度に近いものなんだと感じました。
また、戦争になったきっかけの核攻撃を民間人が住んでいる場所に撃ち込む等、とても考えされる内容でした。

元々ファースト世代の頃より、ガンダムで戦争を学ぶ。という話は聞いていましたが、ガンダムSEEDは21世紀のファーストガンダム…そういった造りをあえてやったのかもしれませんね。

僕が何を思い浮かべたのかはここでは語りません。語れません。
ですが、この作品を読んで、もしも僕と同じようなことを思う方がいれば、それは学びのきっかけになるかもしれません。

更に言うと、コーディネーターであるだけで迫害されるという事実は現実世界で言うところの人種差別です。

キラとサイが揃ってラクスの歌を聴く場面で、傷心のキラを癒していたラクスの歌声。

そんな場面ですら…友人としてキラを慰め、励ましてくれていたサイが何気なく放った

「―でもやっぱ、それも遺伝子いじってそうしたもんなのかね?」

の一言でキラは思わぬ形で更なる追い打ちを受ける。など、そっちもいろいろ考えさせられる内容でした。


そしてキラにとってのトドメの一撃。
地球側の(フレイが言い出し、ナタルが実行した)保護したはずのラクスを人質として楯にするというやり方への驚き、怒り、そして幼なじみの親友が吐き捨てるように言った言葉。

自分を含めてコーディネーターを道具として扱う地球軍の為に同胞と戦わなければならない少年の葛藤が細かく描かれています。

ここで怒りで詰めよってきたキラに対してムウさんが放った言葉が

「そういう情けねえことしかできねえのは、俺達が弱いからだろ」

「俺にもお前にも艦長や副艦長を非難する権利はねえよ……」


自身も悔しがりながらキラを諭すような大人の対応のムウさんが格好いい。

そしてこの1巻だけに留まらない今後も度々キラを揺さぶることになるフレイの一言、

「―あんた、自分もコーディネーターだからって、本気で戦ってないんでしょ!」

というパワーフレーズ登場します。

16歳の若さで、ストライクを扱えるのがコーディネーターであるキラだけだから…そんな理由で無理矢理戦わされ、それでも友達を守りたくて必死に戦った。

幼なじみで親友のアスランと敵対してまで戦ってるのに…何故こんなことを言われなきゃいけないんだ?という気持ちと、
心のどこかで同胞であるコーディネーターと戦いたくないと思っていたから守れなかったのではないか…
という葛藤が頭をぐるぐる駆け巡り、壊れそうだったキラを救ったのはまたもラクスでした。

あとはキラを本気で心配して追いかけてきてキラの思いを汲んで手助けしてくれたトールの存在がドン底だったキラが立ち直るきっかけになっていると思います。

トールは本当に人種で差別をせずに、それでいて自分の気持ちとは別にキラの気持ちも尊重出来る正真正銘のいい奴です。

そしてキラを取り巻く人間関係はこの1巻で大きく変化しました。
好き嫌いが激しく、人見知りをする性格で友人はキラしかいないアスラン(説得の時の彼の感情はまるで恋焦がれる相手への告白のような印象を受けました)、

物腰が軟らかく、人当たりが良くて誰にでも優しいキラはトールが真実を知ってもなお、キラの帰還を心から喜んでくれることに安堵して、戻ってきてよかったと心から思うようになり、

キラとトールの会話を物陰で聞いてしまったフレイは何かを企み、キラに対して少し棘のあるカズイは仲間達で唯一、キラがもう民間人に戻れないのではないか?という含みのある言葉をサイに言い、キラを仲間だと思ってるサイはカズイの一言で気付かされる…そういう人間模様も丁寧に描かれています。

また、この作品独特の表現として『SEEDセンス』または『種割』と呼ばれるものがあります。
分かりやすく言えば『覚醒』ということなのでしょう。

最初はフレイに言われた言葉と自分を見送るフレイと非難民の少女の姿を思い浮かべ、何がなんでも守らなければ!という強い意思から、無意識に覚醒したのでしょう。
その様子も丁寧に描かれています。

・まとめ
ガンダムSEED全体のテーマは2人の主人公と2つの視点から見た非戦です。
僕、個人的には改めて読んでみて哀しさや切なさ、虚しさを感じつつ、学び取れるものも多かったので読み直して良かったなって感じてます。

あと、これは余談中の余談ですが、ガンダムSEEDにおけるキラの変化は教祖ラクスに洗脳された説。

これについては議論の余地がありそうですが、そちらの方向で考えるとしたら憧れをいた女の子にボロクソに言われ、その子の父親を守れなかった自責の念から解き放った時点でラクスの勝ちかなって思います。

ガンダムSEEDは元々アニメを見てたので基本的な内容は知っていました。
アニメを見ていた頃は僕も幼く、キラが好きで、キラに対して冷酷とも言えるナタルが嫌いでした。

でも今は軍人気質のナタルの言ってることも分かるようになりました。
マリューさんとほぼ同じ気持ちです。

そして、元々友人という訳ではないのに、若いキラの立場と状況を見て、考えて、本気で哀しむムウさん、マリューさん、ハルバートン提督のことが大好きになりました。

それにしても、昔からアスランは誠実なんだろうけど、女性にだらしないところが見受けられるから嫌いだ!
なんて思ってましたけど、改めて見直したら天然で人間関係をクラッシュしてる?キラもなかなか…って思っちゃいました。

それこそ、アニメの頃はサイも嫌いでしたが、小説読んでると序盤のサイは友達想いのいい奴じゃないですか!
ごめんな…サイ。ん?ごめんなさいってダジャレみたいになった!?
文字に起こすまで気付きませんでした…

とにもかくにも、「は?ガンダムの小説?読まねえよ」とか、「アニメが原作の小説でしょ?ならアニメ見るよ」とか毛嫌いせずに読んでほしい小説です。

ちなみにアニメで言うとことろの13話までの内容が収録されています。
内容はほぼ同一ながら一部の描写が変わっているのでアニメのガンダムSEED好きだった方にもサプライズな描写があったりなかったり。

「逃げ出した腰抜け兵が!!」だっけ?
イザークのあれ、なかったな。
キラ目線だから聞こえてないとも取れるし、そもそもそういうセリフは発してなくて、ストライクを狙うつもりが結果的にああなったとも取れる。
そんな演出で魅力的でした。

ちなみにあとがきのところはサンライズの方が担当されているので、ちょこっとだけアニメの裏話も書かれています。
アニメと小説の違いにも触れられています。
声優さんの名前も出されています。

ちなみに小説版の作者である後藤先生はトールがお気に入りだそうです!
どうりでやたらトールが気になる訳だ!
トールの心理描写の描き方めちゃくちゃ上手いです。


まとめ買いならこちら

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おまけ

時代も場所も異なる4つの悲劇が交差して1つの点となる:『王様ゲーム 臨場』

王様ゲーム 臨場 (双葉文庫)

・タイトル

王様ゲーム 臨場

・点数52点(小説としての評価)

表現力☆☆
深み☆
芸術性☆☆
ストーリー性☆☆☆☆☆
読みやすさ☆☆☆

・点数 55点(ラノベとしての評価)

設定☆☆☆☆
キャラクター ☆☆☆☆
ストーリー☆☆☆☆☆
構成☆☆☆
文章力☆☆

・著者情報

金沢伸明(ぱっくんちょ)

1982年 広島市呉市出身の小説家です。
大学を卒業後、IT企業に勤める傍ら、趣味として、モバゲータウンにてぱっくんちょのクリエイター名で携帯小説王様ゲーム』を執筆します(会社を立ち上げた時期と作品の投稿時期が同時期だった為、二足のわらじ状態だったようです)。

この著者の作品は王様ゲームだけですが、シリーズとして全12巻が双葉社から出版されています。

また、この作品は複数人の作家によりコミカライズされ、実写化、アニメ化などされています。

今回取り扱うのはこの中の双葉社により書籍化されている『文庫版の小説』になります。(第3作目です)

・本の概要

金沢伸明と本多奈津子のクラスで王様ゲームが行われている頃、時を同じくして、ホラーやオカルトが大好きな17歳の児玉葉月は自身の興味本意、好奇心で事件の謎を追うことにした。
やがて葉月はある廃校に辿り着き、1冊のノートを見つける。
そのノートにはもう1つの王様ゲームの経過が克明に記されていた。
さらに、葉月は夜鳴村で33年前の悲劇の真相に迫る。
異なる時間帯と場所で起きた4つ(実質3つ)の王様ゲームが交差し、1つの点になる。

・評価
仰々しいというか物々しいというか、そんな印象を受けてしまう今回のタイトル、それが臨場。
この作品の全体像を考えると、これ以上ないかもしれないタイトルですが、未読の状態だとどんな内容かの想像がしづらいというのが欠点の1つかもしれません。

この作品の売りとして1つあるのが、時代や場所すらも越えた4つの王様ゲームを紐解きながら、見えていなかった真相が見えてくる……という素材(設定)は素晴らしかったのですが、厳しめに言うと、それを扱えるレベルの文章力ではなかった。と言う他ありません。

探偵役兼全体のストーリーテラー、読者と同じ立場と目線で物語を回す狂言回し役をどう捉えるかで読み手の精神負荷が大きく変わる気はします。
好き嫌い分かれるとはいえ、キャラクターの見せ方には定評があります(僕の中で)が、今回はなかなか攻めてたなぁ~という印象です。

前作『終極』でわりと好きだったキャラクターの過去・本質(本来の性格)はむしろ嫌い。代わりに『終極』のその子のキャラクター性のモデルになっているライバルの存在等々、人が変わる瞬間をガッツリ見れる意味でもキャラクターの動かし方と見せ方は評価出来るポイントだと感じました。

構成力や表現力は微妙ながらも、キャラクター面とストーリー面で頑張ってポイント稼いで!って感じでそこは少し甘めに評価してます。


王様ゲーム 臨場
王様ゲーム 臨場

王様ゲーム 臨場 (双葉文庫)
双葉社ジュニア文庫 王様ゲーム 臨場

王様ゲーム 臨場 全4巻完結セット (アクションコミックス)
王様ゲーム 臨場 : 1 (アクションコミックス)
王様ゲーム 臨場 : 2 (アクションコミックス)
王様ゲーム 臨場 : 3 (アクションコミックス)
王様ゲーム 臨場 : 4 王様ゲーム臨場 (アクションコミックス)



・感想
何とも言い難いというのが素直な感想です。
いろんな意味で18禁かな?でも大人が読むと物足りない。
そんな板挟みにある作品と言えるかもしれません。

前作2つを合わせてここまでが王様ゲームの第1部なのかな?って思っています。
これ以降の作品を読んでないので断言は出来ませんが……。
ここから先はまた別の王様ゲーム
そんな印象を受ける終わり方でした。

ストーリーとしては3作品の中で一番好きです。
2作目の失敗を修正した感じです。
元々、読者の意見を取り入れる柔軟性のある作者さんだったのでそこは上手く取り入れて、まとめていると思います。

反面、他の全ての項目が前作2作より低い評価になりました。

バラバラだったピースを繋ぎ合わせて1つにまとめた一方で、小説としての深みはなく、表現も稚拙で、芸術性もない(下品)です。

年頃の子供には読ませたくない…って思いました。

読みやすさの点が下がったのは葉月がノートを読んでいる間が『もう1つの王様ゲーム』で、回想としてではなく、読者同様『葉月としては読んで初めて知る内容』なので脈絡もなく2つの時代が入れ替わりながら進行しているので(最後は葉月の想像で補足して伸明と奈津子の王様ゲームについて締めている)、こういう演出に慣れてないと読みづらかったり、モヤっと終わるかもしれません。

正直、いきなり出てきて勝手に想像してまとめるとかなんだコイツ……って思いましたが、レビューブログとか書評ブログも似たようなものなので強くは言えません。

葉月さんは冒頭で高校入ってからブログを書いてるって言ってたし、想像で行間を埋めちゃうし、文系なんだろうなー。

同じく冒頭で、「真面目だけが取り柄」と自己評価するほど真面目だったかは謎です。
少なくとも、それを感じさせる描写は特になかったと捉えています。

好奇心が強くて行動力があって、王様ゲームに参加したがってた割には意外と…な年頃の女の子なんだと思いました。


まとめ
あれ、文句のほうが多い?
でも、買ったことや読んだことに後悔はありません。
一応、『彼等』の結末を見届けれたのである程度満足しています。

この作品を誰に勧めるか……
終極までの王様ゲーム2作品が好きで、稚拙で低俗な表現があっても平気な方で、物好きな方ですかね、あとは奈津子が好きな人。


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検索で引っかかったおまけ

ついに明かされる王様ゲームの謎:『王様ゲーム 終極』

王様ゲーム 終極 (双葉文庫)

・タイトル

王様ゲーム 終極

・点数 60点(小説としての評価)

表現力☆☆☆
深み☆☆
芸術性☆☆
ストーリー性☆☆☆☆
読みやすさ☆☆☆☆

・点数 75点(ラノベとしての評価)

設定☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆
ストーリー☆☆☆
構成☆☆
文章力☆☆☆


・著者情報

金沢伸明(ぱっくんちょ)

1982年 広島市呉市出身の小説家です。
大学を卒業後、IT企業に勤める傍ら、趣味として、モバゲータウンにてぱっくんちょのクリエイター名で携帯小説王様ゲーム』を執筆します(会社を立ち上げた時期と作品の投稿時期が同時期だった為、二足のわらじ状態だったようです)。

この著者の作品は王様ゲームだけですが、シリーズとして全12巻が双葉社から出版されています。

また、この作品は複数人の作家によりコミカライズされ、実写化、アニメ化などされています。

今回取り扱うのはこの中の双葉社により書籍化されている『文庫版の小説』になります。(第2作目です)

・本の概要

あの悲劇(王様ゲーム)から7ヶ月、伸明が転校した学校で再び王様ゲームが始まった。

そしてこの作品のヒロインでもある本多奈津子の登場によって王様ゲームの謎も解き明かされる。

・評価
今回も普通のミステリー小説としての評価とラノベとしての評価の二段構えでした。
ラノベとしての評価のほうが結構高いです。

ラノベとして考えた場合に大事になってくるタイトルについてですが、甘めに見積もればここは満点に近いと思ってます。
結構長編なのにシリーズ2作目にして「終極」?と思わせた時点で作者の勝ち。というのがラノベの評価には大きく左右するポイントとして入るので、そこが強みとしてあります。

設定は相変わらず面白くて惹かれるものがあるのに前半が前作の省略版焼き回し感が否めないのが残念ポイントです。
残念ポイントというか本当に勿体ないなぁ~という感じです。

キャラクターに関してはなんと推しがいます!というぐらいのめり込みはしてるので、素直に高評価にしてます。
個人的な趣味嗜好が強いので、間を取って満点にはしてませんが、推しキャラも嫌いなキャラもどちらにも感情が芽生えてるのでラノベ的にはGood!

構成力は残念でしたが、抜群の素材を使っている分、ストーリーはそれなりにまとまってます。
ただし、後味は悪いです。
始まりと終わりがなかなか嫌な気分になる作品に仕上がってます。
前述部分で言える範囲のストーリーの特徴はこんな感じかな!
気になったら本編読むか後述読んで察して下さい。

この手の作品やこういうクライマックスシーンになる作品はわりとありますが、「そういう形」というか概念?だった種明かしでもあるラストシーンはわりと好きです。
物語云々とかストーリー展開ではなく、そこのアイデアに至ったところが好きです。
世界観とキャラクターはマジで好きな作品。あ、後半以降の話です。

文章力・表現力に関しては本当に可もなく不可もなくなので、特筆すべき点がないですが、言葉のフレーズ選びは個人的にややポイント高めです。
その結果、高確率で好き嫌いが分かれる空気にならないキャラクター性が完成してるので、そこもラノベ的には高ポイントですね!

ここまで褒め気味ではありますが、小説としての評価や後述の感想部分でこの作品が酷評されがちな意味についても触れてますが、ラノベにとって最も重要な素質と言えるであろう商業性に関しては欠けていると感じました。
そこら辺はラノベの新人賞等の審査を経てない携帯小説からの出版なので、評価が難しいところではありますが……。
商業性はないって感じるのにシリーズ累計10巻ぐらいあるからうーんwって感じ。
結果論ではなく、この作品を単体で読んだ時に感じた率直な意見です。
少なくとも万人向けのテーマ性ではない。ということで、そこはシビアに採点させていただきました。


以下、商品リンクを挟んで、内容に触れた感想を書いています。
ネタバレが気になる方はご注意下さい。


王様ゲーム 終極 (双葉文庫)
双葉社ジュニア文庫 王様ゲーム 終極
王様ゲーム 終極 コミック 1-5巻セット (アクションコミックス)


・感想
分かりやすさという意味では一定の評価ができますが、単調と言えば単調。

前半は同じことの繰り返しになるのを避ける為か、展開が早すぎるのでそこはもうちょっとどうにかしてほしかったかもしれません。

ルール上、同じことを繰り返すならそれを利用して見せ方を変えるとかやりようはあったように感じます。

前作を見ていれば王様ゲーム
ついては知っています。
ただし、終極のキャラについては全く感情移入出来ていない状態でそうなっても…という感じです。

まあ、前作の序盤の犠牲者も近い状況でしたが、そこは伸明が同級生パワーでどんな奴だったかを説明してくれたので、前作の『彼』はただのいじめっ子じゃなかったんだなー、と読みながら悲しくなりましたが、今回の彼は話を聞かずに伸明を敵と決めつけといて、ヤバいと思ったら伸明に命乞いして、助からないと分かれば伸明に恨み節など、一貫性に欠けてるような気がしました。
いや、普通の高校生なんでしょうけど、一人相撲感が凄い。

とはいえ、作品全体がダメという訳ではありません。
87ページぐらいからようやく物語がゆっくり動き出して前作との違いや繋がりが見えてくる別作品になっていくという感じです。

これは批評家の人にボロクソに言われてもしょうがない。アニメ化の際のベースということで変に注目を浴びたのかな……

前述の通り、物語の序盤は単調過ぎたり、感情移入しづらかったりですが、物語が動き出してからはまあまあ面白いのかなー?って感じです。この世界観に慣れすぎてもはや自信はないですが。

この作品にもとても好きなキャラがいます。
とても我が儘で身勝手な女の子。
ただし、ネタバレになるので書けません。

奈津子も結構好きです。
でもネタバレになるので…。

結論としてはやはり何も書けない(笑)
とりあえずこの作品は読者が奈津子をどう思うか。で評価が変わるぐらい重要な存在です。

ストーリーのまとめ方も一定の評価をしていいと思います。

これは完全に個人的主観なので無視してもらっても大丈夫ですが、前作もこの作品も、クラスメートというだけで友達とか言ってる伸明に対する不快感が最後まで残りました。

友達に~とか友達が~とか軽々しく言い過ぎてこの人の言う『友達』の意味が薄っぺらく感じられました。

王様ゲームって元が携帯小説なので読みやすさに関してはいいほうだと思います。
斜め読みの練習には最適かと思います?


まとめ
別に作品そのものは嫌いではないです。
謎解き編として一定の納得と満足もしています。

さて、問題は前作の王様ゲームを読んでいないとこの作品のみでは完成していないこと。

更にはよほど王様ゲームの世界観を気に入らないと時間を割いてまで読む必要はないということ。

自分で言うのも何ですが、後者の意味は深いです。
単純に、前作の王様ゲームが気に入ったという人にオススメとも言えないです。

一応前作は前作で完結しているのでそこで止めておくのも1つの手だと思います。

そうですね……王様ゲームの世界観が好きで、尚且つデッドレースが好きで、後味が良くなくて(悪くて)も平気な人には一応勧められるかな?ぐらいの作品です。

読むと終極の意味は分かります。


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